タスク管理は、業務を効率化していくうえで欠かすことのできないものです。これはカスタマーサポート業務においても同様です。むしろ、決まった取引先とのやり取りが中心の部署に比べて、日々、多くのお客様を相手にするカスタマーサポートにとってのタスク管理はより重要度が高いともいえます。そこで今回は、カスタマーサポートにおけるタスク管理が「どういったものなのか?」、また「どういったメリットがあるのか?」、「何に注意する必要があるのか?」について考察していきます。
カスタマーサポートにおけるタスク管理とは?
タスク管理とは、「やるべきこと」をすべて洗い出し、管理することです。ビジネスにおけるタスク管理は大きく分けて、
個人のプロジェクトやルーチンワークに関するタスク
チームや部署のプロジェクトに関するタスク
の2つに分類できます。さらに、これを「本日中」「今週中」「月末まで」などの期間に区切って管理します。ここでは、「カスタマーサポートのタスク管理とはどういったものなのか?」について具体的な事例を紹介します。カスタマーサポートは「数をこなせばよい」という職種ではないため、基本的には「漏れなく効率的に対応する」という目的に対するタスクになります。
スタッフ個人のタスク
カスタマーサポートにおけるスタッフの個人個人がスキルアップするためのプロセスとして、いくつかのタスクが存在します。それらは以下のようなものが挙げられます。
自社の商品・サービス知識を習得する
お客様からの問い合わせで、すぐに回答できないものを内容別に分類し、それぞれの担当者に連絡する
他のスタッフから引き継いだ問い合わせに対応する
他のスタッフへ引き継ぐ業務のメモを残す
チームや部署のプロジェクトに関するタスク
チームや部署のプロジェクトに関するタスクは、基本的には個人では処理できない、チームで対応すべきタスクとなります。具体的には、以下に紹介したような「全体のスケジューリング管理」が中心となります。
個人で対応できない問い合わせや、専門部署への確認が必要な問合せなどに対して、問合せを受けてから誰がいつ対応して返答ができるのかまでのスケジューリングをする
スタッフのスケジュール管理と並行して、講習会や引き継ぎのスケジューリングを行う
タスク管理を行うメリット
タスク管理をするにあたり、大切なことは「やるべきこと」の把握です。そのうえで、タスク管理を行うメリットは色々とありますが、なかでも以下の4点は業務効率化やリスク管理に大きな効果を発揮します。
いま、やるべきことが明確になる
「やるべきこと」をすべて書き出すことで、いま、やならなければならないことが明確になり、無駄な業務に費やす時間を削減できます。
優先度が決まると業務の効率化が図れる
「やるべきこと」をすべて書き出し、それぞれのタスクに期間を定めれば、優先度が決まります。その結果、「どのタスクをどういった流れで進めていけばよいか」が見える化でき、業務効率化が図れます。
「やるべきこと」を書き出すとミスを削減できる
「やるべきこと」をすべて書き出せば、後回しにしたタスクの「やり忘れ」や「やり残し」といったミスが減り、お客様を必要以上に待たせてしまうリスクが軽減されます。
仕事の引き継ぎがスムーズになる
「誰に何を引き継ぐか」を情報として残すという作業も、管理するタスクとして含めておけば、最低限の説明だけで引き継ぎが済み、すぐに業務に入ることができます。
タスク管理を行うために必要なこととは?
カスタマーサポートには次から次へと「お客様からの電話」が来るため、タスク管理をして計画を立てても、その通りに作業を進めていけるとは限りません。そこで、カスタマーサポート業務でタスク管理を失敗させないために必要な3つのポイントについて紹介しておきます。
急な仕事が入っても対応できるように、計画に幅を持たせる
「やるべきこと」を書き出し、優先度を決めたとしても、いつ急な問い合わせが入って来るかわからないため、スケジュールにある程度の幅を持たせるようにします。
重要度や緊急度だけでなく、「人に任せられる」も加味して優先度を決める
カスタマーサポートでは、すべてを一人でこなそうとすると必ず無理が生じます。周りの状況をよく見て、他のメンバーと協力しながら業務を進めていくようにします。
スタッフ間でタスクを共有できるように、紙ではなくパソコンやツールを使う
タスクの共有や引き継ぎを行う際に、「紙に書いたメモ」では不便です。必要人数分の資料を用意する時間や用紙代などのコストがかかり、ムダも増えます。そうしたリスクを避けるため、デジタルデータを共有できるツールを使ってタスク管理を行えば、業務をさらに効率化できます。
まとめ:煩雑なカスタマーサポート業務を効率化するタスク管理
お客様対応が業務の中心になるカスタマーサポートでは、自分が立てた計画通りに業務を進めていくことは非常に困難です。そのため、タスク管理をしようと思っても途中で有耶無耶になってしまい、そのまま放置してしまっている、という方が多いのではないでしょうか。しかし、タスク管理をしなければ業務はさらに煩雑になり、ミスを起こしやすくなってしまいます。
解決策のひとつとして、出社時や業務終了時など「タスク管理をする時間」を先に決めてしまい、そこで集中して行うようにします。この際のポイントは、急なタスクが入ったときでも柔軟に対応できるように、計画を詰め込み過ぎないことです。また、すべてを自分でやろうとはせず、人に任せられることは任せるようにすると、より効率的になります。