カスタマーサポートという仕事をしていて、一番やりがいを感じる瞬間。それは、適切なタイミングで適切な回答ができたときです。このような満足感を持って、効率よく効果的に働くためには、エージェントが正しい知識、ツール、リソースで支えられていることが前提になります。
高いエージェント満足度を達成するためにも、スマートナレッジベースでエージェントを支援する必要性が高まっています。スマートナレッジベースは、次の3つの点でエージェントをサポートします。
人的対応を必要としない問い合わせについては、チャットボットに任せることが可能。
AIを活用し、ワンクリックで関連記事を呼び出すことが可能。
時間の経過とともに、ナレッジを自分たちで強化していくことが可能。
スマートナレッジベースはエージェントを支えるだけでなく、顧客の満足度を高めるうえでも役立ちます。顧客がサポートでのやりとりをどう評価するかは、回答が得られるまでの時間の長さや、対応の品質によって決まるからです。
人的対応を必要としない問い合わせについては、チャットボットに任せる
来る日も来る日も、繰り返される「よくある質問」に答え続ける。そんな毎日に嫌気がさすエージェントは多いのではないでしょうか。しかし回答がナレッジベース内に用意されているのであれば、AIを利用してエージェントと顧客両方の時間を節約できます。ボットが顧客の質問をナレッジベースの関連記事にマッチングし、自動的に回答します。エージェントはその間に、人間でなければ対応が難しい問題に集中することができます。
借り手と投資家を結び付ける米国のオンラインマーケットプレイス Lending Clubでは、チケット回避率の観点からROIを計測することにより、セルフサービスボットがもたらすコスト削減効果を具体的な金額で定量化しました。同社のペイメントソリューション担当取締役 Andrew Jensen氏によると、ZendeskのAnswer Botの解決率は12%です。つまり、この12%分のチケットについてはエージェントが関与する必要がまったくないということです。同氏は次のように述べています。「導入効果は非常に大きかったと思います。しかもAnswer Botは、顧客の立場から見て押しつけがましいものではありません。」
AIを活用し、ワンクリックで関連記事を呼び出す
エージェントがチケットを処理する際、必要なナレッジがすぐに利用できる形で手元にあることが重要になります。新人エージェントは特に、次々と来る問い合わせがどれも、自分がまだ勉強中のトピックであるように思えて、対応がおぼつかないのが実情です。エージェントの業務時間のうち平均20%は、顧客に回答するための情報探索、あるいは正しい解決手順を調べることに費やされています。
したがって、役立つコンテンツがワンクリックの操作で表示できるように準備されていれば、業務効率が向上し、結果的にエージェントの満足度も向上します。たとえばGuideのナレッジキャプチャーアプリを使用すると、内部向け・外部向けのヘルプセンター記事に、エージェントの使用しているインターフェイスから瞬時にアクセスできます。
ナレッジベース活用の鍵は、関連性にあります。適切なテクノロジーを利用すれば、関連性の高い情報をすばやくエージェントに提供できます。Answer Bot for Agentsは、顧客の質問のコンテクスト全体を考慮に入れたうえで、マシンラーニングアルゴリズムを利用し、推奨記事をナレッジベースから見つけ出して表示します。
エージェントがヘルプセンターのリンクを送信して、一挙に問題を解決できる場合もあります。これも時間の節約につながります。Zendeskのスピード解決を使えば、チケット上でエージェントと繰り返しやりとりをするのではなく、顧客が自分でチケットを解決済みにすることができます。
「エージェントに時間的な余裕が生まれ、既存のヘルプセンター記事では問題を解決できない顧客のサポートに全力を傾けられるようになりました」と語るのは、サポートチームで時間の節約効果を目の当たりにしているRepublic Wireless社のRichard Patterson氏です。「ヘルプセンターで公開する記事を、サポートエージェント自身が作成する機会が増えたため、セルフサービスでの解決率が大幅に向上するワークフローを構築できました。」
