すべては意義あるプロジェクトを成功に導くために。Zendeskプロフェッショナルサービスが日本で初めて採用された理由
日本を代表する大手電機メーカー、パナソニック株式会社を構成するエレクトリックワークス社は、2023年4月、電気自動車の充電スポットをシェアする画期的な事業everiwa Charger Share(エブリワ チャージャーシェア)を開始。カスタマーサポートの基盤にZendeskを採用し、Zendeskのエキスパートによる導入支援プログラム「プロフェッショナルサービス」を日本企業で初めて活用した。短期間でシステムの実装からアプリケーション開発までを完了し、カスタマーサポートのための最良のシステムを構築することにより、新たなサービスを理想的な形でスタートさせることに成功している。
「決め手となったのは、Zendeskがさまざまな製品の中で最もカスタマーサポートに特化している点でした。Zendeskなら私たちが定めた条件を満たすことができますし、システム導入から必要な開発作業までをトータルで支援してくれるZendeskプロフェッショナルサービスも利用できます。ゼロから新たなプロジェクトを立ち上げる際には、まさに最善の選択でした。」
新規事業推進室 セールス&マーケティング部 - パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
Zendeskソリューション導入の背景と課題
パナソニック株式会社は、家電・空質空調・食品流通・電気設備・デバイス等の開発・製造・販売などを手掛けながら、多岐にわたる事業を展開。中でもパナソニック株式会社 エレクトリックワークス社(以下、エレクトリックワークス社)は2022年に新規事業推進室を設け、SDGsや循環型経済、カーボンニュートラルの実現に向けて意欲的に取り組んできた。
「豊かな地球を守り、次の世代のくらしの豊かさをつむぐ」というビジョンの下、新規事業推進室は共創型コミュニティ「everiwa(エブリワ)」を提案。EV(電気自動車)の利用普及とEVに必要なインフラ整備を解決すべく、EV充電器をシェアリングするサービス「everiwa Charger Share(エブリワ チャージャーシェア)」を構想。2022年11月に充電器を貸し出すホストの募集をスタートさせた。
同社はこのサービスのために、カスタマーサポートのプラットフォームを新規に導入することを決断。新規事業推進室の中澤 一志氏は、その背景を次のように説明する。
「everiwaはEVを利用するユーザーと充電器を貸し出すホストを結びつけて、シェアリングサービスの流れを作り出そうとするサービスであり、サービス内容に応じてお客様にダイレクトに対応していかなければなりませんので、新たなカスタマーサポートのシステムが必要でした。」
Zendeskが選ばれた理由
中澤氏は2022年8月、情報サイトなどでカスタマーサポートシステムのリサーチを開始。各種製品の比較検討を行った上で、ZendeskソリューションとZendeskのエキスパートによる導入支援プログラム「プロフェッショナルサービス」に白羽の矢を立てた。
「決め手となったのは、Zendeskがさまざまな製品の中で最もカスタマーサポートに特化している点でした。まず多くのお客さまに利用していただくためには、アプリやシステムのUIがわかりやすいとともにカスタマーサポートも重要になります。そして、そのカスタマーサポートを良いものにするためには、サポートを担当するオペレーターにとっても使いやすいものでなければなりません。Zendeskなら私たちが定めたこれらの条件を満たすことができますし、システム導入から必要な開発作業までをトータルで支援してくれるZendeskプロフェッショナルサービスも利用できます。ゼロから新たなプロジェクトを立ち上げる際には、まさに最善の選択でした。」
ユーザーとホスト、双方に情報が用意されたeveriwa のFAQページ
Zendeskは次に挙げる要件も、さらに満たしていた。1つ目は実装の容易さである。新規事業推進室は少数で運営されていたが、3カ月後の2022年11月には充電器を貸し出すホストの募集を開始することが決まっていた。Zendeskならば限られた時間の中で、効率的にカスタマーサポートを立ち上げることができた。2つ目は機能の豊富さ。Zendeskはメールや電話による問い合わせの一元管理はもとより、メールに自動返信するトリガ機能の実装やFAQサイトの構築も、他社のサービスを利用せずに行うことができる。3つ目は、実用的なAPIが豊富に揃っており、専門的なプログラミングの知識が不要な点だ。Zendeskでは誰もが簡単に機能の追加や拡充を行えるため、将来事業が拡大しても、スタッフの数や運営コストを抑えながらスケーリングが可能だった。新規事業推進室の穗積 則充氏は次のように説明する。
