デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル化を推進することで従来のビジネスや組織を変革し、新たな付加価値を生み出す取り組みを指します。これまで、ビジネスのデジタル化は一部の先端企業による革新的な取り組みとして捉えられていましたが、いまでは多くの企業にとって必須の取り組みになりつつあります。
半数以上の企業がデジタル化を推進
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が実施した「企業IT動向調査2018」によると、社内で何らかのデジタル化に取り組んでいる企業は半数を超えています。2016年から2017年にかけて、売り上げの規模にかかわらず、デジタル化に取り組む企業が大幅増加に転じました。
経営戦略とIT戦略の関係性において、「経営戦略を実現するためにIT戦略はなくてはならない」「経営戦略の一施策としてIT戦略がある」と考える企業は、あらゆる業種で全体の6割を超えており、IT戦略と経営戦略の関係が密度を増していると見られます。デジタル化はもう革新的な企業だけの話ではなく、「検討中」を含めると約半数の企業がデジタル化の推進に関心を示しています。もはや、企業はデジタル化から逃れられないと言えるでしょう。
デジタルトランスフォーメーションにおける
「第3のプラットフォーム」
現在、デジタルトランスフォーメーションが求められている背景として、「デジタル化された消費行動に企業活動をフィットさせる」ことがまず挙げられます。
消費者が購買を検討する際に情報を得る手段は、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアから、インターネット空間へと変化を遂げ、情報は「受動的に与えられるもの」から「能動的に取りに行くもの」へと変わっています。このような状況下では、コーポレートサイトやダイレクトメールを使った「企業による一方的な情報発信」よりも、ソーシャルメディアを使ったコミュニケーションやオウンドメディアの運営などによる「顧客と企業間で双方向性のある情報発信」が求められるようになっています。
デジタル環境の第1のプラットフォームは「メインフレームと端末」、そして第2のプラットフォームは「クライアント/サーバシステム」とされていました。こうした流れを受けて、デジタルトランスフォーメーションにおける第3のプラットフォームとして、「モバイル・ソーシャル・ビッグデータ・クラウド」の重要性が認識されています。
デジタル化を進めるには人材育成が急務
デジタル化を進めるうえで欠かせないのが、対応スキルを持った人材の獲得・育成です。若年層の人口が減少傾向にあるなか、中小企業を中心に人手不足が顕在化している一方で、多くの企業は自社にフィットした形でのデジタルトランスフォーメーションを推進していくために、社内のIT部門と事業部門の両方を経験したデジタル化推進人材の充足を求めています。
先ほど紹介したJUASの調査によると、デジタルトランスフォーメーションに成功している企業は、社内人材や既存のベンダー以外に、ベンチャーや研究機関など、新たな外部活用が進んでいることが分かっています。
IT業界は常に日進月歩で進展しています。より高度で最新の技術をキャッチアップしていくには、社内のみならず外部との協業による人材の獲得が求められるでしょう。また、デジタル化が進んでいる企業は、経営層の関与が非常に高いことも、調査結果で明らかになっています。デジタルトランスフォーメーションの推進には、経営層のリーダーシップが欠かせないといえます。
まとめ:
デジタルトランスフォーメーションの進展に向けて
もはや、デジタルトランスフォーメーションは、ビジネスで勝つための必須の取り組みであると言えます。その鍵を握っているのは、デジタル人材とプラットフォームであり、重点的に整備を急ぐべき、と考えられます。
参考: