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サービスデスクとは?ヘルプデスクとの違いやITILを解説

サービスデスクは、ITサポートの質を向上させる部署や部門です。 より迅速にサービスを提供し、サービスデスク担当者の生産性を高め、セキュリティの向上が期待できるサービスデスクツールを無料で試しましょう。

【2025年版】サービスデスク完全ガイド

更新日: 2025年4月12日

サービスデスクとは、サポートチームが顧客、従業員、サプライヤー、パートナーなどに質の高いITサービスを提供できるようにする窓口のことです。 サービスデスクツールを使用すると、サービスデスクチームは1か所から問い合わせを管理したり対応したりすることが可能であり、スピーディで、パーソナライズされた有益な対応を実現できます。 また、AIによるカスタマーサービスも提供できるサービスデスクツールであれば、より迅速かつ効果的なサポートを可能にします。

本ガイドでは、サービスデスクツールの基本とメリットについて詳しくご紹介します。

目次

サービスデスクの概要

サービスデスクは、サポートチームがIT関連の問題やインシデント、サービスリクエスト、エンドユーザーからの問い合わせを管理・対処するためのコミュニケーションハブです。 IT部門とエンドユーザーとの接点を一本化し、快適でパーソナライズされたサポートを提供します。

サービスデスクの業務内容

サービスデスクは、サポートチームがIT関連の問題やインシデント、サービスリクエスト、エンドユーザーからの問い合わせを管理・対処するためのコミュニケーションハブです。 主な業務は以下のとおりです。

  • ユーザーから報告された技術的な問題やインシデントに対処し、根本的な原因を診断して、正常なオペレーションを回復するための解決策や回避策を提供
  • ITサービス、ソフトウェアのインストール、アクセス許可、ハードウェアのセットアップ、その他のIT関連サポートのリクエストに対応
  • ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、その他のITシステムで問題が発生したユーザーに対して、技術的な支援、ガイダンス、トラブルシューティングを提供
  • ITサービスの中断、メンテナンススケジュール、その他の関連情報をユーザーに通知するコミュニケーションハブ
  • ソリューション、FAQ、トラブルシューティングガイド、ベストプラクティスを含むナレッジベースを管理することで、問題の迅速な解決を促進し、ユーザーが一般的な問題を自己解決できるように支援

IT部門とエンドユーザーをつなぐ唯一の接点として、サービスデスクの業務は多岐にわたりますが、一人ひとりに合った有益なサポートを提供するために尽力しています。

なぜサービスデスクは重要なのか?

サービスデスクは、さまざまな種類のサポートを提供するための唯一の窓口として機能するため、重要な存在です。 ユーザーが支援を要請するための窓口であり、リクエストシステムの効率にもとづいてCX(カスタマーエクスペリエンス)を創出・中断することが可能です。

ユーザーから簡単に支援を求められて、間違いなく正確な情報を手に入れられるサービスデスクはCSAT(顧客満足度)を向上させることができます。また、探しているものを見つけられないときに顧客に生じる不満を軽減できます。

テクニカルサポートの窓口を1つに絞り、顧客からも見つけやすく簡単に利用できるようにすれば、より迅速に問題を解決できます。 たくさん解決できるということは、サポートチームの生産性も向上しているということです。

顧客とのインタラクションをすべて監視できるよう支援するAI(人工知能)をサービスデスクで採用すれば、顧客の行動やサポートリクエストの性質に関する、これまでに得られなかったようなインサイトを見つけることもできます。 また、AIはセルフサービス率の向上と待ち時間の短縮にも役立ち、解決までの時間を短縮してさらに顧客満足度を高めることもできます。

ヘルプデスク、サービスデスク、ITSMとの 重要な違い

企業は時折ヘルプデスク、サービスデスク、ITSM(ITサービスマネジメント)を混同し、同じ業務内容を担っていると認識していることがあります。 しかし、それぞれの組織は、ITの問題やサービスを管理するための独自の目的、機能、アプローチ方法を持っています。 ヘルプデスク、サービスデスク、ITSMを比較して、それぞれの業務内容や役割を詳しく見てみましょう。

主な違い:ヘルプデスクはユーザーの問題が発生したときに対処し、サービスデスクはより広範なITサービスの管理を支援します。そして、ITSMはITサービスのライフサイクル全体を管理し、最適化する包括的なアプローチを提供します。

ヘルプデスク

ヘルプデスクは主にユーザーへの受動的なサポートに重点を置き、ハードウェア、ソフトウェア、またはITサービスに関連する問題が発生した場合に対処します。 ヘルプデスクは、担当者のタイムリーな問題管理・解決を支援するチケット管理システムといったカスタマーサービスツールを活用しています。

