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カスタマーサービスチームにとっての有意義なAI活用方法

生産性の向上、サポート担当者の満足度向上、顧客の満足度を高めるカスタマーサービス向け生成AIツール

著者: Cristina Fonseca, 製品担当VP

更新日: 2023年10月3日

カスタマーサービスチームは、顧客の満足度を高めるために日々努力をしています。 それは、どんな状況においても、チームの最重要項目と言えるでしょう。 企業は昨今、かってないほど膨大な数のチケットや顧客問い合わせに対応しています。 これに加えてサプライチェーンの課題、人員不足、採用停止など、先行き不透明な景況にサポート担当者への負担は増すばかりです。 その結果、顧客の目には「満足のいかないサポート体制」として映っていると考えられます。

カスタマーサービスにおけるAIというと、「人に代わって対応するチャットボット」をイメージする人が多いでしょう。 しかし、それは必ずしも事実ではありません。 企業が実践するAI運用の中で特に有意義なのが、AIを採り入れたアジャイルなサービス体制の構築です。特に、大量の顧客問い合わせに対応しなければならないチームにとっては大きな意味があります。

大きな負荷を抱えたサービスチーム

サポートエージェントは、大量のチケットや何度も繰り返される作業と闘いながらギリギリの状態で仕事をこなしています。 サービスチームは顧客からの問い合わせが入ると、間違いなく処理するために多くの時間や手間をかけてそれらを分類することを強いられています。 いっぽう顧客との実際のやり取りを見ると、もっと迅速な解決を可能にするための重要なインサイトが見逃されています。 顧客対応に伴う反復作業に費やされた時間は、本来ならばより価値のあるタスクに当てることができた時間なのです。

言うまでもなく、自動化はエージェントを無くすための技術ではありません。 自動化はチームの作業負担を軽減するためのものです。 何より、顧客はいまも人による対応を望んでいます。 サービスチームを全てセンティネント(知的な)ボットに入れ替えるのではなく、AI機能を採り入れて反復作業や時間のかかるタスクを自動化しましょう。エージェントのワークフロー効率化と顧客エクスペリエンスの向上を同時に実現できます。

自動化はエージェントを無くすための技術ではありません。 その方向性は「チームの業務負担の軽減」です。

本記事では、カスタマーサービスチームの業務効率化を加速させるZendeskのAI機能を4つ取り上げてご紹介します。 1つ目は高度なボットソリューションです。CXチームを想定して「顧客の問い合わせ目的」についての事前学習が済んでおり、よりパーソナライズされた正確な応答、エージェントの生産性向上、迅速なセットアップを実現します。 2つ目は自動トリアージ。顧客メッセージの目的、感情、言語を自動的に識別しカテゴリー分類するシステムとして、 サポートチームが行っているチケット優先順位の決定やエージェントへの振り分けを自動化します。 3つ目はコンテキストパネルの分析情報で、これは顧客インサイトを表示するサポート担当者用アプリケーションとして顧客対応の効率化を支援します。 最後にご紹介するのは、マクロ提案(管理者向け)です。業務効率化を実践する上で管理者が新たに作成すべきチーム内共通のマクロ候補を、AIが提案してくれる機能です。

生成AIによるAdvancedボット

ボットは、サポート担当者の強力なパートナーです。 パスワードのリセットや返金要求など、サービスチームを繰り返しの多い問い合わせやリクエストから解放し、より価値の高い会話に集中できるようにするのに大きな威力を発揮します。 Zendeskが提供するボットは、シンプルな設定作業で全メッセージングチャネルに展開でき、カスタマイズや変更が必要になった場面でも対処に手間取りません。

Zendeskのボットは、すべてのメッセージングチャネルで簡単に設定できるだけではなく、必要に応じて簡単にカスタマイズして調整することもできます。 Zendesk AIが加わることで、これらのボットはさらに強力でユーザーフレンドリーになりました。

Zendeskのボットビルダーはコーディング不要のツールで、この適応性の強みです。 管理者は、あらかじめ設定されたメッセージやヘルプセンターの記事などを使用して、個々の顧客の問い合わせに応じてボットの応答を調整できます。 これにより、ビジネスに最適な方法で、ボットが顧客とどのようにやり取りするかを形作ることができます。

また、Zendeskのボットは生成AIを採用しており、ヘルプセンターのナレッジを利用して、正確で対話的なレスポンスを迅速に作成します。 ボットのペルソナを設定することもでき、フレンドリー、フォーマル、気さくな口調など、チャネルを問わず一貫したレベルのサービスを維持することができます。

ZendeskのAdvancedボットは、メッセージングとメールのためのインテリジェントなツールで、各業界のCXチームに特有の顧客インテントの膨大なデータベースを活用しています。 その結果、よりパーソナライズされた正確なレスポンス、サポート担当者の生産性の向上、迅速なセットアップを実現します。 これらのボットには、自動化する必要があるものを管理者に推奨するツールが装備されています。

インテリジェントトリアージ

ワークスペースに顧客からの問い合わせが表示される度に、エージェントはどの問い合わせを優先的に対応すべきか、どのエージェントに問い合わせを振り分ければよいか、いま顧客がどう感じているかなどの判断を迫られます。

経験の豊富なエージェントであれば、これらの判断を瞬時に下すことができるかもしれません。 しかし、絶えず押し寄せるチケットの波や早急な問題解決を望む顧客が待っている状況を考えると、エージェントの時間はできる限り実際の問題解決のための作業に割くべきです。

