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リードジェネレーションとは? 意味・施策・事例を解説
いかにしてリードを獲得するか。リードジェネレーションは、コンバージョンと同じく一筋縄ではいきません。この記事では、リードジェネレーションについて徹底解説し、営業パイプラインに質の高いリードを増やすためのヒントをご紹介します。
更新日: 2024年2月22日
営業担当者の皆さんはご存じのとおり、リードを辛抱強く育成し、関係を構築し、慎重に顧客に転換していくのは非常に大変です。しかしそれ以上に難しいのが、最初に有望なリードを獲得することです。
リードジェネレーションの意味と目的
リードジェネレーションとは、潜在顧客に自社の製品やサービスへの関心を持ってもらうためのプロセスを指します。購入意欲のあるリードをスムーズに商談へとつなげるために、営業パイプラインに質の高いリードを増やしておくことが目的です。
最終的な目標は、営業担当者の負担をできるだけ軽減することです。
リードジェネレーションには大きなメリットがあります。最初から自社製品に強い興味を持っている見込み客が多くいる方が、営業活動は容易になります。しかし、リードの獲得を促進する方法を見つけるのは簡単ではありません。
リードジェネレーションは単純に見えますが、実はその戦略にさまざまな要素が含まれます。一口にリードジェネレーションといっても、顧客の関心を引き、有望なリードを選別する方法は多岐にわたります。しかし、それほど構える必要もありません。
この記事では、以下のような内容でリードジェネレーションの基本を整理し、リードジェネレーションを実施するうえでよくある疑問を解決していきます。
リードとは
Zendeskの製品マーケティング担当シニアディレクターのJosh Beanはこう説明しています。
「一般的に、リードとは会社に興味を持っていそうな人物や、顧客として適すると見られる人物を指します。たとえば、会社のWebサイトのフォームに入力した人や、購入した営業リストに(情報が)載っている人などです。少なくともメールアドレス、姓名、電話番号がわかっています」
連絡先さえわかれば、見ず知らずの相手でもたちまちリードになります。しかし、そうしたデータはそんなに簡単に入手できるわけではありません。通常、人は自分の情報を安易に提供したりしません。情報を提供してもらうためには、賢く誠実にお願いする必要があります。
リードマグネットでリードを獲得する
顧客の連絡先を入手したいなら、企業はそれと引き換えに何か価値のあるものを提供する必要があります。たとえば、初回購入時のプロモーション割引、ターゲットの業界に関連したeBook、相手が魅力を感じるような無料のリソースなどです。
このようなインセンティブは「リードマグネット」と呼ばれ、新規のリードを呼び込むうえでとても効果的です。実際、 マーケティング担当者の50%が、リードマグネットを使い始めてからコンバージョン率が向上したという報告もあります。
優れたリードマグネットがあれば、詳しい連絡先を収集できるだけでなく、潜在顧客が関心を持った理由も明らかにすることができるため、うまく活用すれば、営業チームが取引を成立させるチャンスが高まります。
リードキャプチャーフォームでリードを獲得する
魅力的なリードマグネットを作成したら、潜在顧客に情報を提供してもらう手段も用意する必要があります。「ご連絡いただければ、こちらのコンテンツを無料でお送りします」といったメッセージを添えて、自社のメールアドレスを示すだけでは不十分です。この場合、むしろバイヤージャーニーに不必要なステップを追加してしまうことになります。リードが連絡先を簡単に提供できるようにするのが最善策です。
これには、「リードキャプチャーフォーム」という、数秒で入力して送信できるオンラインフォームが有用です。カスタマイズの方法次第で、あらゆる種類の情報を収集できます。ただし、初めからあまり多くの情報を要求すると、フォームを送信する気をなくさせてしまいやすいため、注意が必要です。自社の製品やサービスを購入する見込みのある潜在顧客が、どこまでなら快く応じてくれるかを常に考え、過度に求めないようにしましょう。
リードキャプチャーフォームから情報が送信されると、提示したとおりの形でリードマグネットが相手に提供されます。
それでは、リードマグネットとリードキャプチャーフォームがどのようなものであるかを踏まえたうえで、リードジェネレーションプロセスの各段階を詳しく見ていきましょう。
リードジェネレーションの流れ
リードを獲得するためには、快く連絡先を提供してもらえるよう相手を説得する必要があります。通常、これを担当するのはマーケティングチームです。マーケティングチームは、潜在顧客にリードジェネレーションプロセスの各段階を進んでもらえるよう、魅力的なコンテンツや素材を作成します。