サービスデスク

サービスデスクの役割は幅広く、カスタマーサービスへの問い合わせや社内のITサービスインシデントに対して、より積極的なアプローチを行います。 サービスデスクは、サポートの要請と問題解決を考慮して、合理化されたプロセスを構築することに重点を置いています。 ユーザーとの唯一の接点であり、ユーザーと直接やり取りする最前線のチームが、インシデントの解決やサービスリクエストの実現を支援します。

ITSM

ITSMはより包括的な役割を担っています。 フレームワークは幅広く、インシデント管理、問題管理、変更管理、ナレッジ管理、資産管理、サービス要求管理などのプロセスといった、ITサービスのライフサイクル全体を網羅しています。 ITSMはITサービスを管理・改善するための基本的なプロセスとツールを提供するため、ヘルプデスクとサービスデスクはITSMの一部です。

サービスデスクの主な役割

サービスデスクは、インシデント、サービスリクエスト、ナレッジリソース、変更、および問題を効果的に管理することで、サポートチームの負担を軽減し、良質なITサービスの提供や問題の迅速な解決、サービス品質の向上に貢献します。 サービスデスクの主な役割について、さらに詳しく説明します。

インシデント管理

インシデント管理には、予期せぬITサービスの中断やインシデントの処理、解決が含まれます。 サービスデスクは、インシデントの記録、分類、優先順位付けのほか、効率的な解決を通じて、可能な限り速やかに通常業務の回復を目指します。

リクエスト管理

リクエスト管理は、ITサービスの要請やインシデントとは無関係な問題への問い合わせや要望への対応に重点を置いています。 ソフトウェアのインストールやアクセス許可、ハードウェアのプロビジョニング、その他のサービスに関する問い合わせなどのサービスリクエストを管理します。

ナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントとは、有益な情報やベストプラクティス、既知のソリューション、トラブルシューティングガイドをナレッジベース内に取り込み、整理し、共有する取り組みを指します。 これにより、サービスデスクのエージェントは、関連する情報にアクセスして、より効率的に問題を解決できます。

変更管理

変更管理は、ITインフラ、システム、またはサービスに対する変更を、体系的かつコントロールされた方法で制御・管理します。 サービスデスクは、停止や中断を最小限に抑え、サービスの安定性を維持するために、変更の適切な評価、計画、テスト、導入、および文書化を確実に実施します。

問題管理

問題管理は、再発するインシデントや問題の根本原因を特定し、対処することで、再発を防止する取り組みを重点的に行います。 サービスデスクにおける問題管理には、傾向を分析し、長期的なソリューションを実行してITサービスの問題による影響をなくす、または最小化する役割があります。

サービスデスクがもたらすメリット

The eight main benefits of a service desk.

サービスデスクは、目下の技術的問題に対処し、ユーザー満足度、サポート担当者のパフォーマンス、コスト効率、プロアクティブな問題解決、確実性、資産管理、情報にもとづいた意思決定を強化するうえで重要な役割を果たします。 サービスデスクが顧客と従業員にもたらすメリットをいくつかご紹介します。

顧客満足度と従業員満足度の向上

サービスデスクはオムニチャネルサポートとセルフサービスのオプションを提供し、ユーザーと従業員がIT関連の問題を迅速に解決できるように支援することで、従業員と顧客の満足度を高めます。 また、従業員が役割を遂行するために必要なツールやリソースを提供したり、IT関連の困難な問題に対応する際の負担を軽減したり、顧客との明確なコミュニケーションチャネルを構築したりすることで、従業員の満足度も向上させます。

サポート担当者の生産性と業務効率の向上

チケット管理システム、インテリジェント(スキルベース)ルーティング、自動化などのサービスデスクツールは、ワークフローを合理化し、反復タスクを処理することで、サポート担当者がより多くの問題を効率的に処理できるようにします。 ナレッジベースや自動化などのツールは、ワークフローを合理化し、反復的な手作業を減らします。 さらに、サポート担当者に明確なガイドライン、研修の機会、パフォーマンス指標を提供し、より効果的に業務を遂行できるように支援します。

運用コストの削減

AIエージェントやAIチャットボットのようなAI機能を保有するサービスデスクツールは、サポート担当者の業務効率を向上させます。 従業員や顧客から寄せられる質問や申請にツールが自動的に対応します。 そのため、サポート担当者はより少ないリソースでより複雑な問題に対処できるようになり、運用コストの削減が実現します。 また、ノンストップでサポートできるよう支援し、サービスの中断や停止によってコストが生じるのを回避します。

プロアクティブなサービスを提供

サービスデスクツールは、傾向分析、監視システム、予測分析を通じて、問題が発生する前に企業が潜在的な問題を特定し、能動的なサポートを提供するうえで貢献します。 そして、マネージャーは潜在的な問題を解決するための対策を講じ、サービス品質を継続的に改善していくことができます。

