「Zendeskとのパートナーシップがなければ、現在のような一貫性のある統合型のサポート体験は実現できなかったでしょう。」
グローバルサポート部門シニアディレクター - GitHub
「Zendeskに移行する前は、重要な指標を把握するのが非常に困難でした。Zendeskのおかげで、そうした重要な領域に対して綿密な戦略を立てて取り組めるようになりました。」
サポートオペレーション部門ディレクター - GitHub
業界
ソフトウェアとサービス
本社
カリフォルニア州サンフランシスコ
Zendeskの導入年
2012
5,000万
サポート対象開発者数
425
エージェント数
約2万
月間チケット数
90%
平均 顧客満足度(CSAT)
「ITマニア」と聞いて連想しやすい会社といえば、GitHubかもしれません。GitHubは、コードのホストやレビュー、プロジェクト管理、およびソフトウェアの構築に使用されるソフトウェア開発者向けプラットフォームで、約5,000万人の開発者ユーザーを抱えています。
2008年に共同創設者のChris Wanstrath氏が初のコードコミットを作成したことで誕生したGitHubは、後に世界をリードするソフトウェア開発プラットフォームへと成長しました。現在、Zendeskをはじめ、各業界のあらゆる規模の組織が、GitHubの中核サービスであるリポジトリやコミュニティ、ワークフローを活用しています。
重要な改善事項に専念するための柔軟性を確保
GitHubは当初、顧客や社内の従業員からのサポートリクエストを管理するために、自社開発ソフトウェアであるHalpに依存していました。ところが、ビジネスが成長するにつれてシステムの保守業務が複雑化し、担当エンジニアの人件費が大きな負担になりました。GitHubは、エンジニアが主要サービスの開発に集中できるよう、管理性や拡張性、そして適応性に優れたサポートプラットフォームを導入したいと考えていました。
また、GitHubでは複数のサポートチームそれぞれが異なるツールを使用していたため、全世界で一貫性のあるサポート業務を確立し、それらすべてを把握するのは不可能でした。「2015年にGitHubに入社したとき、サポート部門はサイロ化された3つのチームで構成されていました」と、グローバルサポート部門のシニアディレクターであるBarbara Kozlowski氏は述べます。
「ドキュメントチームはサポートの一部であり、さらにエンタープライズチームと開発者(ドットコム)チームもありました。当時のエンタープライズサポートチームは2012年からZendesk Supportを使用し、開発者サポートチームは社内ツールであるHalpを使用していました」。
Kozlowski氏がサポート部門長に就任したときに「組織全体でサポートモデルを統一することに決めました」と同氏は話します。「会社が成長していたため、迅速に規模を拡大する必要がありました」。
Kozlowski氏は、組織全体で同じツールを使用すれば、全員が同じようにデータを確認できることに気づきました。「当社にとって最も大事な存在はお客様であり、シームレスで統一されたサポート体験を確立することは非常に重要です」と同氏は話します。
サポートチームの全員がリモートで作業している同社は、Zendeskを使用することで、顧客だけではなく組織全体のコミュニケーションとサポートを効率化し、よりスムーズなチケットルーティングとコラボレーションを提供できると考えました。GitHubは2019年、非エンタープライズ顧客向けにSupportを導入し、ITや人事、セキュリティ、法務などのチームをHalpのチケット管理システムからSupportへ徐々に移行させてきました。
プロフェッショナルサービスによる充実したサポート
同社のサポート組織は現在もチームとワークフローの統合を進めていますが、Kozlowski氏は「HalpからZendeskへの移行は記録的な速さでした」と話します。Kozlowski氏いわく、GitHubではこうした移行プロジェクトが過去にも何度か始動したものの、いずれも完了せずに終わったそうです。「当社のチームは非常に技術的で、多くの開発者と同様に、使用するツールやその実装方法について強いこだわりを持っています。そのため、完璧なソリューションが見つかるまで待つのではなく、移行プロジェクトを完了に導くことのできる、強いリーダーシップを持ったプロジェクトマネージャーが必要でした」。
そこで利用したのが、Zendeskのプロフェッショナルサービスでした。
「プロフェッショナルサービスのサポートがなければ、今のGitHubはなかったと思います」とKozlowski氏は話します。「プロジェクトは失敗するか、もっと時間がかかっていたはずです。Zendeskのプロフェッショナルサービスは、外部の視点からプロジェクト全体を把握し、専門知識にもとづいて技術的なアドバイスを提供してくれます。本当に素晴らしいです」。
