Latitude Financial + Zendesk: たった3日で充実のソリューション
Latitude FinancialがZendeskを導入したのはパンデミックの真っ最中。しかも週末の間に実装しました。 しかし予測不可能な事態の中で方向転換に踏み切ったことは、金融サービスを提供する同社に大きな成果をもたらしました。 Zendeskを導入することで顧客がいつでもサポートを利用できる体制を整え、業務を圧倒的に効率化し、電話による問い合わせを削減しました。
「オムニチャネルのサポートシステムとAIツールを導入し、セルフサービスを増やすことで、コスト削減とカスタマーエクスペリエンスの向上を両立させたいと考えていました」
カスタマーオペレーションマネージャー - Latitude Financial
「追加のリソースを必要としない、柔軟なクラウドベースのソリューションを探していました。 Zendesk以外のソリューションの多くが、システムの継続的な構築と管理に10人程度の開発チームを要します。これを必要としない点が、Zendeskの大きな魅力でした」
カスタマーオペレーションマネージャー - Latitude Financial
設立年
2014
顧客アカウント数
260万
マーチャントパートナー
1,900
3.5日
実装までの期間
20%
Webフォームによるコール削減率
-90%
ヘルプセンターのレビューにかかる時間
Latitude Financialは、顧客のニーズに合わせた幅広い支払いプランや分割払いプラン、消費者ローン、クレジットカードなどの金融サービスを提供する企業です。 同社は、 生産性と効率を高め、より良いカスタマーエクスペリエンスを実現するために、社内コミュニケーションとサービスの合理化を計画していました。 ところがこれは、予想以上に困難な課題でした。
「業界で長い歴史を持つ多くの企業同様、当社にも旧式のシステムがいくつかあります。 標準的な消費者向けクレジットカードシステムのVision(グリーンの画面)、Jiraの複数のフロー、カスタマイズして組み込まれたCMSツールなどが混在しています。 そしてバックエンドプロセスの多くは外部のサードパーティープロバイダーに引き継がれるため、変更や状況確認はかなり面倒になります。特に顧客の連絡先、送付物の種類、複数チャネルにわたるやり取りの確認などは、非常に困難です」と、Latitude Financialのカスタマーオペレーションマネージャー、Adam Howell氏は説明します。 このような状況で多数の製品やサービスのカスタマーサービス業務を改善し、最適化するには、より俊敏に変化に対応するデータ駆動型のシステムが必要でした。そこでHowell氏とそのチームは、Zendeskに切り替えるためのある程度長期的なロードマップを描きました。
ベストソリューションに柔軟性が欠かせない理由
Latitude Financialは当初、Zendeskへの完全移行までのスケジュールを2年と見積もっていました。ところが新型コロナウイルスの感染が拡大し、サードパーティープロバイダーとの連携が難しくなり、突如として早急な対処を迫られることになりました。 「外部のプロバイダーのうち、電話対応のほとんどを受け持っていた1社が、当社より先にロックダウン(外出制限)に入ってしまいました。 当社には、そのプロバイダーの業務を引き継げる体制がなかったのですが、なんとかしてすぐに補う必要がありました」と、Howell氏は当時を振り返ります。
こうしてカスタマーサポートは、非常事態における同社の再優先課題になりました。 金融サービス企業にとって、カードの紛失や盗難に対応できないようなダウンタイムは許されません。 「すぐにZendeskで、私たちが『Webフォーム』と呼んでいる機能を稼動させました。 おそらくこれが転機となり、Zendeskはビジネスの直接的な柱となりました。Zendeskがあれば、ロックダウンが始まり不安に苛まれている顧客をサポートできる、という自信が生まれました」。 たとえ通信量が記録的なレベルに達した場合でもサービスが中断されないよう、カスタマーチームは短い期間でさまざまなアイデアを出し合い、素早く柔軟に取り組みました。
3日で 価値を実現
Latitude Financialのチームは、斬新なアイデアとそれを実現するためのコミットメントを掲げてCEOを説得し、数日のうちにZendeskを立ち上げて稼働させました。これは他社に例のないスピードです。
