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カスタマーサービスでFacebook Messengerを活用する方法

現在、企業への問い合わせ手段としてメッセージングの人気が急上昇しています。 この記事では、Facebook Messengerを活用してカスタマーサービスの満足度を向上させる方法と、そうすべき理由をご紹介します。

著者: Patrick Grieve, 寄稿者

更新日: 2024年1月30日

新型コロナウイルス感染拡大の初期に始まった新たな習慣はいくつもありますが、すべてが今も続いているとは限りません。例えば、マスクや消毒液を見るたびに買い込むという人は、もうあまりいないのではないでしょうか。 しかし、カスタマーサービスに関しては、コロナ禍で生まれた習慣の中で今も根強く続いているものがあります。

Zendeskのカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2021年版によると、顧客の64%が、昨年から新しいサポートチャネルを使い始めています。 そして、そのうちの73%が、今年以降も引き続きそのチャネルを使用する予定だと回答しています。

また、同レポートによると、新規ユーザーが利用するチャネルとして最も大きな伸びを見せたのはメッセージングアプリで、これは2020年に最も成長率が高かったチャネルでもあります。 そして、昨年以降、お気に入りのチャネルとしてFacebook Messengerなどのメッセージングアプリを挙げた顧客の割合は、110%増加しています。

Facebook Messengerによる顧客対応が急増したのは、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックがきっかけでしたが、顧客がこのチャネルへの愛着を強めているのは明らかです。したがって、企業もメッセージングアプリを積極的に活用する必要があります。

カスタマーサービスでFacebook Messengerを活用すべき理由

パンデミックによってカスタマーサービスが大きく変化する以前から、カスタマーサービスでメッセージングチャネルを使用するもっともな理由は数多くありました。

チャットアプリ内メッセージ、そしてFacebook MessengerのようなSNSチャネルは、通常、電話などの従来のチャネルよりも管理コストが抑えられます。 また、メッセージングチャネルなら、自動化も、FAQやヘルプセンターといったセルフサービス用チャネルとの統合も簡単に行えます。 またメッセージングならサポート担当者は同時に複数の顧客とやり取りできるため、電話では不可能なレベルのマルチタスクが可能になります。

顧客から見ても、他のチャネルと比べて、メッセージングは比較的手間なくスピーディに連絡できるため、 つまりメッセージングは、スピードとアクセシビリティの両方を一度に向上させるのです。

Zendeskの製品エキスパートを務めるPaul Lalondeは、次のように話します。「メッセージングは、顧客の好むチャネルでやり取りできる優れた手段です。 Facebook MessengerのようなSNSアプリなら、大勢の顧客にリーチできます。 さらに、顧客にとっては日常的に使用しているチャネルなので、企業にもメッセージングを使って連絡をとるのは、顧客にとってごく自然なことです」

Facebook Messengerは、北米で最も人気の高いメッセージングアプリで、全世界でもWhatsAppに次ぐ人気を誇っています。 このプラットフォームを通して友人や家族とコミュニケーションをとっている人は10億人以上にのぼり、これほど人気のチャネルを活用しない手はありません。

さらに、Facebook Messengerは、公開型のSNSチャネルと比べ、より直接的で1人ひとりに合わせたサポートを行う余地があります

Lalondeは次のように注意を促します。「たとえば、カスタマーサービスでトラブルがあり、訴訟問題につながってしまったとします。その一連の経緯を公の場で見られてしまうのは抵抗があるはずです。 こうした問題は、Facebook Messengerのような1対1の場で対応できるようにするのが理想的です」

「Facebook MessengerのようなSNSアプリなら、大勢の顧客にリーチできます。 さらに、顧客にとっては日常的に使用しているチャネルなので、企業にもメッセージングを使って連絡をとるのは、顧客にとってごく自然なことです」Paul Lalonde(Zendesk、製品エキスパート)

Facebook Messengerをサポートチャネルとして使い始める方法

Facebook Chat とFacebook Messengerは同じものではありません。これはよく頭に入れておく必要があります。 Messengerは、Facebookの主力となるメッセージング機能です。 一方、Facebook Chatは、基本的に企業のWebサイトにMessengerを埋め込むためのチャットプラグインを指します。