時間の経過とともにナレッジを強化していく
よくある質問への問い合わせが減り、省力化のメリットが実感されるようになると、ナレッジベースを良好な状態に保つために、エージェント自身が積極的な役割を果たす段階が訪れます。具体的には次のとおりです。
ヘルプセンターの既存の記事、または公開予定の記事について、エージェントにフィードバックを求めます。
定期的に記事を見直し、製品の展開やビジネスの成長に応じて関連性を保ちます。
ヘルプセンターに直接記事を投稿できる権限を持つユーザーを設定し、記事の品質を維持します。
次に、こうしたタスクをエージェントのワークフローに取り入れるための最善策をご紹介しましょう。
重要なのは、おすすめの記事をスマートに提示するだけでなく、改善すべき点のあるコンテンツについてエージェントがフィードバックできるようにすること、そしてエージェント自身で新しいコンテンツを作成することです。特に、ナレッジベースに含まれていない情報を利用している場合、エージェント自身が工夫して、関連性の高い有益な顧客対応を行っているようなケースは非常に有益といえます。このような情報をナレッジキャプチャーアプリでナレッジベース用にフラグを付ければ、他のエージェントも今後、同じ情報を利用できるようになります。
新しいコンテンツが必要な場合や、顧客が抱えている問題に合わせて既存の資料を改訂する必要がある場合には、AIを活用して不足しているコンテンツを発見することも可能です。早期アクセスプログラムで提供しているコンテンツキュー機能は、マシンラーニングを利用して、トピックに関する推奨事項を関連チケットとともにパッケージ化します。これにより、管理者およびエージェントは次にどこに注力すべきかを判断できます。その後の段階では、たとえばチームパブリッシングなどの記事作成におけるワークフローを割り当てる機能を利用すると、ナレッジベース用の情報を作成、編集、発行する作業に、チーム全員で担当するが可能です。
エージェントが直接コンテンツに関与すればするほど、最新の情報が得られる豊富なコンテンツを取り入れた、今までよりずっと強力なナレッジベースが構築されます。エージェントにとって重要なのは、掲載されているナレッジの信頼性。すなわち、最新の情報を反映した検証済みのナレッジであるという確信が必要なのです。このプロセスを完全に機能させるには、ワークフローをできるだけ自動化するのがベストです。たとえばArticle Eventsを使用すると、記事のライフサイクルイベント(検証インターバルなど)のスケジュールを設定し、コンテンツの所有者を指定して、内容の正確性と情報の鮮度を定期的にチェックすることができます。
高い品質を保つために重要なのは、コンテンツのレビューを実施し、特定のユーザーだけがヘルプセンターにコンテンツを投稿できるようにすることです。Republic Wireless社のKCSプログラムマネージャーであるBen Garris氏は、この目的でユーザー権限を設定しています。記事の編集、レビューへの提出、公開を行う権限のあるユーザーを、管理者が決定します。同氏は次のように述べています。「当社のチームには、記事の新規作成や、既存の記事の編集権限を持つエージェントが100人以上います。ユーザー権限を使用すれば、必要な時に、設定した権限および所属グループに基づく個別の記事だけに、アクセスを制限することができます。権限設定により、プロセスだけでなくコンテンツ構成もシンプルな状態に保てるようになっています。」
エージェントの生産性向上ツールは、何よりもまずエージェントを支援し、サポートチーム全体による継続的な改善のサイクルを作り出すものでなければなりません。繰り返しになりますが、重要なポイントは次の3つです。
人的対応を必要としない問い合わせについては、チャットボットに任せることが可能。
AIを活用し、ワンクリックで関連記事を呼び出すことが可能。
時間の経過とともに、ナレッジを自分たちで強化していくことが可能。
Zendesk Guideは、すべてのエージェントに最高の仕事ができるよう支援します。その仕組みを以下のビデオでご紹介します。
今回ご紹介したエージェントの能力を最大限に引き出す方法について、詳しくはZendeskにお問い合わせください。