HeliosX + Zendesk: サポート業務の合理化と収益の増加
Zendeskを活用して複数のブランドのカスタマーサポートを1つのチームに統合したことは、ヘルスケアIT企業であるHeliosXに劇的なメリットをもたらしました。 初回応答時間が97%減少したことでCSATが7ポイント上昇したほか、新たなオムニチャネルアプローチによって売上が20%増加しました。
「Zendeskがあれば、変わり続ける顧客ニーズに遅れを取ることはありません。私たちには変化に柔軟に対応できる体制があるのです。」
カスタマーケア部門グローバル責任者 - HeliosX
「すべてをZendeskに集約することで、効率、パフォーマンス、CSATを向上させつつ、人件費を50%以上削減することに成功したのです。」
カスタマーケア部門グローバル責任者 - HeliosX
業種
健康、ウェルネス、フィットネス
本社
ロンドン
創業年
2013
-97%
初回応答時間
+20%
販売コンバージョン率
-50%
人件費
96%
顧客満足度(CSAT)
HeliosXの目指す使命は、イノベーティブな技術を通じて地球上のすべての人々のために医療を高品質で使いやすく、手ごろな値段で利用できるものにすることです。 英国と米国に拠点を置くこの多角的企業は、6つのユニークなブランド(Dermatica、MedExpress、ZipHealth、PharmacyLab、RocketRX、The Skin Method)の運営を統括しています。 それぞれのブランドはパーソナライズされた皮膚科製品や処方薬の配達など独自のサービスを提供していますが、その目指すものは全て同じです。 それは、すべての人々のために、医療を手ごろな価格で簡単に利用できるものとする、ということです。
HeliosXはカスタマーファーストな企業です。そしてそれは単なる宣伝文句ではありません。 顧客満足はHeliosXにとって絶対的な優先事項です。 「HeliosX全社会議でCEOはつねに、全ての顧客や患者に満足してもらうこと、企業としての自らの使命と目標を確実に果たすべく常に努力すること、また自らの価値観に忠実であり続けることが何よりも大切だと、私たちに呼びかけています」と カスタマーケアのグローバル責任者であるFabrice Dowling氏は語ります。
課題: 複数のブランドにまたがるカスタマーサポート管理
カスタマーケアのグローバル責任者としてのDowling氏の役割は、「カスタマーケアチームを効率的に運営し優れた生産性を維持することにより、各ブランドの一人ひとりの顧客に最高のサービスを提供すること」です。
6つのブランドそれぞれが異なる課題を抱えており顧客のニーズも異なることは、HeliosXに特有の課題と言えるでしょう。 「私たちが各ブランドの利用者に提供するサービスや情報は異なります。 そのためブランドごとにカスタマーサービスのガイドラインや運用手順、トーンオブボイスを使い分けています」とDowling氏は語ります。
そのような理由から、カスタマーケアはこれまで各ブランドで個別に管理していました。 「それぞれのブランドが、独自の手順と独自の組織を運営していました。 私たちは、Zendesk、HelpScout、Freshdesk、2つの異なるオンラインチャットサービス、さらに電話サービスのVoIPなど、4つから5つの異なるシステムを同時に併行して稼働させていました。 チーム間のコミュニケーションはほとんどなく、報告も行われず、高いレベルの可視性や追跡もありませんでした」。
このサイロ化された体制は、しばらくの間はうまくいきましたが、急速な成長の時期を経て問題が大きく膨らみました。 「未解決のチケットが溜まり続け、私たちのTrustpilot評価は4.3まで下がりました」とDowling氏は語ります。
そして、影響を受けたのは顧客だけではありませんでした。 HeliosXのカスタマーケアスタッフは、顧客ニーズに対して本来自分たちが目指すレベルのサービスを提供できていませんでした。 このため士気の低下と職場のストレスが各チーム内で大きな問題となっていました。
1つの万能プラットフォームでカスタマーケアを合理化する
Dowling氏は、4つのブランドのカスタマーケアを1つのプラットフォームと1つのチームに統合することで、HeliosXの顧客とスタッフが抱えている問題を改善できることを認識していました。 そのような合理化により、カスタマーケア担当者は、必要に応じて異なるブランドをまたいで柔軟に対応し、繁忙期を乗り切ることができます。