ここで、頼りになるAIの登場です。問い合わせ内容を分析し、顧客の意図や抱いている感情、言語を識別することで、問い合わせのルーティングや優先順位付けを自動的に行ってくれます。 問い合わせはそれぞれ適切なエージェントの手へと渡り、よりスムーズな問題解決につながります。

Zendeskの自動トリアージ

インテリジェントトリアージのようなAIツールは感情分析やルーティングなどを自動的に行いますが、それを支えるには大量のデータセットが必要です。 多くの企業には、顧客とのやり取りの記録からそのようなデータセットを構築するような余裕がありません。できたとしても大きな時間とコストを要する作業となります。

でもZendeskならそのような基盤になるデータセットをすでに持っているため、既存データを使って反復タスクや一般的な質問を理解するようにAIに学習させることができます。 インテリジェントトリアージを導入する企業のサービスチームは、その効果をすぐに実感できるでしょう。 インテリジェントトリアージが叶えてくれるのは、機敏な対応力と優れた効率を備えたサービスチーム体制です。

コンテキストパネルにおけるインテリジェンス機能

問い合わせのルーティング支援を目的とするインテリジェントトリアージとともに、サポート担当者はインサイトを取得したり、顧客に寄り添った効果的な方法でサポートを提供するためにAIを活用できます。 チケットのルーティングと優先度が確定すると、スマートアシストの出番。サポート担当者は顧客インサイトを収集でき、これは望ましい会話の進め方についての判断材料となります。

Zendeskのコンテキストパネルのインテリジェンス機能

また顧客との会話画面の横にエージェントが取り得る対応を自動提示することで手作業を省いてくれます。 例えば小売業者のエージェントには、返金提案のプロンプト、注文状況の更新、役に立つナレッジベース記事を送信するマクロなどを表示します。 顧客の意図、言語、感情を示すインサイトによって、サポート担当者は問い合わせ解決の最短経路を知ることができます。

コンテキストパネルのスマートアシストはサポート担当者の強力なパートナーとなって、推測にもとづく判断や反復タスクを減らし、エージェントの全般的な業務効率化を推進します。 使いやすいツールとAIによる提案の組合わせにより顧客とのやり取りがスムーズになり、大量のチケット消化や込み入った問い合わせへの対応に追われるサポート担当者の負担軽減につながります。

マクロ提案(管理者向け)

ZendeskのAIは、お客様との会話の中で関連性のあるヘルプセンター記事を表示するだけではなく、関連する記事が存在しない場合に代わりとなるテキストを作成します。 コンテンツキューは、ナレッジベース改善を目的とした、AIを搭載した使いやすい機能です。 Zendesk AIは顧客問い合わせをもれなく分析し、上位あるいは急増中の問い合わせ内容をナレッジマネジメントチームが活用できるように蓄積します。 その後、上位あるいは急増中の問い合わせ内容を示すポップアップ表示が出れば、管理者はナレッジマネジメントチームに連絡し、必要性の高いヘルプセンター記事を作成することで顧客による自己解決を促すという流れです。 生成AIはナレッジベースとして機能してコンテンツを簡単に作成し、セルフサービスを促進し、コンテンツ作成の加速化と合理化を図ります。 コンテンツのトーンをよりフレンドリーにもフォーマルにも変えることができるため、創造性の促進にもつながります。

この他のZendeskのAI機能の1つに、マクロ提案(管理者向け)があります。サポート業務の質の向上や回答提示の合理化に取り組む管理者に向け、チームで共用できるマクロ(返信/応答のテンプレート)候補をAIが提案する機能で、より速く、より一貫した返信/応答を支援する新機能となっています。 チケットや会話の分析に費やす時間を削減できるよう、AIがマクロにできそうな返信/応答を絞り込み、回答例と共に候補として示します。

AI導入による数値的な節約効果

自動トリアージとコンテキストパネルの分析情報を組み合わせれば、チケット1枚あたり平均45秒の時間短縮を見込めます。 これは一般的なエンタープライズ規模の小売企業に当てはめると、月120時間の節約に匹敵します。 大量のデータに基づいて繰り返しのタスクや問い合わせ対応を自動化することで、サービスチームは多くのチケットを処理できるようになります。

現代のカスタマージャーニー。それは、複雑なだけでなく、常に変化しています。 多くのビジネスは、顧客からの問い合わせが、いつ、どこから来るか、またそれらにどのように対応すべきかの予測を常に迫られています。 その一方で問い合わせは件数は増え続けています。

自動トリアージとコンテキストパネルの分析情報によりチケット1枚あたり平均45秒の作業時間短縮を見込め、これは月120時間の節約に匹敵します。

カスタマーエクスペリエンスに伴う仕事の負担の多くは、AIによって飛躍的に軽減できます。 AIを活用することで、より素早く、より効率的な問題解決が実現します。 その上、ソリューションはかってないほど容易でスピーディーに実装でき、数週間や数ヶ月という時間を要することはありません。 Zendeskが目指したのは、極限までシンプルな導入。

Zendeskを導入することで使い勝手のよさを誇るAI機能を活用でき、サポート業務の拡大展開とシンプル化に結び付いていきます。 関連するインサイトを表示してチームを支援する、反復作業を減らす、ボットの改善をもたらす。AI機能はスピーディーに実装が可能なうえ、導入と同時にすぐに問題解決に威力を発揮します。

ここまでご紹介したように、AIを活用した充実機能がそろいました。あとは皆様のご利用を待つばかりです。

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