企業がより豊かなカスタマーエクスペリエンスの構築を重要視していく流れの中で、他社より一歩先を行くためにはどのようなベンチマーキングを行えば良いでしょうか。これからご紹介する6つのステップに沿って、自分たちのチームとその業界のベンチマーク企業とを比較してみましょう。評価指標やサポート業務において、チーム内のどの部分を補強すべきかが自ずと見えてくるはずです。
ベンチマークとの比較を正しく行うということは、無計画に、個別に競合と比較してみる以上の効果があります。市場に何百も存在する企業や顧客の指標に焦点を当てるのは難しいと思いますが、価値ある追求であると言えるでしょう。企業が望んだ結果を得るためには、最初は十分に考え抜かれた戦略が必要だからです。
ここでは、ベンチマーキングにおける6つのベストプラクティスをご紹介します。
1.今すぐ開始する
ベンチマーキングを開始するのに早すぎると言うことはありません。競合を研究し、自社の改善すべき点を知ることは、目的地への地図を手に入れることに似ています。ゴールまでの道のりが描かれた地図を早く手にいれられれば、何か起こってから反応するというよりも、戦略的に行動する態勢へのシフトが早くなり、完璧な道のりを辿ることもできるでしょう。ベンチマーキングをする目的の半分は、自社がどのスタートラインに立つべきかを知るためということに留意してください。また、適切な計測のシステムやツールを使う時間を確保してみましょう。進行状況を正確に把握し、どれだけ進展があったかを確認することができます。
2.適切なタイムラインを設定する
競合他社を調査して改善の機会がどこにあるかを分析し、改善を積み重ねるには一朝一夕では終わりません。つまり、ベンチマーキングには多くの時間を要します。自社の平均的なPDCAの期間サイクルに基づいて、期間内に実施から調査までを終了させるようベンチマーキングの範囲を区切りましょう。ほとんどの企業で、この期間の長さは四半期または90日間です。この期間の初期段階で競合と比較し、来期の計画を立てる前にフィードバックを共有しましょう。
3.適切な対象グループを選択する
企業をピックアップする際の最重要事項は、優れた業績があることです。とはいえ、自社の目標と照らし合わせて場所や規模、業種、製品カテゴリ、ビジネスモデルなどあらゆる要因にも配慮しておきましょう。目的が自社によく似ている企業との比較である場合には、競合グループを同じ業界に絞るべきでしょう。しかし、もしビジネスプロセスにおいて示唆を得たいのならば、既存の考え方に囚われず、他業界の優れた意見を取り入れることも重要です。
4.他業種に学ぶ
劇的な学びを得る方法の一つとして、他業種で働く企業をヒントにすることが挙げられます。 根本的には同じ課題だけれども極端である一例を、他の業界に持っていってブレインストーミングをしてみることです。顧客のアンケート回答率やフィードバックに問題がある場合は、ファーストフードチェーンや病院がどのようにこの課題にアプローチしているかに注目してみましょう。現時点でどのように顧客を捉えるか、そして置かれている状況にどのように敏感に反応していくかの発想を与えてくれるでしょう。
5.意義ある指標にこだわる
カスタマーサポート組織の健全性を測定するには無数の方法があります。だからこそ、世界水準のカスタマーサポートである、と測定基準によって定義された、学ぶべき企業について明確にしておくことが重要です。ベンチマーキングの調査を、業界全体で標準化されているいくつかの指標または要因で絞り込んでおけば、同一条件下での比較が容易になります。チームのキックオフの前に、自分たちで測定基準を明確に決めておく必要があるでしょう。
6.業務改善に注力する
マーシャル・ゴールドスミスの有名な言葉に「あなたをここへ連れてきたものは、あなたをあそこへ連れて行きはしないのだ」というものがあります。自社にとっての北極星、つまり動かぬ目標地点を見出すことができたのであれば、測定基準ではなく、チームの運営に集中するようにしましょう。これまで見てきた統計それ自体を変えることはできなくても、技術やプロセス、人や戦略はいずれ統計を動かす一手となっていくでしょう。
より詳細な情報に関しては、Zendeskカスタマーサービスベンチマークをご覧ください。