現在、6つのHeliosXブランドすべてを、英国と米国でリモート勤務する20人のカスタマーケア担当者から成る1つのチームがサポートしています。 「各ブランドごとに専任チームがありますが、特定のブランドに問い合わせが集中している時にはすぐにリソースを移動してフレキシブルに需要に対応します」とDowling氏は語ります。
統合決定後、HeliosXはいくつかのカスタマーサポートプラットフォーム候補を検討しました。 Dowling氏は、以前の職場でZendeskの使用経験があり、すでにZendeskには精通していました。 しかし、Zendeskが選ばれた理由はそれだけではありません。
強力なレポート機能、簡単にすぐ完了できる設定、長期的な成長性
まず第一の利点として、「レポート機能が他のシステムよりもはるかに優れていました。 私が入社した時のシステムには、レポート機能はまったくなく、パフォーマンスの可視化も指標もありませんでした。 一方Zendeskの分析機能は、データに基づいた意思決定のための非常に分かりやすい手段を提供してくれます」とDowling氏は語ります。
次に、設定が簡単でした。 「フローや自動化の作成手順は、FreshdeskやHelp Scoutよりもはるかに簡単でした。 私はシステムを迅速に立ち上げることを特に重視していましたが、変更をスピーディーに行うにはZendeskはまさに最適のツールでした。 自動化、トリガ、マクロ、複数表示の設定やヘルプセンターへのコンテンツの追加を含む移行作業を約3週間で完了できました。」
Dowling氏は、ZendeskがHeliosXの長期的な成長と成功を促進してくれると確信していました。 「それまで主にメールサービスを中心に使用していましたが、いずれはチャットや音声通話などその他のチャネルでの対応も拡張したいと考えていました。 こうした長期的観点から、Zendeskは費用対効果においても優れていたのです。」
実際、そうした費用対効果はすでに顕著に現れています。 「12か月間で、Dermaticaの人件費は40%、MedExpressの人件費は60%削減されました。 すべてをZendeskに集約することで、効率、パフォーマンス、CSATを向上させつつ、人件費を50%以上削減することに成功したのです。」
新しいレポート機能で改善すべき項目を明らかにする
利用者の医療ニーズに対応するには、信頼できる専門的なサービスをタイムリーに提供することが重要です。 従って、パフォーマンス監視のための顧客レポート作成機能が特に重要になります。 Zendeskを全社的に展開する以前は、主要指標を追跡する手段がありませんでした。 Zendeskの導入後まもなく、チームはカスタマーエクスペリエンスのギャップを特定してその解決のための必要な修正を実施することができました。
「Exploreを使用したレポートによると、Dermaticaの初回返信時間は平均で約75営業時間でしたが MedExpressではこれが11日間で、実際に処理されたチャットは受信件数のわずか10%ほどでした。 つまりカスタマーエクスペリエンス品質が非常に劣悪だったのです。」
応答時間、CSAT、スタッフの士気の劇的な向上
カスタマーケアチームは導入後まもなく、複数のブランドで新しい統合システムの効果が表れ始めたのに気づきました。 「わずか24時間以内で大きな効果が現れ、約6週間でスタッフによるコンタクト率が17%から8%に低下しました。 これは、充実したヘルプセンターコンテンツの提供に加え、顧客向けウィジェットやチャット体制の整備による効果です。」
Dermaticaの初回応答時間は、9営業日から7営業時間以下へと劇的に改善されました。 かつては35%と高かった顧客コール放棄率は、週当たりわずか10%まで低下しました。 また、MedExpressの顧客は、初回応答時間が11日からわずか2時間に短縮されたことで大きな恩恵を受けました。
これらの成果として、Dowling氏によれば、「CSATは平均で89%から96%まで上昇し、そのレベルを一貫して維持しています。」
ここで重要なのは、改善されたのが数値だけではなかったということです。 「Zendesk導入から12か月間経過していますが、チームは以前よりもはるかにリラックスしています。 彼らは自分の仕事を楽しんでおり、また自分の仕事量を管理できているため、誰かが休暇を取ったり病気で欠勤してもシステムが破綻することはありません。」
