対面にせよ、オンラインにせよ、私たち人間は仲間どうしで集まって、共通の関心事について話し合うことを好みます。実際、お気に入りのブランドから必要な情報やサポートを得る目的で、ユーザーコミュニティ利用する消費者は数多くいます。
こうしたオンラインプラットフォームを通して、ユーザーは、質問の投稿、議論への参加、知識の共有、共通の関心事に関する情報交換を行えます。多くのユーザーは、製品の使用方法に関する情報を入手したり、特定の機能に関する質問をしたりするためにユーザーコミュニティを利用しています。また、ユーザーコミュニティがあれば、企業は顧客にセルフサービス型サポートを提供できるほか、顧客からフィードバックを収集できるようになります。
ユーザーコミュニティには、実に多くのメリットがあります。必要な社内リソースが最小限で済むにもかかわらず、顧客のニーズや問題の解決方法について有益なインサイトを入手できるため、投資価値は十分にあると言えます。
ユーザーコミュニティを運営すると、以下のようなメリットがあります。
サポートコストの削減
ユーザーコミュニティは、一般に公開されたユーザー参加型のナレッジベースで、ユーザーが互いの質問に回答したり、情報やヒントを共有したりできるため、サポートコストの削減につながります。コミュニティのメンバーが回答した質問は、それ以降いつでもオンラインで閲覧できるようになります。場合によっては、Google上で回答が保存、公開されるため、メンバーでなくても回答を閲覧できます。
ユーザーコミュニティには過去の投稿が蓄積されるため、後から参加したメンバーでも既に回答済みの質問を参照できます。その結果、サポートチケットの件数を減らせるため、チームの人員を削減してサポートコストを抑えることができます。その分、従業員の何人かをコミュニティの管理者に任命することも可能です。コミュニティ管理者には、さまざまなレベルの権限を付与できます。
Zendeskのコミュニティ担当シニアマネージャーを務めるNicole Saundersは、次のように述べています。「ユーザーが投げかけた質問に対し、他のユーザーが回答を提供してくれれば、その分チケットの数を減らせます」
ユーザーが十分な回答を得られなかった場合でも、ある程度参考になる情報を入手できれば、問い合わせを抑制できる可能性があります。また、コミュニティ管理者側で別のユーザーでは回答できないような質問があることに気づいた場合は、速やかにサポートチームのメンバーを引き込むとよいでしょう。
ユーザーコミュニティは、顧客の自己解決を後押しするセルフサービス用プラットフォームの一種であるため、多くの場合、サポートチケットの削減につながります。
たとえば、Marketoのユーザーコミュニティでは、顧客が問題解決のためのアイデアを出し合っています。Marketoは、マーケティングオートメーションソフトウェアに特化した企業ですが、ユーザーコミュニティを利用して、問題の解決策を探しているマーケティング担当者向けにブランド独自のコミュニティを提供しています。ユーザーコミュニティでは、同社のソフトウェアの使用方法に関する技術的な質問が寄せられることが多いため、サポート担当者の負担が軽減されると共に、ナレッジベースの拡充につながっています。
専門的なサポートの提供
Vanilla Forumsの調査によると、企業の88%が、ユーザーコミュニティによってカスタマーエクスペリエンスが向上すると回答しています。その理由は明らかです。ユーザーコミュニティでは、自分と同じようなユースケースに対処したことのあるユーザーに出会える確率が高いためです。
たとえば、ユーザーから製品に関して非常に具体的かつ複雑な質問が寄せられた場合、最も参考になるのは、十中八九、その製品を日常的に使用している他のユーザーからの回答です。サポート担当者でも対応できる場合はありますが、そこまで具体的なユースケースは把握していない可能性もあります。
Saundersは次のように説明します。「たとえば、(Zendeskに対して)お客様から電話で『旅行代理店を立ち上げたいのですが』といったお問い合わせがあったとしたら、サポートチームのメンバーでアイデアを出し合って、最適なソリューションを提案するでしょう。しかし、実際に旅行代理店を運営した経験のあるサポート担当者はおそらくいないはずです。一方、他のユーザーなら実体験に基づくアドバイスを提供できるかもしれません」
ユーザーコミュニティがあれば、ユーザーに自身の専門知識や実体験を共有できる場を提供できます。「当社のコミュニティには、ナレッジベースツールのカスタマイズに精通したモデレーターが数名いて、ヘッダーを編集したり、各要素の色を変更したり、ボタンを自由に配置したりするためのコードの記述方法を他のユーザーに共有しています」(Saunders)
実際に、多くのユーザーはユーザーコミュニティを必要不可欠な存在だと考えています。開発者を雇ったり、サポート担当者に問い合わせたりすることなく、問題を解決できるためです。また、複数のユーザーを会話に引き込めるのも強みです。多くの場合、ゴールに至る道は1つとは限りません。コミュニティでは、同じ問題に対して、複数のユーザーからさまざまな解決策を提案してもらえます。
ユーザーコミュニティは、顧客だけでなく、サポート担当者にもメリットがあります。特定のユースケースに関する情報を収集することで、製品に関する知識を強化できるほか、問題解決の際にコミュニティ内のエキスパートの知恵を借りることもできるからです。
顧客ロイヤルティの向上
ユーザーコミュニティでは、似たようなニーズや関心を持つユーザーどうしがつながることで仲間意識が生まれます。その結果、多くのユーザーはブランドに信頼感を抱くようになります。
Saundersはこう話します。「長期的に見て、ほとんどのコミュニティは、顧客の維持率、継続利用期間、生涯支出額などにプラスの影響をもたらします。顧客どうしが強いつながりを感じているほど、ロイヤルティは向上するのです。問題にぶつかっても、他のユーザーから解決方法を教えてもらえるとわかっていれば、顧客がその企業の製品を利用し続ける可能性は高くなります」
さらに、コミュニティのユーザーに知識を共有するための場を提供すれば、どんな立場になってもブランドを支持してくれるようになるでしょう。
たとえば、Zendeskのユーザーコミュニティでは、とあるユーザーがZendeskの管理者として高いスキルを発揮したことで、仕事を獲得するに至った例があります。「こちらのお客様が新しい会社でもZendeskの管理者に任命されたとしたら、何が何でもZendeskの利用を継続しようとしてくれるでしょう。当社の製品の熱心なユーザーであるうえ、コミュニティにアクセスすれば使用方法に関するアドバイスやサポートを得られるとわかっているからです」
Spotifyも、ユーザーコミュニティを通じてブランドロイヤルティを創出し、顧客エンゲージメントを強化している企業の1つです。同社のコミュニティにはブランドの色がよく表れており、ユーザーが集って音楽について話し合っています。他のユーザーとの交流を通して、関心のある音楽について理解を深めることで、ユーザーは仲間意識を感じ、コミュニティの常連となっていくという仕組みです。
適切なソフトウェアでユーザーコミュニティを簡単に構築しましょう
ユーザーコミュニティは簡単に立ち上げられます。適切なツールを使用すれば、技術的なスキルすら必要ありません。
Zendeskなら、ユーザーコミュニティを数分で構築できます(デザインおよびモデレーションの管理やカスタマイズも可能です)。オンラインで自社の顧客がいっせいに交流し、情報を交換できるようにすれば、顧客の間に安心感や他のユーザーとの一体感を生み出せます。