顧客はわざわざ企業のWebサイトを訪れなくても、その企業とMessengerを通して連絡できるようになります。 顧客がFacebookにログインしているか、スマートフォンにMessengerアプリをインストールしていれば、いつでも連絡が可能です。

かと言って、サポート担当者側が自社のFacebookページに1日中ログインしている必要はありません。 最低限、以下の点にだけ対応しましょう。

ステップ 1: Facebook Messengerを統合型ワークスペースに接続させる

近年、カスタマーサービスでMessengerを利用することはきわめて簡単になりました。

Lalondeは次のように話します。「以前は、わざわざFacebookのポータルにログインし、ビジネス向けMessengerを使用して顧客に返信しなければなりませんでした。 しかし、それから改善が進み、Facebookは現在、あらゆるCRMシステムに統合可能なオープンプラットフォームを提供しています」

Facebookは、Zendeskにもわずか数分で統合できます。 統合が完了すると、Messengerは、他に接続されているチャネルと同様にサポート担当者用の統合型ワークスペースに表示されるようになります。

CXとFacebook Messenger

すべてのチャネルが1か所に表示されるため、担当者はダッシュボードを切り替えずに済み、迅速なサポートを提供できます。

また、Zendeskのエージェントワークスペースには、自社が収集している顧客データも余すことなく表示されます。 連絡先、希望する対応言語、現在の状況といった顧客の背景情報を把握できるため、担当者はチケットに即座に対処できます。

Lalondeはこう話します。「こうした作業環境は、関係者全員のメリットにつながります。 よりシームレスなエクスペリエンスを提供できるため、まずは顧客にメリットがあります。 そして、すべてが1か所に集約されるため、いくつもの異なるツールをバックエンドで処理する必要がないという点で、サポート担当者にもメリットがあります」

ステップ 2: 自動化を活用して業務効率を高める

Facebook Messengerでのサポート業務を最大限に効率化したいのであれば、次は自動化に取り組みましょう。

「メッセージングチャネルなら、カスタマーサービスでの諸々の対応に自動化を取り入れられます。 メッセージングチャネルを使う顧客は、ある程度ボットとのやり取りが発生することを想定しているものです」(Lalonde)

チャットボットは、よくある質問に回答したり、問題解決に役立ちそうなナレッジベースの記事を提案したりするようにプログラミングできます。 そして、ボットが問題を解決できない場合は、サポート担当者にチケットを転送することができます。 担当者はその後、Messengerでのやり取りを確認することで、シームレスに会話を引き継ぐことができます。

Lalondeは次のように説明します。「ボットは言わば最初の防衛線であり、できるだけサポートチームに問い合わせが来る前に、顧客が自分で問題をすべて解決したり、最初の段階だけでもセルフサービスを利用したりできるようにします。 そうすれば、解決すべきチケットの数が減るため、担当者はもっと複雑な問題に注意を向けることができます。 また、結果的に担当者が対応することになっても、ボットを使っていれば、問題解決に必要な背景情報をゼロから収集する必要がなくなります」

自動化を活用すれば、消費者とサポート担当者の双方にとって、全体的にすばやく手軽で効率的なカスタマーエクスペリエンスが実現します。

サポートチームが押さえておきたい、Facebook Messengerでの顧客対応に関する4つのヒント

各サポートチャネルには、それぞれ独自のベストプラクティスがあります。 たとえば、電話での顧客対応に必要とされるソフトスキルが、そのままメールでの対応に適用できるとは限りません。

Facebook Messengerをサポートチャネルとして使用する場合は、次の点に留意しましょう。

  1. 会話の流れをつかむ

    メッセージングチャネルで企業に問い合わせをする場合、顧客が最初にやり取りする相手は恐らくボットでしょう。 その後、担当者のサポートが必要になったときには、自動応答から担当者による対応への移行がスムーズに行わなければなりません。

    「顧客は、ボットと話した内容をサポート担当者が把握していることを期待しています。 したがって、最初に顧客に話しかける際に、『どんなことでお困りですか?』と質問してはいけません。 それまでのやり取りを確認したうえで、『〇〇についてお困りなのですね』と切り出すようにしましょう」(Lalonde)