最終目標:カスタマーサービスを収益センターに変える
Dowling氏は、カスタマーケアの改善が究極には売上と収益の増加につながることをずっと以前から認識していました。 実際、HeliosXがカスタマーサポートへの投資から金銭的メリットを獲得するまでにそれほど時間はかかりませんでした。
「MedExpressで実現した最大のメリットは、販売コンバージョン率の向上です。 今では、カスタマーサポートのチャットの約20%が販売につながっています」とDowling氏は語ります。
一方ZipHealthは、SMSの効果的な利用を収益につなげています。 「購入の際、顧客に自撮り写真と身分証明書の写真のアップロードによる本人確認を求めていますが。 多くの利用者がこのステップが上手くいかずに購入を断念していることがわかりました。 私たちが目指したのは、顧客が必要な手続きすべてをSMS経由で行えるようにし、注文の保留やショッピングカートの放棄を防いで売上につなげることでした。 その結果、保留されていたショッピングカートが購入完了するケースが20%増加し、それらの処理にかかっていた時間も大幅に短縮されました。」
また、チームはチャットのさらなる活用手段として、Dermatica利用者のうちVIP顧客に対する相談サービスの提供を開始しました。 これらの顧客は、問い合わせに対するメールの返答を待つことなく、チャット経由ですぐに皮膚科医と会話ができ、医師から直接アドバイスや指導を受けることができます。 「このVIPチャットサービスは定着率をさらに向上させ、CSATの改善にも役立つでしょう」とDowling氏は語ります。 導入直後のトレンドは堅調で、解約率は約20%です。
カスタマーケアを社内チームのリソースにする
InstagramとFacebookの両方で多くのフォロワーを持つHeliosXには、ソーシャルメッセージング経由で多くの顧客からの問い合わせが寄せられます。
ZendeskとSprout Socialの統合により、カスタマーケア、マーケティング、ソーシャルメディアの各チームが連携してサービスについてのコメントや顧客の会話をモニタリングできるようになります。 「カスタマーサポートが必要と判断されると、ソーシャルメディアチームはすぐにチケットを作成してZendeskシステムに転送します。 これに対してカスタマーケア担当者が質問への答えを入力してチケットをSprout Socialに送り返し、最終的にソーシャルメディアチームが利用者に回答を提示します。 これは、複数のチャネルを必要とせずにコラボレーションを可能にする、素晴らしくシンプルなフローです。」
Dowling氏は、自分のチームが社内における顧客の代弁者になったことを誇りに思っています。 「私たちは顧客が企業とやり取りするプロセスにおける中心的な媒介なのです。 私たちは顧客が抱えている問題を最初に聞き取り、またフィードバックに基づいて最初に行動を起こします。 Exploreを使用すれば、その全てを社内の他の部門と共有することができます。 HeliosXでは顧客の声に焦点を当てた定期的な部門横断的な会議を開催しており、そこでは非常に簡潔で構造化された方法で、フィードバックやインサイト、意見の部門間での共有を行っています。」
統合プロジェクトとZendeskの展開により得られた大きなメリットを弾みとして、Dowling氏は更なる変化につながる新たな変更しました。 「これは経営陣を大きく覚醒させることになり、 初回応答時間やCSATなどの管理指標の監視がビジネスや顧客、カスタマーケア担当者にとってなぜ重要であるかを経営陣に理解してもらうことができました。 これは社内における啓発のきっかけとなり、それにより多くの新たな取り組みが開始しました。 以前は変更案に対して賛同を得るのが非常に困難でしたが、今では戦略を裏付けるデータを提供できるため、変更によりどのようなメリットが得られるかを誰もが一目で理解することができます。」
Dowling氏はいまチームのためにさらなる大規模なプランを計画中ですが、Zendeskがあれば間もなくプランを実現できると自信を持っています。 「今後、AI、Zendeskボット、WhatsAppを駆使してSMSサービスをさらに拡大したいと考えています。 Zendeskがあれば、変わり続ける顧客ニーズに遅れを取ることはありません。私たちには変化に柔軟に対応できる体制があるのです。」