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先行き不透明な世界におけるナレッジマネジメントの活用法
世界が変化し続けていることは、疑う余地がありません。ナレッジを味方につけて、セルフサービス型サポートを活用すれば、顧客が必要な時に必要な情報を活用できるようになります。
更新日: 2024年2月22日
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、企業も顧客も情報の力を実感しています。企業のヘルプセンターやFAQのページで情報やリソース、手順を見つけられれば、物事を進めていくうえで助けになります。たとえわからないことが多く残っていたとしても、少なくとも立ち止まることはありません。
世界が今後も変化し続けることは必至です。どんな展開になったとしても、企業として顧客への情報提供を怠ることはできません。この記事では、企業がナレッジマネジメントシステムをどう役立てられるかをご紹介します。
必要な情報をすばやく届けられる
危機的状況に見舞われた時のために、重要情報と最新状況を顧客や利害関係者に知らせられるようにしておく必要があります。新型コロナウイルス感染症の場合のように、間違った情報を伝えると人の健康が脅かされるような状況では、特にこれが大切です。
コロンビアに拠点を置くデザイン・コミュニケーション・教育コンサルタント企業のFluytは、「知識は力」であり人命をも救うことを認識しています。Fluytはパンデミックで問い合わせが増えたことを受けて、サポート担当者と話すために電話で順番を待たなくても、信頼できる情報を自分で見つけられるオンラインリソースの構築を目指しました。
しかし、ほどなくして、危機に見舞われる中でアプリやウェブサイトを白紙の状態から作り上げるのは無謀な試みであったことに気づきます。そこでFluytが採用を決めたのが、ZendeskのTech for Goodプログラムです。
Zendeskでコンテンツハブを構築して、短期間のうちにmasuno.appの公開を果たしました。masuno.appでは、デビュー当初から40人以上のボランティアが、精神医学に関する内容から危機的状況に積極的に対応する非営利団体の紹介に至るまで、様々な記事のデザイン・起草・発行を支援しており、これまでに公開された記事の数は実に200を超えています。
サポートに問い合わせる前に顧客を支援できる
ナレッジマネジメントソリューションは、カスタマーサービスの問い合わせが急増した場合にも役立ちます。パンデミックが発生して最初の数か月の間に、カスタマーサービスの問い合わせが急増した企業は少なくありません。
Discordは、音声、ビデオ、テキストを使って簡単にグループコミニュケーションできる無料のサービスです。屋内退避令が発行されると、Discordへの問い合わせは3倍にまで膨れ上がりました。Zendeskのセルフサービスツールに投資していたことも功を奏して、Discordでは、急増する問い合わせにも少ない労力ですみやかに対応できました。
何らかのセルフサービス型ソリューションを利用しなければ規模拡張は不可能だと理解しているので、かなりの投資をしています。
「Discordのプラットフォームは初めての利用者が非常に多いため、頻繁に問い合わせを受ける質問がありました。こうした質問に対する回答をセルフサービス型サポートで提供することが、サポート担当者が対応しなければならないチケットの発行を遮るうえで役立っています」と、Discordでカスタマーエクスペリエンス・コミュニティ管理担当ディレクターを務めるDanny Duongは言います。
Discordでは、この種の情報をセルフサービス型サポートやAnswer Botの自動化された会話の中で提供するようにして、顧客が必要な情報を見つけられるように支援しながら、サポート部門の業務効率を維持しています。
「何らかのセルフサービス型ソリューションを利用しなければ規模拡張は不可能だと理解しているので、かなりの投資をしています。時間がかかるわりに実益の少ない作業を少しでも減らすことができるのであれば、投資をためらいません」とDuongは言います。
変化を続ける顧客の習慣にいち早く対応できる
危機的状況にあるかどうかに関係なく、顧客のニーズは頻繁に変化します。オンライン学習プラットフォームKhan Academyのサポート部門は、学校の年間予定に合わせてカスタマーサービスへの問い合わせが増減することには慣れています。
それでも、新型コロナウイルス感染症が発生した時の問い合わせの増加は非常に激しいものでした。カスタマーサービスへの保護者からの問い合わせは1200%増え、教師からの問い合わせも750%にまで上昇したのです。その一方で、プラットフォームを利用した合計学習時間も前年比で150%という伸びを見せていました。
Khan Academyのサポート部門では、幸いにも、ナレッジベースとコミュニティフォーラムを設けて、体制を整えていました。しかも、コミュニティフォーラムのメンバーが、Gatherを使って質問の回答を投稿し合うことを奨励しているほどでした。
コロナ危機を受けて、Khan Academyはリソースの充実を図るとともに、外部のサポート体制を2倍に強化しました。柔軟性に富むセルフサービス型ソリューションを活用するKhan Academyは、変わりゆく顧客のニーズにも、絶えず変化する世界にも、これまで以上にうまく順応していく準備が整っているといえます。
知識は力なり
知識は力です。困難な状況が続く今、単に問い合わせを減らそうとするのではなく、顧客を助けるために正確な情報を利用しやすい形で提供している企業は、いつまでも顧客の記憶に残ります。こうした対応をしている企業こそ、企業として長きにわたって繁栄していける絶好のポジションにいるといえます。