オーディエンスはまず、マーケティングチャネルを通じて企業のサービスを認知します。ブログ記事の閲覧、Webサイトへの訪問、SNSでのやり取りなどが認知のきっかけとなります。
次に、CTA(行動喚起)に反応します。CTAとは、オファー(リードマグネット)と引き換えにクリックを促す画像やメッセージのことです。たとえば、ダウンロード可能なゲート付きコンテンツへのリンクや、Webページ上の「無料トライアルを開始する」という大きなボタンもCTAの一種です。
CTAをクリックすると、リードキャプチャーフォームが表示されます。これに入力しないと、リードマグネットを入手することはできません。
フォーム送信後、リードマグネットにアクセスできるようになり、eBookや限定公開のデータレポートなどの価値ある情報を入手できます。企業は、提供したオファーの種類から、そのリードにどのくらいの購入意欲があるのかを推測できます。
次に、このプロセスの実例をご紹介します。
リードジェネレーションの事例
以下は、潜在顧客に情報提供を促し、関心の高い分野について有用なインサイトを得ている企業の実例です。
B2Cのリードジェネレーションの事例:無料のチェックリスト
ある高級アウトドア用品メーカーは、異なる気候に合わせて設計された3種類のキャンプテントを販売しています。この製品ラインのリードを獲得するために、マーケティングチームはリードマグネットとして、無料でダウンロードして印刷できるキャンプ用持ち物チェックリストを作成しました。
これを自社WebサイトやSNSなど、さまざまな場所で展開しています。このオファーに興味を持った消費者は、自分のメールアドレスを入力すれば、すぐに印刷可能なチェックリストをダウンロードできます。
リードマグネットの効果をさらに高めるため、マーケティングチームは、それぞれの気候に合うアイテムを盛り込んだ3パターンの持ち物チェックリストを作ることにしました。これにより、潜在顧客がメールアドレスを入力してチェックリストをダウンロードすれば、新規リードを獲得できるだけでなく、それぞれに売り込むべきテントの種類までわかるようになりました。
B2Bのリードジェネレーションの事例:無料の動画シリーズ
あるソフトウェア開発会社は、最近、ソフトウェア関連の知識に乏しいリードが多くパイプラインに入ってきていることに気づきました。このようなリードは、ごく基本的なソフトウェア機能について質問してくるため、営業担当者は説明に多くの時間を費やしてしまい、取引成立まで話を進めることができずにいました。
そこで同社は、無料の解説ウェビナーシリーズを制作することにしました。制作チームを雇い、社内のエキスパートの協力を得て、自社ソフトウェアの基本コンポーネントを解説する短い動画を10本撮影しました。名前、メールアドレス、ビジネスニーズに関する基本情報といったデータと引き換えに、潜在顧客に動画を提供するようにしたところ、より質の高いリードを獲得できるようになりました。
B2Bのリードジェネレーションの特徴
B2CとB2Bのリードジェネレーションにはどのような違いがあるのでしょうか。先ほどのリードジェネレーション戦略の例は、厳密にどちらかに限定できるものではありません。B2C企業が解説動画を作成したり、B2B企業がダウンロード可能なチェックリストを提供したりすることもあります。B2CとB2Bのリードジェネレーションの違いは、必要なタッチポイントの数と、リードにリクエストする情報の種類です。
消費者に直接販売する場合は、営業プロセスにかかわるタッチポイントが少なくなります。個人の消費者であれば、購入の際に配慮しなければならない意見や要素は多くないためです。
しかし、B2Bでは複数の利害関係者の賛同を得る必要があります。意思決定プロセスに関与する人物が多いため、さまざまな資料やより具体的な情報が必要とされます。非常に多くの情報を提供しなければならないわけです。相手からすべての情報を提供してもらうのは簡単ではありません。そのため、戦略的なリードジェネレーションに取り組む必要があります。
リードジェネレーション戦略
自社のパイプラインに最適なリードを獲得するためのリードジェネレーション戦略をご紹介します。
リードジェネレーション担当はマーケティングか営業か
リードジェネレーション担当はマーケティングか営業か
これまで見てきた事例と戦略からもわかるように、リードジェネレーションは営業とマーケティングの境界がかなりあいまいです。
営業とマーケティングのどちらが担当すべきかについて、明確なコンセンサスは形成されていません。すべてのリードジェネレーション業務を1つの部門に任せている企業もあれば、営業部門とマーケティング部門が連携しながら取り組んでいる企業もあります。
後者の企業では、リードジェネレーション用のコンテンツがセールスファネルのどこで必要とされるかによって、責任を分担しています。マーケティング部門は、エンゲージメントがきわめて低いファネル最上層に向けたコンテンツを担当します。ブランド認知向上のためのものがほとんどです。そして、リードの有望性が高まり、より多くの情報が得られるようになったら、営業部門にリードジェネレーション業務を引き継ぎます。
