顧客と直に接する販売スタッフは、顧客が示すちょっとした手掛かりから状況を察知します。たとえば、ある顧客が自分の体型に合うシャツが見つからず、たまたま面白くないことがあった日なので苛立っていると仮定します。いからせた肩、固く結んだ唇など、顧客の様子から状況を読み取り、そうした状況にある顧客に適した接客をすることができます。
顧客ごとに最適化された、すなわちパーソナライズされたサポートを提供するうえで、顧客のコンテキスト(顧客の背景情報)は重要です。ところがオンライン上で、コンテキストを窺い知ることは容易ではありません。身振りや声の調子も見えないため、その顧客に何が一番必要なのか、把握するのが困難なのです。オンラインにおける顧客のコンテキストについて、サポートチームはそろそろ真剣に考えるべきではないでしょうか。エージェントが何の予備知識もないまま問題に突入するのを避け、それぞれの顧客に合ったエクスペリエンスを提供できるようにするためです。
見えないジャーニー
カスタマージャーニーについての可視性がほとんどない、あるいは完全に欠落しているサポートチームがあまりに多いのが実情です。ほとんどのサポートチームはチケットを開始する時点で、その顧客のジャーニーに関する予備知識を持っていません。Zendeskユーザー企業を対象とした調査でも、38%の企業が、カスタマージャーニーを把握せずにチケット処理を開始していたと回答しています。
問題はそれだけではありません。サポートチームが取り扱うツールは、広範囲に及んでいます。あれでもない、これでもないと、さまざまなツールを行きつ戻りつしているうちにエージェントの時間だけでなく、顧客の時間も浪費されてしまいます。
可視性の欠落と、大量のツールの組み合わせ、これが問題解決に必要な時間を長引かせているのです。Zendeskがユーザー企業を対象に実施した調査でも、25%の企業が、Zendesk Supportの外部にある顧客データを探すために、チケット処理に余計な時間がかかっていたと回答しています。
重要なのは顧客の背景情報
カスタマーサービスをめぐる世界共通の問題である、カスタマージャーニーへの可視性の欠如。Zendeskはこの問題を解決するために、サポートチームが使用するツールの管理を容易にしたいと考えました。この発想から生まれたのが、Zendesk Supportに含まれている顧客情報カードおよびインタラクション履歴です。
顧客情報カードは、エージェントが対応する顧客についての連絡先情報、使用言語、自由形式のメモなど、その顧客に関する詳細情報を表示します。たとえば、エージェントはある顧客からの問い合わせを確認し、その顧客と以前やり取りした別のエージェントが書いた、次のようなメモを発見します。「このお客様との間では、緊迫したやり取りが数回ありました。お客様を引き留めるために、値引きを提示するのが得策と思われます。」このようなコンテキストがあれば、エージェントと顧客との対話が容易になると同時に、カスタマーエクスペリエンスも改善されます。
インタラクション履歴は、その顧客との間で過去に発生したすべてのやり取りを可視化します。この中には、今までに寄せられた問い合わせや、ウェブ行動、ショッピングカート行動などが含まれます。この2つのツールはどちらも、顧客の背景にあるコンテキストや、今までのエクスペリエンスを把握するための手段になります。エージェントの手元にある豊富な情報によって、個々の状況に合ったすばやい対応が可能になります。
シームレスなサポート
これらの新しい機能を実装してからは、Zendesk顧客企業の85%が、カスタマージャーニーを的確に理解できるようになったと回答しています。企業と顧客との間で過去に発生したやり取りを的確に理解できるようになったという回答は71%、Zendesk内部でカスタマーコンテキストが得られるようになったのでチケットのワークフローが円滑化したという回答は64%に達しています。
「インタラクション履歴と顧客情報カードの機能が使えるようになったのは、まさに夢の実現という感じです。顧客を取り巻くコンテキストが、エージェントに見えるようになったからです」と、Outreach.ioのテクニカルサポートエンジニア Isabelle Thorton氏は言います。
シームレスなオムニチャネルサポートを実現するには、顧客に関する正確なコンテキストが得られるツールをエージェントに提供することが不可欠です。サポートに関する限り、Zendeskは顧客の全体的な満足度を向上させ、エージェントが最高の生産性を発揮できるようにサポートしています。これは最終的に、企業のビジネス拡大につながります。顧客情報カードとインタラクション履歴は、シームレスなオムニチャネルサポートを前提に開発された、パーソナライズ対応を可能にするために必要なツールです。
これらのカスタマーコンテキストについての詳細は、こちらをご覧ください。