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不況時でも顧客を維持する方法

景気が停滞していても、特定の手段を講じることで、既存の顧客を維持するだけではなく、増やすことも可能になります。 すべてのチャネルにおいてスムーズで、パーソナライズされたCXを提供して、顧客との関係を深めましょう。

著者: Teresa Anania, Zendesk、グローバルカスタマーサクセスSVP

更新日: 2023年1月27日

顧客の損失は一大事です。 新型コロナウイルス蔓延時に業務のオンライン化が進みましたが、多くの企業が顧客との距離感に悩んでいます。 顧客とつながるために使用するツールが、カスタマーサービスを提供する上で足かせとなることもあれば、プラスに働くこともあります。

幸いにも、顧客をより深く、より有意義に理解する上で有効なさまざまなデジタルプラットフォームが開発されています。 また、顧客ロイヤルテを向上させる取り組みが、大きな成果をもたらすことも実証されています。 ベイン・アンド・カンパニーのFrederick Reichheld氏が実施した調査により、顧客維持率を5%増加させることで、長期的に25%以上の利益アップを見込めることが明らかになっています。

好不況に関係なく、つながり作りは重要

企業とコミュニケーションを取る際、顧客は気持ちの通じ合える、人間味のある対応を求めます。 同時にそれまでのやり取りの内容が正しく会話に反映されることを期待しています。 あらゆる関係に共通することですが、顧客はとりわけカスタマーサービスエージェントに対しては、同じ情報を繰り返し伝えることを嫌がります。

パーソナルなサービスを提供することで名高い高級ホテルブランドのフォーシーズンズホテルズアンドリゾーツは、この点をよく理解しています。 フォーシーズンズホテルズアンドリゾーツでCIOを務めるMarco Trecroce氏は、Zendeskとの提携を経て、メッセージングプラットフォームのSunshine Conversationsの導入を決断しました。 現在、フォーシーズンズのエージェントは、過去の利用履歴をもとに、ゲストが希望する言語で、アップグレードやスパの利用案内、追加のアメニティの提供を容易に提案できます。

「このテクノロジー製品の導入は、当ホテルのゲストから共感を得られたと私は考えています」とTrecroce氏は述べています。 さらに同氏は「メッセージングは会話そのものであり、このテクノロジーの素晴らしさはこの点に集約されています。 会話型のコミュニケーションに移行すると、ゲスト対応における仕組みややり取りが一変します。つながり、これこそが重要な点です。 この取り組みを成功させると、長期間にわたってゲストに当ホテルをご利用いただけるようになります。これ以上の望みはありません」と話しています。

ゲスト一人ひとりに特化したメッセージングは、フォーシーズンズの顧客ロイヤルティを明確に改善しました。 Sunshine Conversationsの導入以来、同ホテルブランドのネットプロモータースコア(NPS)は7ポイント増加しています。

AIで読者を維持

ピュリツァー賞を27回獲得し、150年以上に渡りニューイングランド地方で新聞を発行してきたボストン・グローブは、新聞売りの子供達が5セント以下で新聞を販売していた時代から読者に最新の情報を提供してきました。 近年、大半のボストン・グローブの購読者はスマートフォンでニュースを読み、いつでもデジタルで新聞を読める環境を期待しています。

現代の購読者に適切に対応するため、ボストン・グローブのCXチームはAIチャットボットのAdaを導入して、Zendeskに統合しました。これは、カスタマーエクスペリエンスの大幅な向上を目指した取り組みです。

Adaのプロダクトマーケティング部門でディレクターを務めるPerri Chaikof氏は「チャットボットは顧客へのサポートを最適化するだけではなく、収益増加と成長の促進にも貢献します」と説明しています。 「チャットボットは、新聞社が購読者を維持し、今後のイベントやデジタルサービスを宣伝する上で有効に作用し、その結果、収益をもたらしています」。

Adaを立ち上げて以来、ボストン・グローブは解約率を10%削減することに成功しました。 最新のプラットフォームでは、チャットボットが処理する問い合わせのうち89%はエージェントにエスカレートされず、チャットボットが解決します。その甲斐あって、オンラインチャットの件数が65%削減されました。 そのため、エージェントはより難易度の高い問い合わせに速やかに対応できるようなりました。このようなカスタマーエクスペリエンスこそが、長期的な契約を導くのです。 生産性の向上に伴い、ボストン・グローブのCXエージェントが、購読者の維持のほか、顧客生涯価値の増加を達成できる環境が整っています。

CXを見事にブレンド

SNSで話題沸騰のポータブルブレンダーメーカーのBlendJetは2017年に販売を開始し、瞬く間にD2C(自社ECチャネルで直接消費者に販売)のブレンダー市場をリードする存在になりました。 BlendJetのブレンダーは3秒に1台の早さで売れていき、カスタマーサービスチームは大勢のスムージー好きの顧客の問い合わせに対応することが求められています。

カスタマーエクスペリエンス部門VPのKathryn O’Malley氏は「自分達が望むような対応を顧客にも行う努力をしています」と述べ、 「時にはスムーズな対応ができないときもありますが、顧客に真摯に対応し、できるだけ早く問題を解決することに尽力しています」と続けました。

BlendJetのカスタマーサービスチームは5年間で3人から30人へと規模を拡大し、毎月45,000を超えるメッセージに一致団結して対応しています。 多くの問い合わせを受けるBlendJetは、Zendeskを介してメールや問い合わせフォーム、電話、SNSで寄せられるチケットを管理しています。

BlendJetはさまざまなソーシャルチャネルのデータを一元管理しており、エージェントは詳細な顧客情報と履歴にすぐにアクセスできます。 またBlendJetのエージェントは、メールおよびチャットで言葉や文章を提案して、繰り返し使用する定型文を自動入力する、スマートAI製品のTypeGenieも併用しています。

O’Malley氏は「TypeGenieは重要な戦力です。効率アップをもたらすため、たとえ問い合わせが増加しても返答時間を維持できるのです」と話しています。

TypeGenieを使用することで、エージェントはより短い時間で返答作成や誤字脱字の修正を行えるようになりました。 効率が改善されたことで、BlendJetはエージェントの生産性を30%向上させることに成功しています。

コスト削減と時間創出を両立。カスタマーサービスへの投資で大きな効果を上げるためのヒントをご紹介します。

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