記事
グループメッセージで優れたカスタマーエクスペリエンスを実現
グループメッセージを活用すると、複雑なマーケットプレイスで発生する
さまざまなやり取りを包括的に管理でき、オイルを差したばかりの機械のように
スムーズにプロセスを進めることができます。
更新日: 2023年1月5日
カスタマーエクスペリエンスをシンプルにすることは、複雑なエコシステムを持つ企業にとっては特に難しいことです。たとえば、eBayやReverbのようなマーケットプレイスには、運営している企業とは別に買い手と売り手が存在し、食品や家具などの商品の配送においては、販売業者、配送ドライバー、受け取る側の顧客といった三者間でそれぞれにコミュニケーションが発生します。
オンデマンドサービスを提供しているマーケットプレイスでは、満たすべきニーズが山積しています。食事宅配サービスを手がける企業を例に考えてみましょう。顧客は、長い一日をようやく終えたばかりです。帰宅後に手早く食事を済ませようと、スマートフォンをすばやくタップしてメニューを即決します。一方、提携先の飲食店はピークタイムになると、電話、オンライン、あるいは直接来店した顧客から殺到する注文にバランス良く対応しなければならず、配送ドライバーも、街中を端から端まで駆けずり回って大量のデリバリーを捌かなければなりません。しかも、こうしたタスクはいずれも短時間で完了することが期待されています。
このとき、関係者どうしで連絡をとり合うためのシステムが複雑だと、何か問題が起きた際にさらなるフラストレーションが生まれてしまいます。たとえば、配送ドライバーが渋滞に巻き込まれてしまった、時間どおりに集荷に来ない、注文を変更する手続きに予想以上に時間がかかっているなどのちょっとしたトラブルは、いずれもありがちなことで、多くは予想できることでしょう。しかし、適切なタイミングで適切な関係者に状況が伝わっていないと、顧客の不満を増大させることになります。顧客が配送状況を問い合わせてもすぐに情報が得られなかったり、サポート担当者が提携企業と顧客とのコミュニケーションをスムーズに支援できなかったりすると、しまいには注文のキャンセルや解約といった事態にまで発展してしまうかもしれません。そもそもこうした環境は、顧客だけでなくあらゆる関係者にとってストレスになります。
しかし、心配は要りません。関係者間で発生するさまざまなやり取りを包括的に管理できれば、スムーズにプロセスを進めていくことができます。それを実現する手段として急速に台頭してきたのが、グループメッセージです。グループメッセージを使うと、コミュニケーションが効率化され、的確かつ効果的なやり取りがリアルタイムで行えるようになります。これを実現するための最初のステップとしては、まず自社で使用しているプラットフォーム上にグループで会話できる場を用意する必要があります。
雑なマーケットプレイスにおけるメッセージ活用の効果
マーケットプレイス上であらゆる関係者間でのやり取りが可能に
特にこれだけ多くの人がかかわる状況では、必要以上にコミュニケーションを複雑にするのは賢明ではありません。エンドユーザーが自社のプラットフォーム上で提携企業と直接話ができるのであれば、サポート担当者は基本的にやり取りに介入する必要はありません。たとえば食事の配達状況についての問い合わせなら、顧客と話すべき相手は、配達担当のドライバー、あるいは食事を用意する提携先のレストランだけでよいのです。
マルチパーティーメッセージを導入するメリットとしては、「自社のプラットフォーム上で一貫してシームレスなカスタマーサービスを届けられる」という点に注目が集まりがちですが、実は運用面でも大きなメリットがあります。エンドユーザーと配送ドライバーが一貫して同じスレッド上で直接やり取りできるようになっていれば、サポート担当者は、自分が介入した方がスムーズなときにだけ会話に加わればよくなります。つまり、毎回のように会話に参加する必要はありません。両者間のやり取りに逐一反応する必要がなくなれば、担当者は個別の対応が求められる複雑な問い合わせに注力できるようになります。
グループメッセージなら提携企業とのコラボレーションも簡単
複数人のグループでメッセージをやり取りできると、複雑なサプライチェーンでの物流管理や、本部と現場従業員とのコミュニケーションがスムーズになり、チームでうまく連携しながらあらゆる状況を乗り切れるようになります。大規模なチームになると、目的に応じて少人数のグループをいくつも編成し、それぞれの関係者どうしがリアルタイムで連絡をとり合えなければなりません。たとえば、特定の地域の配送ドライバーにポリシーの変更に関する情報を共有したい、一部のベンダーに今後のキャンペーンの注意事項を伝えたいといったケースがあるはずです。
配送ドライバーを例にすると、道路の通行止めはドライバーにとって命取りであり、そうした状況が発生しているのであれば、すべてのドライバーに即座に詳しい情報が共有されなければなりません。このとき、グループメッセージが利用できれば、自社のプラットフォーム上で、対象地域のドライバー全員にすばやく手軽に情報を伝えることができます。
ユーザーどうしの活発なコミュニケーションを通して、顧客のロイヤルティが向上
顧客と親密な関係を築くことは、成長中の企業における課題の1つです。これは特に、多くの関係者が絡んでいるマーケットプレイスにとっては難しい課題です。顧客とのつながりを深めてロイヤルティを向上させるには、グループメッセージを活用して、「編み物」「住まいのDIYプロジェクト」「お家で作るグルメ料理」などの特定のトピックを中心に顧客どうしで会話できる場を設けると効果的です。
実際、Amazon、eBay、Etsyといったeコマースマーケットプレイスでは、ユーザーグループが集って、上記のような身近な話題をテーマに気軽に会話を楽しんでいます。「住まいのDIYプロジェクト」というカテゴリの中でも、収納家具のカスタマイズに情熱を注いでいる人とカーテンを自作している人なら、話したい内容が若干違ってくるため、どんどんトピックが広がっていくというのも興味深いポイントです。
また、こうした会話がすべて企業のプラットフォーム上で行われれば、さまざまな層や地域に広がる顧客ベースについて、有意義な情報を入手し、的確に実態を把握できるようになります。
食事宅配アプリを頻繁に利用しているAさんを例に考えてみましょう。Aさんの目標は、東京23区内のピザ屋全店を制覇することで、まさにこのアプリのヘビーユーザーと言えます。Aさんは、都内のユーザー向けグループ「ピザ愛好家」に参加しており、他のユーザーと食レポやお気に入りの店を共有したり、気になる話題があれば専用のコミュニティを作って情報を交換したりしています。宅配アプリを提供する企業側も、受注が増えたり、顧客の声から新たなアイデアが見つかったりと、売上の向上につながっていることから、こうした仕組みにメリットを感じています。
コミュニケーションの活性化はロイヤルティの向上につながる
あらゆる関係者間のコミュニケーションをスムーズにすることは、シームレスなカスタマーエクスペリエンスを実現するうえで欠かせないステップの1つです。しかし、これは決して多大な努力を要することではありません。グループメッセージが頼もしい味方となってくれます。複雑なビジネスエコシステム内でも、すべての関係者が使い慣れたメッセージ機能でやり取りできれば、コミュニケーションに関する障壁は既に1つ解消されたようなものです。