記事
インバウンドコールセンターとアウトバウンドコールセンターの違いとは?
この記事では、インバウンドコールセンターとアウトバウンドコールセンターが顧客とのやりとりにどう役立つかをご説明します。
更新日: 2024年2月22日
チャットボットとメールを利用できる今、顧客が企業に電話をかけることはあまりないと考えるのではないでしょうか。ところが現実は逆なのです。Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポートによれば、顧客が問題を解決するために企業に問い合わせるチャネルとして、電話は今でも根強い人気を誇ります。
この傾向はミレニアル世代やZ世代でも変わりません。45,000社の企業を分析したところ、ミレニアル世代とZ世代の顧客であっても、50%以上は電話で問い合わせている事実が明らかになりました。企業が顧客との電話対応のために、処理能力を増強することは理にかないます。つまり、インバウンドとアウトバウンドのコールセンターに投資することを検討すべきなのです。
インバウンドコールセンターとアウトバウンドコールセンターの違いをご存知でしょうか?この記事では、2つのコールセンターの主な違いを説明しながら、カスタマーサポートが顧客とのやりとりに電話をどう活用できるかをご紹介します。
インバウンドコールセンターとアウトバウンドコールセンター
インバウンドコールセンターは、顧客からかかってくる電話を受けるところです。電話をかけてくるのは、問題や疑問を抱えた既存の顧客のことが多いため、通常はサポートチームがインバウンドセンターの状況に注意を払う役割を担います。
これに対して、アウトバウンドコールセンターは顧客に電話をかけるところです。たいていの場合、アウトバウンドコールセンターを運営するのは営業チームで、商品の潜在顧客に勧誘の電話をかける業務を担当します。これ以外にも、顧客調査や市場調査の目的で電話をかけることもあります。
コールセンターの運営場所は、社内にコールセンターを設けている企業と、外部のコールセンターに業務を委託しているところがあります。社内での運営と外部への委託のメリットとデメリットについては、こちらの記事をご覧ください。
インバウンドコールセンターの業務
インバウンドコールセンターの業務といえば、カスタマーサービスがすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。ですが、インバウンドコールセンターでできることは、これだけではありません。関連商品を紹介したり、特典をつけて上位の商品を勧めたりすれば、利益を生み出せます。インバウンドコールセンターでは、一般的に次のようなサービスを扱います。
- 商品・技術サポート
パスワードの変更、アカウント情報の更新、苦情への対応など、インバウンドコールセンターのオペレーターは、顧客が抱える幅広い問題の解決を支援します。オペレーターでは対応しきれない非常に技術的な内容の問題の場合は、Zendeskのような問い合わせ管理ツールを利用すれば、顧客をIT担当者につなぐことができます。支払い・注文処理
ネット注文が大きな人気を集めていますが、電話による注文も相変わらず需要があります。こうした電話での購入に対応するのも、インバウンドコールセンターのオペレーターの仕事です。これ以外にも、請求内容に関する質問やオンライン決裁の問題で問い合わせが入ることもあります。 - アップグレードや更新の問い合わせ
商品の定期配送や、ソフトウェアのクラウドサービス提供(SaaS)など、継続課金型の事業を営む企業であれば、プランの変更を希望する顧客からの電話にも対応する必要があります。こうした手続きができるように、インバウンドコールセンターのオペレーターに研修を実施しておくか、プランの変更手続きを完了できる営業担当者に電話を回せるようにしておきましょう。 - 商談機会の創出
インバウンドコールセンターの役割はカスタマーサービスだけではありません。顧客からの問い合わせに対応し、受注につながる見込みの高い顧客を営業に繋げることで、直接的に売上の創出にも貢献することができます。アウトバウンドコールセンターの業務
アウトバウンドコールセンターで働く営業担当者は、電話をかけることで、見込み客とのコミュニケーションや新たな見込み客の獲得に努めます。また、市場調査を実施するためにアウトバウンドコールセンターが利用されることもあります。この場合、オペレーターはターゲット顧客に一致する顧客に電話をかけて、ニーズや関心を探ります。 - リードジェネレーション
アウトバウンドコールセンターのオペレーターは営業用のリードを獲得・精査し、商談に繋がる見込みがあるリードがあれば、営業に渡すことにより、リードジェネレーションに貢献します。インバウンドと異なり、アウトバウンドコールセンターでは企業側から潜在顧客に電話でアプローチし、購入見込みや、購入を検討しているタイミング、さらには販売する製品・サービスが予算に収まるものかといった情報を収集します。 - テレマーケティング
世間の評判とは裏腹に、テレマーケティングはこの5年間着実に伸びています。テレマーケターの業務はある意味、訪問販売に似ています。違いは、各家庭を訪問する代わりに、ひとりずつ電話をかけて営業トークをするという点です。テレマーケターは地理的な場所に制約されず、幅広い層の人たちを相手に商品の存在を知らせて、営業トークすることになるので、企業にとって貴重な戦力です。 - テレセールス
テレマーケターであれば、ブランドの存在を知ってもらう、見込み客を獲得する、アポを取るなど、とにかく相手と話をすることが主な業務です。これに対して、テレセールスの場合は、電話で取引を成立させることだけに注力します。テレセールスはインサイドセールスと呼ばれることもあります。テレセールスのオペレーターは、購入に至る可能性の高い見込み客に電話をかけて、成約率と収益の向上に努めます。 - 市場調査
市場調査はアウトバウンドコールセンターのオペレーターが担当します。市場調査の目的は、顧客や競合他社について理解を深めることです。例えば、調査に電話を用いることで、ターゲット層の最大の悩みが何であるか、解決策として今どんな商品が使われているのか、今使っている商品のどこを改善してほしいと思っているのか、などの判断に役立てることができます。市場調査で得られる結果は、企業の色々な部門にとって有益なものです。例えば、エンジニアであれば製品の設計を改良するために、マーケティング担当者であれば効果の高いメッセージにするために、営業担当者であれば営業トークに磨きをかけるために市場調査結果を活用できます。
インバウンドコールセンターとアウトバウンドコールセンターはどちらも、企業にとって幅広いカスタマーサービスと利便性を顧客に提供するチャンスを生み出してくれるところです。どんな種類のコールセンターにするか、またどんなサービスを提供するかといった詳細は、企業としての全体的な目的、活用できる人員や予算に応じて決めることになります。受信・発信の両方を行うハイブリット型コールセンター
ここまで読んでいただいて、「インバウンドとアウトバウンド両方のコールセンターが必要な場合は?」と思った人もいるかもしれません。 そんな時は、どちらかを選ぶ代わりに、ハイブリット型コールセンターを作るという選択肢もあります。
ハイブリット型コールセンターのオペレーターは、顧客からの問い合わせに対応するだけでなく、顧客に電話をかける業務も担当します。コミュニケーションが一元化されるため、顧客はシームレスで一貫性のあるサービスを受けられるのです。経験になります。対応窓口が1本化されることから、電話応対マニュアルを改善する場合の変更も簡単です。
ハイブリット型でもそうでなくても、コールセンターの運営には、適切な機能を備えたソフトウェアが必要です。Zendeskでは、コールセンター展開のあらゆる段階をサポートしています。14日間の無料トライアルで、ぜひZendeskをお試しください。