サポート業務部門のディレクターであるPremila Anand氏は、Zendeskを使用する最大のメリットとしてプロフェッショナルサービスのサポートを挙げています。「移行と拡大のサポートは、一律的なものではありませんでした」とAnand氏は語ります。「当社の働き方を深く理解し、独特なニーズを考慮した上で、ベストプラクティスに沿った導入に導いてくれました。素晴らしいの一言に尽きます」。
インテグレーションのメリット
開発者によって、開発者のために設立されたGitHubは、Zendesk APIを広範に利用して組織全体のさまざまな機能と統合しています。たとえば、GitHubの顧客は技術的分野に精通しているため、サポートの窓口はコミュニティフォーラムやX(旧Twitter)で積極的に活動する開発者コミュニティが担っています。「Zendesk Supportは、質問に対してコミュニティが回答できない場合に使用されます」と、Kozlowski氏は話します。
「当社が使用するインテグレーションの中で最も重要なのは、チケット作成用のAPIです」とAnand氏は述べます。同社では、2020年の半ばまでに、エンタープライズおよび開発者のすべてのサポートチケットが、Zendesk APIを使用して作成される予定です。GitHubはまた、ZendeskとSlackとのネイティブ統合を利用して、Zendeskに常にログインしていないチーム間のコラボレーションを可能にしました。これにより、メンバーは主要なプラットフォームを離れることなく、サイドカンバセーションを使用してチーム間の会話に参加できます。「チーム間のコラボレーションの多くはGitHubで行っています。ただ一時的なやり取りに軽めのツールが必要な場合は、Slackを頻繁に利用しています。こうしたZendeskのチケットやSlackでのやり取りには、サイドカンバセーションを使用するのが便利です」とAnand氏は話します。
その他のインテグレーションには、サポートエンジニアが必要に応じてGitHubのヘルプドキュメントからドキュメントを引き出し、GitHubでイシューを作成し、問題/事象モデルを使用してデジタルミレニアム著作権法(DMCA)にもとづく削除リクエストの処理を円滑にするカスタムアプリなどがあります。エンタープライズサポートの緊急チケットプロセスでは、GitHubのオープンソース自動化ボット、Hubot、およびZendesk APIを使用して構築されたChatOpsを介してチケットの割り当てが自動化され、キュー内の次に対応可能なメンバーにチケットが割り当てられます。
GitHubのチームは、会社の成長に合わせて業務プロセスのさらなる合理化と統一を進めるために、ZendeskのGuide、Talk、Chat、およびSunshineの導入に取り組んでいます。「今後は、カスタムオブジェクトを使用してSalesforceとGainsightのカスタマーヘルスデータをZendeskと連携させ、この情報をZendeskのチケットまたはユーザープロフィールに表示させることができるかを摸索したいと考えています」とAnand氏は述べます。
基準を理解する
「この移行によって得られたメリットは、基準となる指標をよりよく理解できるようになったことです」とAnand氏は語ります。「Zendeskを導入する前はカテゴリ別のワンタッチ解決チケット数や応答時間、CSATなどの主要な指標を把握することは困難でした。Zendeskのおかげで、これらの領域に対して堅実な計画を立てられるようになりました」。
「GitHubのデータは分散システムに散らばっておらず、より整理されています」とAnand氏は話します。「サポートチームは以前は追跡できなかった多くの情報を追跡できるようになり、トレンドの把握や重複の特定、応答時間の確認、そしてチケット件数にもとづいたサポートリソースの調整が可能になりました」。
一貫性が確保された統合プラットフォームへ移行したことで、GitHubはエンジニアリングリソースに大きく依存することなく、サポート業務を継続的に拡大できています。
「Halpは約10年前に開発され、GitLabのユーザーベースが今よりもはるかに小さかった頃は問題なく機能していました。Halpの導入以来、GitHubは飛躍的に成長しました。その結果、拡大と成長の計画が非常に困難になりました」とKozlowski氏は語ります。
「また、お客様とのやり取りの後にお客様アンケートを実施することもできませんでした。Zendeskへの移行に伴い、一部のGitHub専用機能は利用できなくなりましたが、エンジニアリングチームに大きな負担をかけることなく、たくさんの素晴らしいカスタマーエクスペリエンスツールを追加できるようになりました」。