データ主導の意思決定を強化

サービスデスクツールを使用すると、レポートや分析を通じて、頻繁に起こる問題の傾向やサービスパフォーマンス、ユーザー満足度に関する有益な情報を取得できるようになります。 そのため、データにもとづいた意思決定と、IT運用、サービス、プロセスの継続的な改善が可能になります。

ITチームと他チーム・他部門との連携を強化

IT部門と他部門が目標や優先事項などについて常に共通の認識を持てるよう、サービスデスクが連携を促進します。 サービスデスクは窓口の役割を果たすため、必要な情報が必要な人の手に届くようにデータや情報の散在を削減します。

確実性の向上

堅牢なインシデント管理プロセスを実践するには、サービスデスクが問題を正確に診断・解決する必要があります。 プロアクティブに監視することにより、サービスデスクダッシュボードでIT関連の疑わしいアクティビティを特定し、CSAT(顧客満足度)低下の危機を管理することができます。

ここで先を見越したインサイトを手に入れることにより、ビジネスに影響が及んだり事態が深刻になったりしないように、事前に問題を回避できます。 さらに、サービスデスクはシステムのパフォーマンスを監視して潜在的な脆弱性を特定し、サービスの一貫性を維持します。

資産管理を強化

サービスデスクは、在庫、ソフトウェアライセンス、メンテナンス契約、その他のIT資産を管理することで、物事を整理して円滑な業務の遂行をサポートします。 誰が何を使用しているかを把握し、ライセンス契約やその他の重要なIT機能のコンプライアンス遵守を確保することで、より適切に資産を活用できます。

サービスデスクツールのベストプラクティス

以下のベストプラクティスを参考にして、問い合わせの山積を防ぎつつ、サービスデスクツールのメリットを最大限に活用しましょう。

AIと自動化を活用

ビジネスニーズに合わせてカスタマイズ可能な自動化機能を備えている、AIを搭載したサービスデスクツールによって、さらに効果的なサポートを提供できるようになるため、最終的には顧客満足度の向上につながります。

機械学習アルゴリズムを利用して回答、提案、ナレッジベースの記事などのオリジナルコンテンツを作成する生成AIツールによって、一流のカスタマーサービスを迅速に提供できます。 AIに加えて自動化機能も備わっているため、サービスデスクツールがチケットの目的を評価し、反復ワークフローを新たに自動化する際の推奨事項を提案することもできます。

AIエージェントを利用

AI主導のサービスデスクツールには、ノンストップでサポートできるよう支援するインテリジェントなボットが必要不可欠です。 AIエージェントは、あらゆる面で従来のチャットボットをはるかに上回っています。NLP(自然言語処理)を利用して顧客とのインタラクションをすべて取り込んで分析し、人間が介入することなくリクエストを自動解決します。

インテリジェントなAIエージェントは、目的を自動認識して関連情報や背景情報を結び付け、問い合わせに対処したり、ユーザーを会話フローに誘導して詳細を聞き出したりすることができます。 その理由は、どんなに複雑な会話でも理解できるよう、ZendeskのAIエージェントには過去の何十億ものやり取りを使ってトレーニングを実施しているためです。 質問に答えたり、問題を解決したり、ユーザーによるパスワードリセットなどのタスクを支援したりすることもできます。

サービスデスクカタログを作成

サービスデスクカタログとは、より良いCXを提供するためのロードマップです。 サービスカタログに含めるべき主な項目は、項目名、部署、問題追跡プロセス、予定納期、窓口、サービス費用、セキュリティとアクセス権限などです。 顧客がサービスを依頼するために必要な関連情報を格納し、できるだけ分かりやすくする必要があります。 そうすることで、顧客はチケットを送信するに至ることなく不満を解消できます。

クラウドに移行

クラウドベースのサービスデスクツールでは、企業はニーズに合ったサブスクリプションプランを選択し、成長に合わせて拡張できます。 サードパーティのベンダーがソフトウェアのメンテナンスとアップデートを行うため、企業はコアビジネスに集中することができ、その過程でコストを削減できます。 さらに、オフィス、現場、自宅など、必要に応じて誰もがどこからでもアクセスすることができます。

SLAとOLAの管理を優先

SLA(サービスレベルアグリーメント)とOLA(運用レベルアグリーメント)は、サポートチームが事前に決めた目標を確実に達成するための鍵となります。 明確な期待事項を設定し、その期待事項に対するパフォーマンスを監視することで、高いサービス提供基準を設定してそれを満たすことができます。 SLAとOLAのどちらかが満たされない可能性がある場合に、サービスデスクツールからサポート担当者や管理者に警告を出すことで管理を支援します。

体験をパーソナライズ

個々のニーズに合わせたサポートによって、より好ましく満足度の高い体験を生み出すことができます。 サービスデスクツールは担当者に全ての背景情報と会話履歴を単一の画面で提供し、従業員や顧客一人ひとりの状況に合った会話を可能にします。 顧客データを活用して、過去と現在のすべてのやり取りから確固たる分析とインサイトを提供することで、サービスの精度を向上させ、顧客との関係を強化します。

サービスデスクを支える主な技術

A list shows the eight key components of a service desk.

