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世界10万社以上のクライアント向けB2Bセルフサービスの拡充に取り組むMediaocean

広告系グローバルIT企業のMediaoceanは、Zendeskとのパートナーシップより、カスタムナレッジベースを活用したイノベーティブなB2Bセルフサービス戦略を推進しています。 Mediaoceanはクライアント各社とのきめ細かい連携により、戦略的な取り組みのための高度なコンサルティングサービスを強化する一方で、ベーシックな操作方法に関する問い合わせはロバストなセルフサービスにリダイレクトするアプローチを展開しています。 Mediaoceanは、CXロードマップに沿った次なる目標として、ターゲットを絞ったセルフサービス推進のためのメッセージングとAI機能の導入を検討しています。

Mediaocean
「他社製品に比べてZendeskのほうが高いROIを得られるとの検討結果が得られたのです。 私たちはコスト分析結果に基づいて、Zendeskの導入によりどのようにコスト削減と生産性向上を実現できるかを社内にアピールしました。」

Stephanie Dorman

最高顧客責任者 - Mediaocean

「チームは現在、社内アプリケーションへのAIツールの組み込みと、シングルサインオンによるZendeskへの接続確立に取り組んでいます。 Mediaoceanのサポートサイト外部にAIを設置し、クライアント製品にプラグイン接続されるようにします。 これにより、Zendeskコンテンツのポテンシャルを最大限に活用できるようになるでしょう。」

Stephanie Dorman

ナレッジマネジメント担当シニアVP - Mediaocean

本社所在地

ニューヨーク

年間広告取引額

2,000億ドル

クライアント数

10万社強

設立年

2012

99%

顧客満足度(CSAT)

70%~75%

1営業日以内での解決率(チャットチャネル)

60%

1営業日以内での解決率(全チャネル平均)

85%~89%

NPS(クライアントトレーニングコンテンツに対する評価)

さまざまなマーケティングチャネルが交錯する現代でも、有料広告は依然として企業が新しい製品やサービスについて人々に知ってもらうための重要な手段となっています。 Mediaoceanは、世界77か国のブランド、代理店、メディア企業向けに、従来型広告スペースについてもデジタル広告スペースについても、プランニングから支払決済までの広告取引ワークフロー全体をカバーするパワフルな広告管理プラットフォームを提供しています。

全世界で2,000億ドル以上の広告取引をサポートし、10万社以上のクライアント企業にサービスを提供するMediaoceanにとって、その広範なリーチを維持するには強力なCXプラットフォームの整備が不可欠です。

「Mediaoceanは、クライアント企業の法人組織全体をカバーする、包括的かつ複雑な広告管理ソフトウェアを提供しています。 こうしたB2Bクライアント向けのサポートには手間のかかる複雑な対応が必要で、クライアントから寄せられる問い合わせも込み入っていて解決に時間がかかるものが多いです」と、Mediaoceanのナレッジマネジメント担当シニアVPであるMatt Barbarello氏は語ります。 「Mediaoceanのカスタマーサポートは高い専門知識とスキルを備えたチームであり、製品チームと連携してお客様の問題の解決に取り組んでいます。 彼らは優れたカスタマーサポートを効率よく提供することに誇りを抱いており、NPSとCSATやなどのユーザー評価指数も良好なスコアを維持しています。」

経験豊富なサポート担当者による専門的なグローバルサポート

Mediaoceanのカスタマーサービスは、毎月9,000件以上のサポートチケット一つひとつについてクライアントのニーズを理解して対応しなければなりません。問い合わせの57%はチャットチャネルから、40%はメールチャネルから寄せられます。 この膨大なサポート業務に対応するのが、アジア、欧州、北米の拠点で活動する総勢175名のカスタマーサービススペシャリストチームです。彼らは、週5日にわたって毎日24時間、複数のプラットフォームにまたがるテクニカルサポートを提供します。

新しくチームに加わるメンバーがMediaocean製品について十分な知識を得るのは簡単ではなく、ある程度時間がかかります。 そこでMediaoceanはCXメンバーの教育研修に重点的な投資を行っており、これにより、平均在籍年数7年の経験豊富なメンバーで構成される非常に安定したサポート体制の確保に成功しています。

MediaoceanのCX組織の中でも中枢的役割を果たす広告インフラチームと広告テクノロジーチームは、ZendeskプラットフォームをベースにしたB2Bサポート業務を展開しています。 そのうち、広告インフラチームが契約しているZendeskライセンス数は240に上ります。 そのほか、HR、IT、およびオペレーション/施設チームが追加のZendeskインスタンスを運用しています。

