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AIエージェントとは?カスタマーサービスを変える仕組みとメリット

AIエージェントをカスタマーサービスに活用することで、複雑な問い合わせの自律的な解決や24時間365日のサポート提供が可能になり、顧客体験と業務効率の両方を向上させることができます。本記事では、AIエージェントの定義や仕組み、導入メリット、業界別の活用事例を解説します。

Candace Marshall

プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント(AI・オートメーション)

更新日: 2026年3月24日

人間のサポート担当者とAIエージェントが協力して質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供する様子を描いたイラスト。

AIを活用した自律型のサービスエージェントは、インテリジェントなサポートの未来を担う存在です。ZendeskのCXトレンドレポート2026年版によると、CXリーダーの83%が「AIはサービス基準を根本から再定義し、個々の顧客体験の質を劇的に高めている」と回答しています。実際、AIカスタマーサービスエージェントはすでに顧客対応の中核を担っており、音声、メール、メッセージングなどあらゆるチャネルでシンプルな問い合わせから複雑な課題まで理解し、解決できます。

従来のチャットボットとは異なり、カスタマーサービス向けのAIエージェントは、真に会話的で人間のようなやり取りを実現します。顧客の質問や感情をリアルタイムで分析し、一人ひとりに合わせたサポートを提供できるほか、ワークフローの自動化や顧客固有の情報の取得にも対応可能です。複雑な問題を自律的に解決する能力に優れる一方、サポート担当者ともシームレスに連携し、顧客・担当者・管理者のすべてにメリットをもたらします。

本記事では、AIカスタマーサービスエージェントとは何か、その活用メリット、そしてなぜ現代のCX戦略に欠かせない存在となりつつあるのかを解説します。

目次

カスタマーサービスにおけるAIエージェントとは

AIエージェントとは、AIを搭載したボットであり、あらゆるチャネルで高度な問題まで理解し、自律的に解決できるよう設計されています。エージェンティックAIを活用して推論・適応・自律的な行動を行い、顧客の意図や感情を検知して適切な解決策を提示します。従来のボットの能力を超え、ダイナミックで人間のような会話を通じて、人間の支援の有無にかかわらず顧客を解決へと導きます。

AIエージェントの仕組み

カスタマーサービスにおけるAIエージェントの仕組みをわかりやすく説明します。顧客が質問すると、AIエージェントはその意図を自動的に認識します。トピックに応じて、企業のナレッジベースから情報を検索するか、よりパーソナライズされた対応が必要な場合は会話フローを通じて顧客を案内します。

AIエージェントの仕組みをより深く理解するには、関連する技術とプロセスを知ることが重要です。AIカスタマーサポートエージェントは、CXデータを用いて学習したAIモデルを基盤としており、機械学習(ML)、自然言語処理(NLP)、大規模言語モデル(LLM)などの各種AI技術を活用して、応答の精度を継続的に向上させています。

これらの機能により、AIを活用したチケット管理の自動化を通じてルーティング、分類、解決といった複雑なサービスプロセスを自動化し、あらゆるチャネルで応答時間の短縮とワークフローの効率化を実現します。

ただし、すべてのAIシステムが同等の能力を持つわけではありません。人間とのつながりを強化するには、カスタマーサービス向けのAIエージェントが専用に設計されている必要があります。こうしたAIエージェントは、最初からカスタマーサービスのエキスパートとして構築されており、コーディングやエンジニアリングの知識がなくても、正確でパーソナライズされたサポートを提供できます。

AIカスタマーサービスエージェントのメリット

自律型AIエージェントを活用して顧客体験(CX)と従業員体験(EX)の両面を変革する企業が増えています。AIエージェントの導入は、顧客、サポート担当者、管理者を含む組織全体にメリットをもたらします。具体的なメリットを以下に紹介します。

  • 効率と生産性の向上:AIエージェントは複雑な問い合わせにもサポート担当者を介さずに対応でき、チームが本来注力すべき業務に専念できる環境を整えます。また、情報収集、チケットのバックログ整理、CSATアンケートの自動送信、ユーザー認証などにも対応し、担当者の手作業を大幅に削減します。
  • 24時間365日のサポート提供:AIエージェントは時間帯に関係なく常時サポートを提供できるため、カスタマーサクセスとロイヤルティの向上につながります。CXトレンドレポートによると、消費者の71%が「AIにより、カスタマーサービスが24時間365日利用可能であることを期待するようになった」と回答しており、常時対応は今やサービスの基本要件となっています。繁忙期や事業拡大時に増加する問い合わせにもコスト効率良く対応できます。
  • パーソナライズの強化:AIカスタマーサービスエージェントはバックエンドシステムと連携し、購入履歴、嗜好、行動パターンなどの顧客データを活用して応答をパーソナライズします。さらに、顧客の意図や感情といった重要な情報をサポート担当者に共有し、一人ひとりのニーズに合わせた対応を支援します。
  • 管理者への実用的なインサイトの提供:AIエージェントは顧客との会話を分析してトレンドや改善領域を特定できます。また、自身が最も効果的に処理できる質問を提案し、次に自動化すべき領域を管理者が判断する際の参考情報を提供します。
  • 運用コストの削減:顧客からの問い合わせの大部分を自律的に解決することで、AIエージェントはサポート担当者の負担を大幅に軽減します。実際、CXリーダーの71%が過去12か月のカスタマーサービス向けAI投資でプラスのROIを達成したと回答しており、コスト効果は実証されています。これにより運用コストが削減され、企業はリソースを他の領域に投資できるようになります。
  • 信頼性の高い運用:適切な制御とデータの一時的な使用を前提に、AIエージェントは最も正確かつ安全な方法で顧客に対応するよう最適化されています。