    ボットから対応を引き継いだ担当者は、ゼロから新しい会話を始めるのではなく、今までの会話を継続させるといった意識で対応に臨む必要があります。 とにかく、顧客は同じことを繰り返し説明したくないのです。 そして、たとえボットから担当者に移行しても、全体を通してシームレスな会話型のサポートエクスペリエンスを提供できなければなりません。

  2. (顧客の返信速度にかかわらず)すばやく応答する

    多くの顧客は、非同期型のコミュニケーションツールとしてメッセージングを使用しています。 忙しいときにサポート窓口に電話して、クラシックの保留音楽を聞きながら延々と対応を待ち続けるのは、時間の無駄に思えてしまいます。 それよりかは、Facebook Messengerで質問を送っておき、さっさと他の用事を済ませたいと考えます。 ただし、メッセージングを使用する顧客が迅速な回答を求めていないと考えるのは間違いです。

    Lalondeは次のようにアドバイスしています。「メッセージングの場合でも、顧客から問い合わせがあったらリアルタイムで回答すべきです。

    20分間、顧客からまったく反応がなくても、問題はありません。 しかし、顧客から質問を受けた後に、サポート担当者が20分間反応しないのは問題です」

    「Facebook Messengerの利用は関係者全員のメリットにつながります。 よりシームレスなエクスペリエンスを提供できるため、まずは顧客にメリットがあります。 またサポート担当者にとっても、すべてを1か所で管理できるのは大きなメリットになります」Zendesk製品エキスパート、Paul Lalonde(Zendesk、製品エキスパート)

  3. 最初に見込み時間を示す

    自動応答を活用すれば、企業はメッセージングチャネルを通して、24時間年中無休のカスタマーサービスを提供できます。 しかし、人間のサポート担当者が常駐しているわけではない場合は、そのことを正直に知らせる必要があります。

    Facebook Messengerで営業時間外に問い合わせがあった場合は、ボットを通じてサポート担当者が対応できる時間帯を伝えます。 それと同時に、顧客の役に立ちそうな記事や自己解決につながるセルフサービス用のチャネルをボットから勧めるようにしましょう。

    担当者が即座に応答できない場合は、「通常〇分以内にご対応いたします」などと伝えると丁寧です。 所要時間や見込み時間を伝えることで、顧客が回答を待っている間の不安を和らげることができます。

  4. Messengerの機能を存分に活用する

    Lalondeは次のように話します。「メッセージングは、他のチャネルよりもパーソナライズされたエクスペリエンスを提供できる優れた手段です。 そして、Facebook Messengerには、メッセージングに関する機能やオプションが豊富に備わっています」

    Messengerの視覚的要素は、カスタマーサービスに最適です。 たとえば、顧客は製品の不良について、写真や動画を添えて説明することができます。 担当者も、解決策について説明する際に、スクリーンショットや図などの視覚資料を活用できます。

    また、Facebookのカルーセルを使えば、関連するナレッジベースの記事を選べるようにするなど、顧客がさまざまなオプションを選択できるようにすることが可能です。 さらに、絵文字やスタンプを使用すれば、顧客とのやり取りに温かみを持たせることもできます。

    「メッセージングと違ってあらゆる顧客情報にアクセスできないチャネルだと、顧客との会話がまるで噛み合わなくなってしまう可能性があります。 状況に沿ったサポートを提供でき、顧客にも人気のあるチャネルであることから、サポート担当者はメッセージングを好んで使用しています」(Lalonde)

    メッセージングを主要なサポートチャネルとして活用しましょう

    手軽かつシンプルでパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供するうえで、Facebook Messengerは有効な(そして人気の高まっている)手段の1つです。 Webサイトおよびアプリ内のメッセージング機能や、Twitter、Instagram、WhatsAppといったSNSチャネルなど、他の多くのメッセージングチャネルも同様です。

    Zendeskは、数多くのメッセージングチャネルに対応し、それらすべてを単一のエージェントワークスペースに統合することが可能です。 まずは顧客が好むサポートチャネルに対応し、そのチャネルを通じて、充実した会話型のエクスペリエンスを顧客に提供しましょう。

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