様々なツールが、サービスデスクを支える上で重要な役割を果たします。 これらのツールにより、プロセスを合理化し、効率性を高め、IT関連の問題やサービスに関するコミュニケーションと管理を促進できます。 サービスデスクに導入するソリューションを選択する場合は、まずはどういうツールがサービスデスクに必要なのかというところから検討しましょう。

  • 自動化およびAIエージェントによって質問に自動回答したり、顧客の目的、感情、言語を分析してサービスを高度にパーソナライズしたり、既存のシステムとシームレスに統合して柔軟性を最大限に高めたりすることができ、チケット削減を実現します。
  • 生成AIは、人工知能を使用してナレッジベースのコンテンツを生成したり、サービスデスクへの問い合わせ内容を要約したりする機能に加え、簡単な文章を入力するだけで詳細な文章を作成してくれるほか、フレンドリーに、または礼儀正しく聞こえるように回答文のトーンを調整してくれます。
  • コラボレーションツールを使用すると、チームメンバーは効果的にコミュニケーションをとり、協力して問題を解決できるようになります。
  • チケット管理システムにより、担当者はチケットの分類やタグ付け、優先順位付けがスムーズにできます。
  • レポートおよび分析ツールは、チケットの量、応答時間、CSAT(顧客満足度)、NPS®(ネットプロモータースコア)などの指標を追跡します。
  • セルフサービス(自己解決)ツール、たとえばナレッジベースやFAQ、ヘルプセンター、コミュニティフォーラムなどは、顧客や従業員が自ら問題を調べて解決できるよう支援します。
  • インテグレーションを介して、以前から使用しているアプリやソフトウェアを連携できます。
  • 様々なチャネルからの問い合わせを一元管理できるオムニチャネル対応のエージェントワークスペース(管理画面)は、担当者が顧客と従業員をサポートするために必要なすべての情報を詳細に表示します。

上記すべての技術により、サービスデスクはどのような技術的な問題や顧客からの問い合わせにも対応できるよう、最大限に準備を整えられます。

サービスデスクの 未来を予測

現在の一流のサービスデスクツールは、AIエージェントなどの最新のツールを備えています。ITサポートを難なく高度にパーソナライズでき、未来は既にここにあると感じさせてくれます。 しかし、自律型サポートがサービスデスクに与える影響は今後数年間で劇的に変わるでしょう。

Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2025によると、早期にAIを導入した企業は、CXにAIツールを取り入れたおかげで高ROI(投資利益率)を達成したと報告する可能性が128%高いことが分かりました。 同レポートからは、顧客の70%がCXにAIを効果的に利用している企業とそうではない企業を区別できることが明らかになりました。つまり、AI主導の強力なサービスデスクツールがなければ、CSAT率を損なう可能性があるということです。

一部のサービスデスクはすでにAIを利用してユーザーエクスペリエンスを改善し、より良いサポートを提供しています。それと同時に、CXに優れた企業と遅れを取っている企業を差別化するうえで、AIはさらに重要になります。 AIを導入した企業は、解決時間が以前よりも少しずつ短くなるのを実感するでしょう。

よくある質問

サービスデスクの利点を実際に確認

一流のサービスデスクソフトウェアは、ユーザーエクスペリエンスにもとづき、直感的な使いやすさを考慮した設計になっています。 Zendeskは、モダンなインターフェイス、オムニチャネルエージェントワークスペース、革新的なAIおよび自動化ツールなどのネイティブ機能を備えた、オープンで柔軟かつスケーラブルなソリューションをエージェントに提供します。

また、強固なアプリやインテグレーションを追加できるマーケットプレイスを活用して、サービスデスク機能のカスタマイズや拡張を実現できます。 早速Zendeskを無料で試して、ITサポート業務のレベルアップに着手しましょう。

NET PROMOTERとNPSは、Bain & Company, Inc.、Satmetrix Systems, Inc.およびFred Reichheldの米国における登録商標、NET PROMOTER SCOREとNET PROMOTER SYSTEMはBain & Company, Inc.、Satmetrix Systems, Inc.およびFred Reichheldのサービスマークです。

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