クライアントと従業員両方を支援するロバストなカスタムヘルプセンター

Mediaoceanは、世界中のクライアントに優れたサービスを提供するため、Zendeskをベースにした8つのカスタムヘルプセンターを構築しています。 Mediaoceanは世界の各地域ごとに異なる製品ラインを展開していることから、ナレッジベースの記事はクライアントの所在地に応じて中国語、オランダ語、ドイツ語、およびフランス語(フランス向けとカナダ向け)に翻訳されます。 現在、米国サイトだけで10,000件のナレッジベース記事を提供しており、ZendeskにリンクされたApacheサーバーには300から400件のPDFドキュメントが収録されています。

2023年にエージェントワークスペース付きZendesk Suiteにアップグレードして以来、MediaoceanのCSチームはGuideツールを高頻度に活用しています。

「Guide Enterpriseは、Mediaoceanが世界中に展開するヘルプセンター向けに記事やトレーニングリソースを作成するコンテンツ開発者やテクニカルライターに大好評のツールとなりました。 Zendesk Suiteへのアップグレードによりコンテンツ作成チームの効率が向上し、いくつもの目に見える成果につながりました」とBarbarello氏は語ります。

クライアント向けには、チュートリアル動画、製品インストール手順、技術要件表、およびFAQなどをZendeskヘルプセンターで提供しています。 例えばクライアントは、好きなeラーニングショート動画を選んでプレイリストを作成し、それを社内のメンバーにメール配信することができます。 これは、クライアントが社内で新規ユーザーをオンボーディングする際に特に好評な機能となっています。

いっぽう社内では、CXチームのメンバーがナレッジベースで分からない点を各自で確認できるほか、チーム管理者がメンバーのトレーニング向けに専用のナレッジベースを構築することも可能です。 また、シングルサインオン(SSO)でZendeskにリンクされたMediaocean独自の学習管理システム(LMS)には、各種コンテンツのほか、受講時間が数時間におよぶ長時間学習向けラーニングコースが用意されています。

セルフサービスによるB2Bエクスペリエンスの進化

従来、Mediaoceanによるクライアントサポートはエキスパートによる直接のコンサルティングを基本としていましたが、2024年にこの方針を修正し、Zendeskプラットフォームを活用したCSチーム体制の改革とより積極的なセルフサービス推進の取り組みを開始しました。

「サポートに寄せられる問い合わせの 60〜70%は基本的な操作方法に関する質問ですが、今後はこうした質問にはメンバーが直接回答することはありません」とBarbarello氏は説明します。 「こうした問い合わせはすべてヘルプセンターにリダイレクトします。これにより、CSチームの負担が軽減され、メンバーはクライアントに対してより意義のあるサポートを提供できるようになるでしょう。」

Mediaoceanは現在、基本的な操作に関する問い合わせにより効果的に対応するためのロバストなセルフサービスツールの構築を計画しています。 世界中の大手広告主、代理店、メディア企業にサービスを提供するMediaoceanは、この新しいアプローチについてもそれぞれのクライアントときめ細かく連携して積極的に周知教育を進める予定です。 MediaoceanのCSチームは、各クライアント専用のラーニングコースやヘルプセンターコンテンツの開発提供も進めています。
「私たちは、それぞれのクライアント社内の知識拡充をお手伝いすることで、結果的に問い合わせチケット数を縮小できると考えています」とBarbarello氏は語ります。 これまでのところ、提供済みのクライアントトレーニングコンテンツに対しては平均NPS85~89という高評価が得られています。

ZendeskによるROI向上

Mediaoceanが2012年にZendeskの導入を開始したのは、手頃な価格で簡単に実装できる一元化されたカスタマーサービスソリューションを整備したいというCSチームのニーズに応えることが主な目的でしたが、2社のパートナーシップはそれ以降も継続的に進化を続けてきました。

現在Mediaoceanの最高顧客責任者であるStephanie Dorman氏は、当時Zendeskプラットフォームの選定に踏み切った理由として、他のソリューションに比べて、すっきりとした見やすいユーザーインターフェイスと優れた効率が魅力的だったと語ります。 「他社製品に比べてZendeskのほうが高いROIを得られるとの検討結果が得られたのです。 私たちはコスト分析結果に基づいて、Zendeskの導入によりどのようにコスト削減と生産性向上を実現できるかを社内にアピールしました。」

Zendeskプロフェッショナルサービスとの連携によりシステムの実装と立ち上げは見事に成功しましたが、その直後にMediaoceanはCSロードマップを大きく狂わせる事態に直面しました。

CX面でのSalesforceの課題

資本買収の結果、MediaoceanはZendeskからSalesforceへの移行を義務付けられました。 Salesforceの実装体験についてDorman氏は「Salesforceのシステムには優れた点もありましたが、全体に非常に複雑で、そして信じられないほど高コストでした」と回想します。 何かあるたびに新たなカスタマイズや追加料金が発生するため、ツールをフルタイムで管理させるには専任の管理者を設置する必要がありました。

