依然として、サポート部門をコストセンターと捉える企業や経営者は少なくありません。しかし、本当にそうなのでしょうか? もっと言えば、サポート部門がコストセンターであってよいのでしょうか?
答えはNoです。考えてみてください。サポート部門には、どの部門より多くの顧客接点を持っています。サポート部門の対応ひとつで、企業や製品に対する印象を良くも悪くも大きく左右してしまいます。つまり、企業が競争優位に立てるチャンスを握っているのです。
株式会社ユーザベース SPEEDA カスタマーサクセスチーム マネージャーの宇佐美 信乃氏は、「我々は社内で最も顧客を複合的にとらえることができるチーム」と語っています。しかし、単に多くの顧客接点を持つだけでは、そこに適切な改善のサイクルは生まれません。顧客の感情や行動を可視化し、深く理解するためのツールが不可欠です。
ユーザベースでは、主力サービスの一つである「SPEEDA」のコンサルティングサービスにZendesk Supportを導入。以前はWebフォーム経由で受けた問い合わせにメールで対応していた同社ですが、Zendeskで顧客とのやりとりが可視化されたことで、事業そのものに影響を与えるような変化が起こっています。
<Zendesk導入後の主な変化>
●FAQの活用
単純な「よくある質問」以外にも、「AI」などホットなテーマに関するリサーチ事例などをFAQサイトに掲載。問い合わせ件数を最小化するため、問い合わせへの自動返信でFAQの閲覧を促すほか、FAQのアクセス状況を分析し、記事のアップデートに反映している。
FAQ画面
●担当者の自動振り分け
Zendesk Supportのトリガ機能により、顧客属性に応じて適切なチームに振り分け、対応時間を短縮。また、案件対応における個人の貢献度を測り、適切なアサインにつなげている。
●初期応答ルールの徹底
応答時間の正確な計測が可能になったことで、事業拡大下においても「30以内に初期回答を行う」というサービスレベルの維持に貢献。万が一30分を過ぎたらslackに通知される仕組みも実現している。
●プロアクティブな対応
以前は、“来た問い合わせに返す”ことやその効率化に主眼が置かれていたが、顧客の状況が可視化されることで、顧客属性に応じた問い合わせ内容の分析や、それを踏まえた情報提供など先手を打ったアプローチが可能になった。
●コンサルティングサービスチームの士気向上
別システムで運用していた顧客満足度調査が、Zendesk標準のカスタマー満足度アンケートに代わったことで、回答率が上昇。また、問合せへの対応に関してはすでに高評価を得ていることから、さらなる顧客満足度の引き上げに躍起になるのではなく、顧客のコメントから「感動しました」「!!」「○○様本当にありがとうございます」といった表現を拾い出してポイント化。案件ごとの顧客の感動度合いを可視化することで、各担当者の目の前の一件に対する強度を高め、サポート品質の向上に一役買っている。
●機能・コンテンツ開発チームへのフィードバック
グラフや数値などの具体的根拠に示しながら顧客の要望を伝えることが可能に。
「Zendeskで可視化されることで、次の打ち手を考えやすくなりました」と宇佐美氏。
レポーティング画面
「SPEEDA」の進化とロイヤルカスタマーの創出を支え、事業成長に貢献する役割を明確に担い始めた同社のコンサルティングサービス。一件一件の顧客対応の質を高めるユーザベースの取り組みは、こちらでご紹介しています。ぜひご覧ください。