開発者なしで実装できることが即応力のカギ、とHowell氏は続けます。 「当社のプロジェクトチームのビジネスアナリストとSuccessCXのコンサルタントと協力して進めました。 3人ともほとんど経験がないにもかかわらず、週末でセットアップと構築を完了させました」。 一方チームはこの短期間の実装のために、12~15種類のデジタルWebフォームとヘルプセンターを作成。バックエンドのキューを設定し、300人のサポート担当者に研修を行い、ナレッジベースに記事を揃えました。 「セットアップが終わった翌月曜日の朝、外部パートナーが完全にオフラインになったため、Zendeskを本番環境へプッシュしました」とHowell氏は当時を振り返ります。
この努力は、次の数週間で大きな違いとなって表面化しました。 「本稼動後の数週間で、Webフォーム経由の問い合わせは3万件以上にのぼりました。チームはそのうちの重要度とリスクの高いプロセスタイプをすべてWebフォームに変換し、サービスを継続させました。 このタイプに該当するのは、カードが不正使用された、カードの利用を止めたい、カードを紛失して旅行に行けないので返金してほしい、といったリクエストです。 これらの内容はリスクが高く、ユーザーも慌てているので難しい対応でしたが、私たちはそれをやり遂げました」。
小さな一歩が大きな成果をもたらす Zendesk
運用が本格化した後は、結果の評価と分析が非常に重要になりました。 Zendeskの迅速な導入はビジネスにどんな影響をもたらし、何が改善されたのでしょうか。 「評価によると、全処理件数の約20%がWebフォームに移行し、大幅に、かつ着実に、人的対応の必要性が減っていました」と、Howell氏は語ります。
またかつて手作業だった監査や更新プロセスの効率化も順調に進みました。 Howell氏は次のように続けます。「生産性が向上したことで、コスト削減に大きく貢献できました。 これまで担当者一人ひとりにかかっていた時間を考え合わせると、400%もの効率化に相当し、人件費削減につながっています。」
Latitude Financialが最近の監査に無事合格できたのも、Zendeskにより顧客とのコミュニケーションが整理されたことが大きく影響したそうです。 「顧客とのやりとりを1か所にまとめられたことは、非常に大きかったです。 メールの添付や、関係者間の会話の一元管理ができるため、仕事が簡単になりました。 関連するスレッドを探し直したり、複数の会話を読み直して要点をまとめたり、保存したりする手間が省けます。 すべてが揃っているので、監査の点でも非常に助かっています」と、Howell氏は述べています。
即応力の獲得が新たなチャンスを呼ぶ
わずか数日で実装に成功した実績に慢心することなく、Latitude Financialはすでに次の計画に着手しています。 「Zendeskに加えinGenious AIと協力し、新しいオムニチャネルメッセージングとAIやボット機能の運用を開始しました。 新しいメッセージング機能を利用するユーザーや、ボットを通したセルフサービスで必要なコンテンツを閲覧するユーザー数の大幅な増加から、カスタマーエクスペリエンスを向上させることのメリットを、日々実感しています」とHowell氏は説明し、今後の予定を次のように語りました。 「来年は、メッセージングの開発を継続するとともに、WhatsAppやiMessageといった新しいプラットフォームをいくつかオープンさせる予定です。 コンテンツとカスタムボットのフロー構築を続けながら、このチャネルが今後1~2年間で最も利用者を集める人気のコミュニケーション手段の1つとして発展することを期待しています」。
「Zendeskを立ち上げて軌道に乗せた経験は、社内の改善と最適化の概念を塗り替えました。これが、Zendeskが組織に与えた最も大きな影響です」と、Howell氏は続けます。 「たとえ大きなプロジェクトであっても2年は必要ないという、企業文化レベルでの意識改革が行われました。 Zendeskを強力に支持する当社のCEOは、 もし社内関係者2人が週末だけで導入できるシステムがあるなら、ほかも全部このスピードで進めたいものだと話しています。 Zendeskアプリケーションの優れた機能性と構築の速さは、私たちの企業文化を一新しました。それは激しい変化の時代に即応力を得たという、大きな意義を持っています」。