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カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの違いとは?

カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの主な違いを理解して、顧客への対応に両者を取り入れながら、カスタマージャーニーを改善しましょう。

著者: Stella Inabo, 寄稿者

更新日: 2024年11月19日

ソファーに座りながら、カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの違いについてスマホで記事を読んでいる女性。

カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの違い

カスタマーサクセス(CS)は、顧客が製品やサービスを利用して目標を達成し、その価値を最大限に引き出すためのサポートを提供することが主な役割であるのに対し、カスタマーエクスペリエンス(CX、顧客体験)は、マーケティングや販売、製品の活用、カスタマーサポートを含む、顧客とブランドとのやり取りの全体を指します。

カスタマーサクセスもカスタマーエクスペリエンスもビジネスの成長や顧客中心主義を実践する上で不可欠な要素ですが、それぞれがカスタマージャーニーの異なる側面に焦点を当てています。

カスタマーサクセスは、製品やサービスを通して、顧客が望む目標を達成できるようサポートし、顧客がその製品やサービスの価値を最大限に引き出せるようにアシストします。一方、カスタマーエクスペリエンスは、ブランドとのあらゆるやり取りを通して顧客が抱く全般的な印象や見解を指します。

この2つの違いを的確に把握していることが、カスタマージャーニーを最適化しビジネスの重要な目標を達成する上で大切です。この記事では、それぞれのニュアンスやそれぞれがもたらすビジネス成長への影響、そしてこの2部門が連携することでシームレスなエクスペリエンスを構築し、顧客ロイヤルティや顧客満足度を高める方法を解説します。

目次

カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスとは、顧客が企業の製品やサービスを利用して目標を達成できるようにするという理念と、その取り組みです。業務としては、オンボーディングや導入、日々のやり取りからクロスセルやアップセルまで、カスタマージャーニーの中の積極的なアプローチが含まれます。

カスタマーサクセスチームは、顧客と緊密にやり取りを行うことで、一人ひとりのニーズや目標、課題を理解することができます。そのやり取りをもとに、顧客に合ったサポートやガイダンス、リソースを提供し、顧客が製品やサービスから価値を最大限に引き出す手伝いをします。

そしてカスタマーサクセスチームの最終的な目標は、顧客との信頼、相互理解、共通のゴールのもとに強固で長期的な関係を構築することです。結果、顧客ロイヤルティと顧客維持率が高まるだけでなく、ビジネス全体の成長と収益向上を促進できます。

カスタマーサクセスはなぜ重要なのか?

カスタマーサクセスは、以下のエリアに影響を及ぼすため、ビジネスの成長とそれを長期的に維持する上で重要な役割を果たします。

  • 顧客生涯価値(CLV)の向上: 顧客の目標達成に貢献することで、口コミで製品やサービスを広めてくれるブランドを熱烈に支持する顧客層やリピーター顧客の獲得につながり、顧客生涯価値が格段に向上します。
  • 解約率の低減: 満足している顧客は解約する可能性が低く、コストの節約や収益源の予測が可能となります。
  • 顧客満足度の向上: カスタマーサクセスチームが積極的に顧客とやり取りを行い、先回りで問題を解決することで、顧客満足度スコアが高まり、口コミで良い評判が広がります。
  • 製品普及率の向上: カスタマーサクセスチームは、ユーザーが製品の価値を理解し、その能力を最大限に引き出すサポートを提供するため、製品の普及率と投資収益率(ROI )を最大化することができます。
  • 有効な顧客のインサイト: 顧客との綿密なコミュニケーションにより、顧客の悩み、嗜好、変化するニーズなどの有効な情報を取得することができるため、製品の開発や改良につなげることができます。
  • 競争力の強化: 優れたカスタマーサクセスプログラムは、競合他社との差別化要因となり、新規顧客の獲得や既存顧客の維持につながります。
  • 収益の増加: 顧客の維持と規模拡大に努めることで、アップセルやクロスセルの機会を生み出し、収益の増加が見込めます。

カスタマーサクセスは、顧客と企業の両者にとって有益な戦略です。顧客の目標達成をサポートしながら、企業の成長と収益を伸ばすことができます。

カスタマーエクスペリエンスとは?

カスタマーエクスペリエンスとは、カスタマージャーニーの中で起こるあらゆるやり取りと、顧客が抱く印象を指します。これには、購入前のブランド認知や購入の検討、オンボーディング、使用時、購入後のカスタマーサービスなど、顧客のタッチポイントのすべてが含まれます。

個々のやり取りやサポート対応だけではなく、ブランドや製品、サービスに対する全体的な体験がカスタマーエクスペリエンスを構成し、企業とのやり取りで発生する感情や印象、価値も含まれます。

ここで、企業がポジティブなカスタマーエクスペリエンスを構築するためのポイントをご紹介しましょう。

  • 一貫性: ブランドとのやり取りの場面や手段に関係なく、一定レベルのサービスやサポートを提供することで、チャネルやタッチポイントに関わらず、常に一貫性のある体験を実現できます。
  • パーソナライゼーション 顧客一人ひとりのニーズや好みに合わせてやり取りや対応内容をカスタマイズすることで、顧客が大切にされ、理解されていると感じることができます。
  • 使いやすさ: 直感的でユーザーフレンドリーな製品、サービス、インターフェイスを設計することで、カスタマージャーニーを簡素化し、トラブルを最小限に抑えることができます。
  • スピード: AIなどのインテリジェントなツールを使用し顧客のニーズを予測することで、問題が大きくなる前にスピーディに対応し、顧客の信頼とロイヤルティを獲得できます。
  • 感情的なつながり: 共感性や人間味のある対応や心から顧客を思うサポートを提供することで、ポジティブで感情的なつながりを構築できます。

カスタマーの役目は、長い間好印象を持ってもらえるような、記憶に残るカスタマージャーニーを形成することです。顧客の期待を超え、信頼、価値、相互尊重にもとづく関係を構築することが大切です。

カスタマーエクスペリエンスはなぜ重要なのか?