インバウンドリードジェネレーションとアウトバウンドリードジェネレーション
メールマーケティングも一般的なリードジェネレーション戦略の1つです。メールでリードを獲得する場合、アウトバウンドとインバウンドの2つのアプローチがあります。
アウトバウンドメールとは、企業からの連絡を希望していない潜在顧客に送るメッセージのことです。不特定多数に一方的に送るメールはコールドメールとも呼ばれ、あっさりと無視されたり、スパム扱いされたりしますが、埋もれがちな受信トレイの中でコールドメールを目立たせる工夫をしたり、無料のテンプレートを活用したりすることもできます。
一方、インバウンドメールとは、自社ブランドにある程度の興味を示したリードに送るメッセージのことです。たとえば、デモの依頼やニュースレターの登録をした人は、インバウンドメールの受信をオプトインしたことになります。これなら当然、メールを送って反応を示してもらえる確率は高くなります(ただし、関心を引くための努力は必要です)。
ポイントは、ターゲットオーディエンスが抱えている特定の課題を予想することです。そして、そのテーマに関するソートリーダーであることをアピールし、課題解決に役立つリソースを提供します。
Beanは次のようにアドバイスします。「メールでメッセージを検証してみるのも手です。たとえば、件名の異なるメールを送り、それぞれの開封率を比較します。さらに、ターゲット市場と見立てられる自社のメールリストを使ってバリュープロポジションのテストもできます。Webサイトのメッセージに悩んでいるなら、たとえば、A/Bテストを実施するのも1つの方法です。開封率を調べれば、オーディエンスの心に響く言葉がわかります」
リード獲得のためのヒント
リードジェネレーションの概要と流れを理解したところで、次は、リードジェネレーションの戦略や戦術に弾みをつけるのに役立つヒントを紹介しましょう。
リードジェネレーション企業を利用してリードを獲得する
リードジェネレーション活動の一部またはすべてを外注したいと考える企業もあるでしょう。そうしたニーズに応えるのが、リードジェネレーション企業です。多くは、ターゲット市場向けのWebサイトを運営することで、リード情報を収集しています。そして、その市場に最適な購入者を探している企業に情報を販売しています。
小規模の企業が自社のコンテンツを他のチャネルにプッシュする際にも、リードジェネレーション企業を利用すれば広範なリーチを得られるというメリットがあります。リードジェネレーション企業は、SNSやオンライン広告などのさまざまな戦術を駆使して、オーディエンスをサイトに呼び込みます。
しかし、リードジェネレーション企業に依頼するとなると、相応のコストがかかります。そのため、リードジェネレーションソフトウェアを購入して自らリードを獲得する企業も少なくありません。
リードジェネレーション用ツール
お気づきのように、リードジェネレーションには、数多くの要素が組み込まれています。さまざまなチームが関与して、資料の作成、メッセージの調整、配信戦略の策定、成果のモニタリングなどを行います。自前で取り組むならば、適切なツールを使用することが重要です。
これには、さまざまな選択肢があります。人気のリードジェネレーション用ビジネスツールには以下のようなものがあります。
Webサイト訪問者追跡ツール
メール検索ツール
ランディングページおよびリードキャプチャーフォームビルダー
チームコラボレーションおよびデータ共有ツール
フォローアップメール自動送信ツール
コンテンツ配信ツール
メールマーケティングおよび自動送信ツール
SNSおよびユーザーコミュニティ管理ソフトウェア
エンドツーエンドのCRMでリードジェネレーションを強化
リードを的確に獲得、整理、追跡し、関係を構築していくためには、Zendesk Sellのような強力なCRMを活用することをお勧めします。Zendeskのソリューションは、リードの人口統計情報、企業統計情報、チャネルに関する情報を収集し、自動的に数値スコアを付与して、MQLやSQL(営業部門でフォローすべきと考えられるリード)を特定します。
また、リードジェネレーションおよびエンゲージメントツールであるZendesk Reachでは、潜在顧客を発掘するのに役立つプロスペクティングソフトウェアを使用して、ターゲットを絞ったプロスペクトリストを作成できます。さらにZendesk Reachでは、リードのタイプや営業サイクルにおける段階に応じ、アプローチや頻度をカスタマイズしてメールを自動送信することも可能です。同時に、リード管理ツールで驚くほど簡単にリードを追跡できます。
リードジェネレーションプロセスはたくさんの要素で成り立っていますが、それらを一元化できれば、スムーズに進められるようになります。これまでよりも広範囲のリードにアプローチを開始し、ビジネスを大きく成長させましょう。