一方で、複数の問い合わせ案件にスムーズに対応できないことでCXチームの生産性は低下し、チームメンバー1人1日あたりの平均解決チケット件数は以前に比べて減少しました。 いっぽうクライアント側でも、第1四半期だけでクライアントによるWebポータルの利用率が75%減少し、セルフサービスで必要な情報を見つけられなかった利用者によるCXチームへの問い合わせが再び増加しました。

CXチームやクライアントからのフィードバックを分析した結果、Dorman氏のチームは、Zendeskの事前構築済みツールを利用すれば、手間やコストのかかる追加設定なしに、利用者の求めるサポートの90%をそのまま提供できるとの結論に達しました。
Salesforceとの契約期間がまだ2年残っており、すでに多額の投資を行っていたにもかかわらず、MediaoceanはZendeskへの再移行を決定しました。 MediaoceanはZendeskへのシームレスな再移行に成功し、わずか2か月でプラットフォームを本格稼働できるようになりました。
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コスト効率の良いインテグレーション

2017年、すでにAWSプラットフォームでのサポートが開始していたZendeskに再移行したMediaoceanは、以前の設定の見直しとZendeskとのさらなるパートナーシップの強化に取り組みました。 チームはJIRAとの高度なインテグレーションを完成させました。 また、Workatoのインテグレーションツールを利用してZendeskをSalesforce CRMに接続しました。

「Salesforceとのインテグレーションにより大きな価値が得られ、ライセンスコストも節減できました。 クライアントデータをZendeskにシームレスに転送できるため、CXチームは信頼できるシステムを維持しながら効率的にデータにアクセスできます」と、MediaoceanのITアーキテクトである John Tieu氏は語ります。

さらに、SnapEngageの統合によるチャット対応とDialPadからZendesk Talkへの切り替えにより、真にオムニチャネルなカスタマーエクスペリエンスを提供できる体制が完成しました。

現在、MediaoceanのCSチームは、チャットチャネルからの問い合わせの75%、全チャネル平均では問い合わせ全体の60%を1営業日以内で解決しています。 また、Zendesk AppsマーケットプレイスのCloudSETの活用により、チケット追跡やクライアントSLA管理業務の省力化にも成功しています。

よりスムーズなオンボーディングとレポート機能

前述のTieu氏は、Zendeskへの再移行プロジェクトを手掛けた経験から「すっかりZendesKのファンになりました」と語ります。 「Zendeskはとても直感的なアプリケーションです。 新人メンバーでも1時間程度トレーニングすればほぼ問題なく操作できるようになりますが、他のツールではそうは行きません」とTieu氏は語ります。 「管理者にとっても、Zendeskは設定や管理が簡単なツールです。 カスタムコードやカスタムオブジェクトを使用すれば、必要に応じてもっと複雑なものも作成できます。」

Zendeskのこのようなユーザーフレンドリーさは、CXチームの満足度を高めるとともに、チームに新しく加わるメンバーにとってのオンボーディング体験をポジティブなものにしています。 Mediaoceanは現在、Zendeskをベースにした新しいレポート機能を開発中で、完成すればLMS上でのアクティビティやライブトレーニングについてもレポートを取得できるようになります。

「多くのお客様が、Zendeskのクライアント向けダッシュボードを利用して業務時間の短縮に成功しています」とTieu氏は語ります。 「現在、問い合わせ量のトレンド、未解決チケット数、重大度の高いチケット数、CSATなどをカバーした自動レポートや概要レベルのCS指標をクライアントに提供しています。」

AIを使用したセルフサービスの強化

次の目標として、Mediaoceanはコミュニティツールの開設を計画しています、人工知能を組み込んだコミュニティツールの提供によりユーザーによる一層のセルフサービスを促し、さらなるチケット削減につなげたいと考えています。 チームは現在、Zendeskメッセージングの検討と併せて、FAQ作成機能や検索内容に基づいてナレッジ記事を推奨する機能を備えたAIエージェントのベンダー候補検討を進めています。

「今年の年末までにAIソリューションを立ち上げたいと考えています」とTieu氏は語ります。 「ヘルプセンター記事の更新が完了したら、AI機能の活用によりチームの負荷を減らし、チームメンバーがより戦略的な取り組みに注力できる体制を構築していきます。」

Barbarello氏は、今年中にさらなる効率向上に向けた最後の課題に取り組みたいと考えています。 「チームは現在、社内アプリケーションへのAIツールの組み込みと、シングルサインオンによるZendeskへの接続確立に取り組んでいます。 Mediaoceanのサポートサイト外部にAIを設置し、クライアント製品にプラグイン接続されるようにします。 これにより、Zendeskコンテンツのポテンシャルを最大限に活用できるようになるでしょう。」