顧客は心に残るような特別な体験をすると、そのブランドのファンとなり、リピーター顧客になったり、周りにブランドの良い評判を拡散してくれます。このような自発的な口コミによるマーケティングはとても貴重な動きとなり、顧客層の拡大や見込み客間の信頼獲得にもつながります。

また、CXに投資することで、財政面での明確な利益があります。満足した顧客は、企業への忠誠心が高まり、サービスや製品をより購入する傾向にあり、経常収益の安定化が図れます。さらに、優れたカスタマーエクスペリエンスは、競争が激化する市場で重要な差別化要因となります。

カスタマーエクスペリエンスの優先度を高めることで、組織内でポジティブな波及効果も生まれます。従業員が優れたサービスを顧客に提供できる環境を整えれば、顧客中心主義を深めながら、チームの意欲と生産性を高めることができます。

「カスタマーサクセス」と「カスタマーエクスペリエンス」の違い

カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスはどちらもビジネスに成長をもたらす上で重要ですが、カスタマージャーニーの異なるポイントで活用され、それぞれ明確な焦点があります。優れたカスタマーエクスペリエンス戦略を構築し、リソースを最適化し、顧客満足度を向上するには、これらの主要な違いを理解することが不可欠です。

対象範囲

カスタマーエクスペリエンスは、カスタマーサクセスより大きな枠組みです。カスタマーエクスペリエンスは、購入前の認知段階から顧客ライフサイクルの最終段階まで、購入者のカスタマージャーニー全体において、顧客と企業がポジティブな関係を構築することに焦点を当てています。

一方で、カスタマーサクセスが焦点を当てるのは、カスタマーエクスペリエンスの限られたエリアです。カスタマーサクセスチームの職務は、購入後の段階となり、顧客が製品やサービスの価値を最大限引き出せるようアシストしてビジネスの目標達成に貢献します。

指標

通常、カスタマーエクスペリエンスとカスタマーサクセスの測定には、それぞれ異なるKPI(重要業績評価指標)を使用します。カスタマーエクスペリエンスの場合、顧客満足度スコア(CSAT)、ネットプロモータースコア(NPS®)、顧客獲得率、コンバージョン率を使用して測定します。そしてカスタマーサクセスには、顧客生涯価値、顧客維持率、顧客解約率、カスタマーエフォートスコア、リピート購入率を使用します。

業種

カスタマーサクセスを専門とするチームは、企業を専門にビジネスを行うB2Bや、SaaSを扱う企業などのサブスクリプション型の製品やサービスを提供する企業に多く見られます。このタイプのビジネスは、顧客のリピート購入が企業の成長と生き残りの鍵になるため、製品やサービスを使って顧客が目標を達成できるようサポートすることに重点を置いているのがその理由です。一方で、カスタマーエクスペリエンス部門は、あらゆる業界を通して全般的に見られます。

カスタマーエクスペリエンスとカスタマーサクセスの連携による効果

カスタマーエクスペリエンスとカスタマーサクセスは異なる役割を果たしますが、さまざまな形で接点を持ち、共に企業が長期的な成長力を維持するために重要な存在です。カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの両チームが、収益の増加と顧客ロイヤルティの向上という企業としての目標の達成をサポートします。

また、両者が影響を与え合うこともあります。例えば、顧客が良い経験をすればクロスセルやアップセルが簡単に行えます。カスタマーサクセスチームは、製品やサービスの使用を最適化する方法をクライアントに示すことで、カスタマーエクスペリエンスの改善に貢献します。これにより、顧客からのカスタマーサポートへの問い合わせを低減することができるため、結果として顧客満足度が向上します。これを包括的に見ると、カスタマーエクスペリエンスへの影響は、両部門のチームの取り組みによる結果であることがわかります。

よくある質問

Zendeskでカスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの両者を向上

さて、カスタマーエクスペリエンスとカスタマーサクセスの主な違いが明確になったところで、次のステップは、顧客とより良い関係を構築するために両チームの強みを活かすことです。

まずは、カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスの両チームが、それぞれの役割と重要性を把握し、互いの業務が連携体制にあることを理解しているよう確認しましょう。各部門が、チームのみの優先事項に注力するのではなく、企業全体のゴールを達成するために定期的な部門間のコラボレーションを行うことが大切です。両チームの連携体制なくして、カスタマーサポートの改善、顧客価値の向上、そしてより良い体験の提供は実現できません。

Zendeskのカスタマーサービスツールなら、あらゆるチャネルの顧客データを一元管理してサポート業務を合理化しながら、カスタマージャーニーを最適化することが可能です。 「ネットプロモーター」「ネットプロモータースコア」「NPS」は、NICE Satmetrix, Inc.、Bain & Company, Inc.、Fred Reichheldの商標です。

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