ヘルプセンター内のアクティブなユーザーコミュニティは、ユーザーどうしがつながり、アイデアを共有し、疑問を解消し合うには絶好の場です。サポート業務の拡大を要する企業にとって、こうしたコミュニティを用意することはプラスに働きます。なぜなら、ユーザーが望んでいることを最もよく理解できるのは、むろん同じ立場にあるユーザーであり、コミュニティはそんなユーザーどうしのサポートが実現する場だからです。今回は、その一例であるZendeskコミュニティについて詳しくご紹介すると共に、コミュニティがカスタマーエクスペリエンスの改善・強化にどう役立っているのかをご説明します。
ユーザーならではの知見を取り入れてサポートエクスペリエンスを拡充
たとえば、とあるユーザーが高等教育機関向けのナレッジベースの構築に臨むとして、その方法を検討する中で疑問点が出てきたとしましょう。そんなとき、Zendeskのカスタマーサービスチームやカスタマーサクセスチームに問い合わせをすれば、有意義な意見やベストプラクティスをたくさん挙げてくれるに違いありません。とは言え、最も実りのあるアドバイスをしてくれるのは、やはり同じ対象向けにナレッジベースを管理する別のユーザーであるはずです。そこで、Zendeskコミュニティを利用して質問を投稿すると、実際に高等教育機関でZendeskを利用しているユーザーから回答をもらうことができます。このように、同じ立場にあるユーザーからサポートが受けられるという環境は、特定のケースを想定してZendeskを実装する顧客にとって大きな助けとなるでしょう。
さらにコミュニティでは、同じ事例を経験したユーザーから、アイデアや具体例だけでなくハウツーやカスタムコードをシェアしてもらうこともできます。また、1つの問いに対して複数のユーザーからさまざまな視点の回答が得られる点も魅力であり、堅実なヘルプセンターや1対1のチャネルサポートに劣らず、充実したサポートが受けられます。
顧客からの情報を積極的に共有
Zendeskヘルプセンターでは、ユーザーにヒントや裏技を寄稿してもらっています。寄稿したユーザーは、自分たちの声がちゃんと届き、歓迎されていることを実感できるので、結果的にコミュニティの活性化にもつながります。ユーザーからの投稿は、コミュニティ内で常に最多の閲覧数を誇り、実際の実装に基づいた確かな情報が提供されています。たとえば、カスタムコードや問題の対策のほか、各ユーザーなりのZendesk製品の使い方のコツなどが紹介されています。
顧客からの情報提供を歓迎し、積極的に共有しようとする姿勢は、ヘルプセンターに毎月掲載される「Community Roundup」という記事にも表れています。この記事ではユーザーからの情報をまとめて紹介しており、製品の使用に関するヒントやユーザーどうしの有用なやり取りを取り上げるほか、未解決の質問への回答も呼びかけています。面白いことに、記事がアップされてから数日間は、記事内で紹介された投稿のページビューが急増します。これは、回答を書き込もうと、コミュニティを頻用する熱心なユーザーたちがこぞってページにアクセスするからです。
また、ヘルプセンター内で役に立ちそうなコンテンツを見つけ出してもらえるよう、ユーザーをうまく誘導することも忘れてはなりません。Zendeskでは、ソーシャルメディアチャネルでもCommunity Roundupの記事をシェアして、多くの人の目に付くように努めると共に、セールスやサクセスの担当者にも呼びかけて顧客や見込み客にも記事を展開しています。
ユーザーのコンテンツをナレッジベースに活用して、多様なサポートを実現
コミュニティ内で投稿した質問とその回答は全体に公開されるため、後々別のユーザーが同じ問題にぶつかっても、それを活用して自力で対処できるようになります。また、サポートコミュニティを設けることで、企業はナレッジベース内に関連度の高いユーザーコンテンツを含めることができます。ユーザーコンテンツをナレッジベースに取り込むことは、企業がナレッジマネジメントを成功させるうえで欠かせないことです。ナレッジマネジメントでは、サポート担当者や公的文書に限らず、さまざまな情報源から知識を収集・活用する必要があり、毎日製品を使用しているユーザーが集う強力なコミュニティも、その格好の対象となるからです。
コミュニティを活用したこのような「多対多」型のサポートが効果的なのは、疑いようもありません。実際、Zendeskコミュニティの月間ページビューは150,000件以上にも及んでいます。毎月数千人ものユーザーが、サポートリクエストを送るのではなく、コミュニティを利用して自力で問題を解決しているのです。
有益な知見を獲得
Zendeskコミュニティは、幅広い視点から充実したサポートを提供するにとどまらず、顧客のエクスペリエンスについて有益な知見を引き出す場としても役立っています。ユーザーがどんな問題を抱えているか、実際にどのように製品を活用しているか、今後の製品にはどんな機能を期待するかなど、顧客の率直な声を聞き出せるからです。製品マネージャーはこの仕組みを活かして、コミュニティでユーザーとやり取りし、そこで得た知見を製品ロードマップ、ナレッジベース内のドキュメント、その他のユーザー向けのコンテンツやイベントの改善に活かすことができます。
このようにコミュニティを利用すれば、ユーザーならではの知見に触れたり、顧客の声をくみ取ったりすることができます。また、サポート業務の拡大に役立てて、顧客からの有意義なフィードバックを製品ロードマップに取り込むことも可能です。つまり、カスタマーエクスペリエンスの向上を図るうえで、コミュニティは今や絶対に欠かせない存在なのです。