参考になるサポート記事が満載のヘルプセンターを作成するメリットは、既に多くの企業の知るところですが、ブランド独自のサポートコミュニティを運営することについては、依然として必須ではなく「あったら助かる」程度の認識にとどまっています。
しかし実際には、数多くのすばらしいメリットが眠っているのです。この記事では、顧客の満足度や製品の質を高め、収益拡大につなげるためのコミュニティ運営方法についていくつかのポイントをご紹介します。
顧客、サポート担当者、製品エキスパートなど発案者を問わず、優れたアイデアを積極的に取り入れる
複雑なトピックについて顧客が質問したり、アイデアを共有したりする場として、コミュニティは最適でしょう。自社だけでなく、同業他社から回答が寄せられることもあります。こうしたクラウドソーシング型のサポートでは、興味深い方法で製品を活用しているユーザーから、使い始めたばかりの初心者まで、さまざまな視点から情報が集まるため、たいへん貴重です。
こうしたコミュニティメンバーから提供される多彩な情報、経験談、アイデアを参考にすることで、最初はぼんやりとしていた問題の解決策が、だんだん明確になってくるでしょう。コミュニティは、カスタマーサービスと同じくらい顧客ファーストであり、顧客にとっては自身の経験を他の顧客や企業と共有できる魅力的な場所となります。
Zendeskのお客様であるWrikeは、自社コミュニティで行われているクラウドソーシング型のサポートに、カスタマーサービスチームや製品チームにとって非常に貴重なデータが潜んでいることに気付きました。コミュニティ内の会話に注目し、評価した結果、顧客がどのような製品を求めているのか、製品開発に関するインサイトを入手できるようになりました。同時に、そうしたフィードバックを踏まえて製品ロードマップを改善できました。独自のコミュニティを運営することで、インサイトを引き出し、顧客のフィードバックを反映できるようになったのです。
コミュニティの助けを借りてコンテンツの質を高める
ユーザーは高い確率でコミュニティに戻ってくるため、記事が参考にならない場合や、質問に十分に回答していない場合には、ユーザーから指摘が入ります。そのときが絶好のチャンスです。ユーザーのフィードバックを活用して、今あるコンテンツを改良しましょう。コミュニティをモニタリングし、ユーザーの懸念や問題に耳を傾けることで、既存ドキュメントの内容を充実させ、カスタマーエクスペリエンスを改善できます。
コミュニティメンバーは、コンテンツ作成時にも力強い味方となります。Zendeskでは、定期的に回答を投稿しているメンバーに、専門分野のトピックに関するヒントやコツを記事にまとめ、寄稿してもらっています。そうすることで、コミュニティ内での寄稿者の認知度が高まると同時に、自社のサポートドキュメントを充実させることができます。
Zendeskコミュニティの寄稿記事をいくつかご紹介します。
- ヘルプセンターの記事に動画を埋め込む簡単な2つのステップ(Wes Drury氏)
- ヒント:チケットにリマインダーを設定する方法(Colin Piper氏)
- スマイリーアイコンを使用してCSAT調査をもっとスムーズに(Andrew J氏)
- 言語ごとにZendeskヘルプセンターのバナー画像を変更する方法(Trapta氏)
- ナレッジキャプチャーによる作成、フラグ設定、公開(Daniel Cooper氏)
いくつもの質問にまとめて回答できる持続的なリソースを作成する
サポートコミュニティ内でのユーザーやサポート担当者の回答を活用すれば、他ユーザーにとって役立つ情報が揃ったナレッジベースを作成できます。この方法なら、一度に多くのユーザーに情報を提供できるので、特に新しい問題が発生したとき、新機能や製品更新をリリースしたときなど、顧客から届く大量のフィードバックや似たような質問に効率的に対応できます。賢い企業は、よくある質問への的確な回答を集め、公式のナレッジベースに組み込んでいます。
Zendeskのお客様であるCourseraでは、コミュニティフォーラムによって、カスタマーサービスチームの負担を軽減しました。同社サポートプロダクトマネージャーのMichael Robichaud氏は、次のように述べています。「フォーラムを利用すれば、透明性の高いオープンな場所で、問題について意見を交わしたり、製品について質問したり、コミュニティから参考になる情報を入手したりできるので、時間がかかりがちな1対1のサポートに頼らずに済みます」
顧客の発言を把握して、正しい情報が伝わっているかを確認する
正直なところ、製品についてオンラインで話したいとき、顧客は別の場所を探すでしょう。多くの場合、ソーシャルメディアや外部フォーラムが利用されますが、偏った意見や不適切なアドバイスの温床となるおそれがあります。また、もっと目につかない場所で、企業が知りたい内容の会話が交わされていることも少なくありません。
そこで、企業がディスカッション用のフォーラムを提供すれば、顧客の発言を把握しながら積極的にモデレーションを行い、正しい情報や回答が共有されるように管理できます。顧客は企業側がディスカッションに参加することを歓迎するでしょうし、企業は自分自身でフォーラムを運営することで雰囲気を適切に保つことができます。
コミュニティからヘルプリソースにスムーズに誘導する
ナレッジベースやヘルプ記事などのヘルプリソースを提供しているなら、コンテキストに沿ったリソースをコミュニティで共有するとよいでしょう。顧客の質問やディスカッションに関連するリソースへのリンクを提供したり、中身をそのまま共有したりして、顧客が求める回答を示します。この方法では、顧客によるセルフサービス(自己解決)型のサポートを促進すると共に、その有効性についてフィードバックを受け取ることができます。
さらに、セルフサービスサポートが定着するにつれ、SEOの価値が高まるというメリットもあります。つまり、顧客がヘルプ記事やコミュニティディスカッションをGoogleで検索しやすくなるのです。カスタマーサービスチームは、コミュニティのスレッド内でヘルプ記事へのリンクを設定したり、有効な解決方法を提示してディスカッションに貢献したりすることで、その効果を高められます。
ブランド独自のコミュニティ運営には、今回紹介した以外にもたくさんのメリットが期待されます。この記事の内容やコミュニティ管理全般、ブランド独自のサポートコミュニティの構築方法について、ご不明な点がございましたら、ぜひZendeskコミュニティにておたずねください。