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Reverb:Zendesk Guideで顧客の心に響くセルフサービスを実現

更新日: 2024年2月22日

音楽機材のオンラインマーケットプレイスを運営するReverbは、顧客のニーズに先回りで応えられるよう、完全なオムニチャネル型のカスタマーサービスを提供しています。同社では、セルフサービスの変革を目指して、ナレッジマネジメントを一段と強化しており、テクノロジーをうまく活用しながら見事な成果を生み出しています。

米国シカゴを拠点とするReverbは、オンライン上でミュージシャンどうしが音楽機材の売買や情報収集を行える場を提供しています。そこでは、憧れの有名ブランドのベースから、伝説のドラマーが愛用していたドラムセットまで、多種多様な商品が取り引きされています。音楽を愛する同社の従業員たちも、そうしたユニークなアイテムには目がありません。しかし、彼らにはそれに劣らず情熱を傾けていることがあります。それは、優れたカスタマーサービスの実現です。実際、従業員たちは、セルフサービス型プラットフォームを構築したことが同社の事業拡大につながったと考えています。

商品の買い手と売り手の双方をビジネスの対象とするReverbでは、自社の顧客ベースに合わせたセルフサービス型のエクスペリエンスを展開しています。同社では、カスタマーサービスにZendesk Guideを導入しており、導入後間もなく、1日に350件以上届いていた問い合わせのメールを150件にまで減らすことができました。同社のカスタマーエンゲージメント担当ディレクターを務めるDaniel Santrella氏は、「無理なく対応できる件数に落ち着きました」と話しています。

また、同社ではZendeskのマーケットプレイスを最大限に活用しています。セルフサービス用コンテンツの作成や改善にナレッジキャプチャーを使っているほか、Linked TicketやWeb Widgetも利用しています。同社の推定では、Web Widgetを使ってヘルプセンターを検索しているユーザーは3,500名にのぼり、顧客がヘルプセンターを検索した後でサポートチケットを作成する割合は10%に満たないとされています。このように、Web Widgetのおかげでセルフサービス型プラットフォームの効果が高まり、カスタマーエクスペリエンスを大幅に改善できたことから、Santrella氏は「もはや手放せない機能」としてWeb Widgetを高く評価しています。

同社のサポートチームは、こうしたテクノロジーを活用して、ナレッジマネジメントとFAQに関してもユニークかつダイナミックなアプローチを採用しています。たとえば、Webサイトの中でも目立つ部分に問い合わせの多いFAQを表示させて、別の製品を検索するとFAQの内容も変わるような仕組みにしています。さらにカスタムの自動化機能も追加して、「売り手に連絡するには?」などのよくある質問については、ヘルプセンターへのリンクが表示されるようにしています。

Santrella氏は次のように述べています。「こうした自動化機能の導入によって、全体のチケット数が減少しただけでなく、1つひとつのチケットについてじっくり考えられるようになりました。今では、各チケットでユーザーがどういった情報を見つけられなかったのか、毎回振り返る時間がとれています。そうした些細なことでもお客様やチームと共有すれば、情報を見つけやすくするヒントが見つかるかもしれません」

Reverbのサポートチームは、決して顧客に問題の解決を丸投げすることはありません。強力なナレッジベースを基に、きめ細やかなサポートが必要な場合には人間の担当者が介入して、顧客と1対1の関係性を築くことに成功しています。その結果、平均顧客満足度は94%から98%近くまで向上しました。

Santrella氏は次のように話します。「お客様が個別の対応を望んでいる場合は、サポート担当者がすぐに介入できるようにしています。複雑な問い合わせも多いですが、担当者は熱心に問題解決に取り組んでいます」Reverbのカスタマーエンゲージメント運用担当マネージャーを務めるCrawford Philleo氏も、次のように述べています。「サポート担当者は、本当に人手が必要な問い合わせにのみ注力できるようになりました」

Reverb Zendesk customer service
 

同社では、ワンタッチチケットの数が減少していくにつれて、サポート担当者の役割にも変化が見られています。たとえば、顧客がいつでも必要なときに正しい情報を入手できるように、ナレッジベースのコンテンツを管理することも新たな役割の1つです。また、チームリーダーがサポート業務の合理化を進めたことで、サポートチームの生産性とモチベーションは大きく向上しています。

「チームは1年半前までうまく機能していませんでした」Santrella氏は、過去を振り返りながらこう語っています。「当時からメンバーのやる気は十分でしたが、全体的に業務量が多すぎる状態でした。今は、1日の中で問題なく調整できるくらいに落ち着いています」

Santrella氏は、今後の課題として、ナレッジキャプチャーアプリのさらなる活用方法を模索したいと考えています。既にナレッジキャプチャーアプリは、修正の必要な記事や新たに作成した記事を品質管理チームに共有するうえで、サポートチームに活用されています。

Reverbでは、ヘルプセンターの検索履歴を、チケットの件数や内容と相互参照しながら掘り下げるという取り組みが、サポート担当者によって進められています。そこでは、ワンタッチチケットやヘルプセンターの検索結果の分析に、Zendesk Guideが活用されています。また、毎週サポート担当者との個別面談も実施しており、定期的に担当者から気づきを挙げてもらうことで、ナレッジの共有を業務プロセスの一部として組み込むようにしています。

さらに同社は、今後のセルフサービス型サポートに関する戦略の一環として、FAQページにおけるユーザー行動の分析にも取り組んでいます。FAQページでのユーザー行動は、Webサイト内の別ページへのトラフィックにつながるため、そのデータを分析すれば、ユニークな活用事例やサポート用の動画をナレッジベースに追加するなど、FAQページのユーザーに適した新たなサポート手段が見えてくる可能性があります。

「当社がここまで成長できたのは、単にヘルプセンターを立ち上げたからではなく、そこで真に優れたコンテンツを提供してきたからです」とSantrella氏は話します。

このようにReverbでは、Webサイトの閲覧プロセス全体にセルフサービス型サポートをスマートに統合させ、ヘルプコンテンツにはカスタマーサービスツールを活用することで、顧客とサポート担当者が常に適切な情報を入手できる仕組みを実現しています。

こちらの記事でReverbの導入事例をさらに詳しくご紹介しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

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