「私たちはお客様のために優れた製品を作るだけでなく、未来に向けて社会課題を解決できるソリューションやサービスを提供する起点になっていかなければならないという使命感を強く抱いてきました。新規事業推進室はそのようなミッションを実践している部署ですし、とりわけeveriwa Charger Shareは、カーボンニュートラルや共創型コミュニティを実現するプロジェクトの第一弾となります。これを成功させるためには、より多くの方に活用していただき、笑顔の輪を広げていかなければなりません。良質なカスタマーサポートを展開することは、その意味でも極めて重要でした。」
FAQページには、初めてサービスを利用する人のための情報も掲載
Zendesk導入の効果
2022年11月、新規事業推進室はZendesk プロフェッショナルサービスと共に予定通りにホスト募集をスタート。年明けからは4月のサービスインに向けて、次の開発作業に移行した。
このプロセスでは、顧客や充電スポットのデータベースとZendeskの連携、決済を担当する金融機関とのシステム接続、そして充電スポットの検索・予約・キャンセル・精算などを行えるようにする複雑な作業を、やはり3カ月間で完了させることが求められていた。新規事業推進室で開発を担当した辛 宇俊氏は、Zendesk プロフェッショナルサービスとの共同作業をこう振り返る。
「難しかったのは、短い時間の中で要件定義をいかに効率的に精査していくかでした。Zendeskを基盤に開発すれば、カスタマーサポートのオペレーターはすべての操作を同じ画面で行えるようになります。しかしユースケースを細かく想定しすぎると、時間だけでなく費用もかさんでしまいますので、自分たちがやりたいことと実際にできることを擦り合わせていかなければなりませんでした。Zendeskプロフェッショナルサービスは厳しい制約の中で要件定義をまとめ、スムーズに開発を進めてくれました。画面のレイアウトやUIのデザインまで提案してくれたので、すごく助かりましたね。」
プログラムの開発作業は英語のドキュメントが基本となるが、これも何ら障害にはならなかったという。
「プロフェッショナルサービスは、緻密で正確な仕事をしてくれました。たとえば開発した内容をテストする際には、開発チームに非常に細かく要件を説明しなければなりませんが、問題は一切起きませんでしたから。信頼できるパートナーとして仕事を任せることができました。」
今後の展望
かくしてeveriwa Charger Share は無事にスタート。社会や経済活動の新たな在り方を提示するモデルとして、早くも熱い注目を集めている。鍵を握るカスタマーサポートを充実させるべく、中澤氏はZendeskの次なる活用方法も見据えていた。
「everiwaに関する問い合わせはどんどん増えていますので、今後はFAQを充実させて問い合わせ自体を減らしていく、チャットボットなどを利用して対応の時間を短くしていく、といった工夫が必要になると思います。将来的にはZendesk AIも活用していきたいですね。カスタマーサポートは、何かトラブルが起きた際に対応する『待ちのサービス』という印象が強いですが、困っているお客さまにこちらからコンタクトしていく、あるいはトラブルを未然に防ぐようなプッシュ型のサポートを実現して、利便性と利用者数を上げていきたいと思っています。」
一方、穗積氏はZendeskの導入が及ぼす全社的なインパクトについて言及した。
「我々が少人数で新たな事業を立ち上げ、限られた時間の中で本当に使い勝手の良いカスタマーサポートを構築した意義は大きいと思います。パナソニックの他の新規事業の部署でも、同じことができるかもしれないという認識は広まっていく可能性もあります。1つのモデルケースとして良い影響を与えていくためにも、Zendeskを積極的に活用してeveriwaを軌道に乗せていきたいですね。」
すべては社会的な意義のあるプロジェクトを成功させるために。パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社は、Zendesk導入により理想的なカスタマーサポートを構築することに成功。Zendeskプロフェッショナルサービスと強固なタッグを組みながら、来るべき未来に向けてeveriwaという共創の輪をさらに広げていこうとしている。