AIカスタマーサポートエージェントは問題を自律的に解決するだけでなく、サポート担当者を支援することで解決までのプロセスを効率化し、より高品質な顧客体験を提供します。

業界別AIカスタマーサポートエージェントの活用事例

AIエージェントは汎用性が高く、特定の業種に限定されません。定型業務の自動化からリアルタイムのパーソナライズされた支援まで、各業界固有のニーズに合わせて柔軟に適応します。

業界別のAIエージェントの活用例を紹介します。

業界

AIエージェントの活用方法

カスタマーサービス

AIカスタマーサービスエージェントは、よくある質問への回答、問題のトラブルシューティング、返金処理などを行い、サポート担当者がより深い顧客関係の構築に専念できる環境を整えます。

IT

AIエージェントはパスワードリセットやVPNアクセスなどの技術的な問題に対応し、定型業務を自動化します。

人事(HR)

AIエージェントは福利厚生や社内規定に関する従業員の質問に回答し、オンボーディングプロセスの自動化や応募者の一次スクリーニングを行います。

営業・マーケティング

AIエージェントはリアルタイムデータを活用し、顧客の行動や履歴に基づいて新製品やアップグレードを提案します。

ヘルスケア

AIエージェントは予約管理や基本的な健康に関する質問への対応、症状に応じた適切な部門への振り分けを支援します。

金融

AIは不正検知の自動化、投資アドバイスのパーソナライズ、ローン申請の効率化を実現します。

小売・EC

AIエージェントは注文の追跡やステータス通知、返品ラベルの発行、商品に関する質問への対応、購入履歴に基づいた商品提案を行い、ショッピング体験をパーソナライズします。

旅行・ホスピタリティ

AIエージェントはフライトやホテルの予約、旅行に関する質問への対応、パーソナライズされた旅程の提案を支援します。

通信

AIエージェントはネットワーク障害に関する問い合わせに対し、パーソナライズされた即時サポートを提供して自己解決を促進します。

エンターテインメント・メディア

AIエージェントは、サービス内の番組、映画、音楽の検索を支援し、コンテンツに関する質問への対応やおすすめのパーソナライズを行います。

カスタマーサービスにおけるAIエージェントの将来

テクノロジーの進化に伴い、AIは私たちの働き方を大きく変えつつあります。あらゆる顧客接点にAIが関与し、問い合わせの80%が人間を介さずに自律的に解決される未来が近づいています。

AIエージェントは急速に進化し、導入のハードルも下がっています。もはや、効率化のために顧客とのつながりを犠牲にしたり、コスト削減のために品質を妥協したりする必要はありません。適切なAI搭載CXソリューションであれば、これらすべてを同時に実現できます。

AIエージェントは高度にパーソナライズされたカスタマージャーニーを設計する能力を日々高めています。CXトレンドレポートによると、消費者の72%が「AIによってカスタマーサービスの質が向上することを期待している」と回答しています。AIが学習と進化を続ける中、顧客体験を向上させる可能性は無限に広がっています。

AI活用が進む顧客体験の時代において、最も大切なのは、やり取りの先にいる「人」に目を向けることです。顧客を真に理解するAIソリューションを選ぶことが重要になります。

AIが持つ人間味を引き出す力を活かすことで、先回りした対応、効率性、共感、そして本質的な人間らしさを兼ね備えた体験を、顧客・担当者・管理者をはじめAIエージェントが接するすべての人に提供できます。なお、AIがサポート担当者に完全に取って代わることはありませんが、両者の協働によって、より効率的でパーソナライズされた顧客体験が実現されます。

よくある質問

業界最高水準の自律型AIエージェントを選ぶ

ZendeskのAIエージェントは、業界で最も自律性の高いAI搭載ボットです。顧客のリクエストを最初から最後まで一貫して処理し、やり取りの最大80%に対応できます。他のソリューションとは異なり、ZendeskのAIエージェントはカスタマーサービスの専門家として設計されており、人間とのつながりを強化する目的で構築されています。そのため、複雑な質問を理解し、迅速かつ正確でパーソナライズされたサポートを提供します。

Zendeskは、顧客のニーズを先読みし、使うほどに賢くなり、技術的な専門知識も不要なAIで、より人間味のあるAI搭載の顧客体験の実現を支援しています。

Candace Marshall

プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント(AI・オートメーション)

Candace Marshallは、複雑な課題の解決とスピード感のある環境でのイノベーション推進に情熱を注ぐ、経験豊富なプロダクトマーケティングリーダーです。キャリアはオペレーションとリサーチからスタートしましたが、顧客理解とインサイトをインパクトのある戦略へと転換することへの関心から、プロダクトマーケティングの道へ進みました。現在はZendeskでAIエージェントやCopilotを含むZendesk AIのプロダクトマーケティングを統括し、AI搭載ソリューションおよびコアサービス全体の成長を牽引しています。彼女のチームは、市場検証やメッセージング戦略から、Go-to-Market施策の実行、顧客への定着促進まで、エンドツーエンドのプロダクトマーケティング戦略を担っています。Zendesk入社以前は、LinkedInで約10年間にわたり活躍。急成長を遂げたMarketing Solutions部門のプロダクトマーケティングチームを立ち上げ、数十億ドル規模のビジネスにおける主要広告プロダクトを統括しました。

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