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カスタマーサービスにおけるベンチマーキングの重要性
定期的にパフォーマンスやプロセスのベンチマーキングを行うことで、サポートチームの優れている面と改善が必要な面の両方がよく理解できるようになります。
更新日: 2024年1月19日
企業の成功に高品質なカスタマーエクスペリエンス(CX)が欠かせないことは明らかです。皆様と顧客を奪い合っている他社も、このことをよく理解しています。そして、顧客が選ぶのは一番優れたサービスを提供してくれる企業です。顧客の好みは変化するため、サポートチームにはこれまで以上に、優れたエクスペリエンスを提供し、業界のベストプラクティスをすばやく実践する(あるいは新たに生み出す)ことが求められています。
カスタマーサービスベンチマーキングとは
企業はベンチマーキングを通して、同業他社と比較した場合のサポートチームのパフォーマンスを大まかに把握できます。定期的にパフォーマンスやプロセスのベンチマーキングを行うことで、サポートチームの優れている面と改善が必要な面の両方がよく理解できるようになります。さらに、これにより、チームが最高水準を目指すためのモチベーションにつながるような有意義な目標も設定できます。
カスタマーサービスでの測定指標の例
企業が定期的に追跡しているカスタマーサービス指標としては、次のようなものが挙げられます。
- 顧客満足度スコア(CSAT): 通常はパーセンテージで表され、このスコアを通して、顧客は受けたサポートに対してポジティブまたはネガティブな評価を下します。
- ネットプロモータースコア(NPS):顧客が製品やサービスを知人にどれくらい薦めたいと思っているかを判定して、顧客のロイヤルティを測定する指標です。
- 顧客努力指標(CES):顧客が企業とやり取りして問題を解決する中で、どれくらい労力がかかったかを示す指標です。
- 平均初回応答時間:サポート担当者が顧客からの問い合わせに最初に応答するまでの平均所要時間を示します。
- 平均解決時間:
サポート担当者が顧客の問題を解決するまでの平均所要時間を示します。
この他に、各チャネルの可用性、サポートリクエストの件数、ヘルプセンターの記事の数なども、サポート部門のパフォーマンスを追跡するうえで有効な指標です。
カスタマーサービスベンチマーキングが重要な理由
ベンチマーキングを通じて以下が実現できるようになれば、チームが最高のパフォーマンスを達成できるようになります。
改善が必要な分野を理解する
自社の指標やプロセスを競合他社と比較すると、気づかなかった弱点が見えてくるようになります。たとえば、問題解決時間が毎月短くなっているとしても、他社と比べると大きく後れをとっているかもしれません。また、同じ規模の企業の中で電話サポートを提供していない企業は自社くらいで、その点が顧客満足度に影響を及ぼしていることが見えてくるかもしれません。こうして、チームが最も改善すべき点がはっきりすれば、どこに時間と労力を注ぎ込めばよいかが判断しやすくなります。コスト削減の機会を特定する
カスタマーサービスの品質が低いばかりに企業が被る損失は、毎年世界で数十億ドルにものぼります。言うまでもなく、業務の効率化が進めば、その分顧客に割ける時間は増えます。コストに関するベンチマーク指標からは、同じ規模の他の企業に比べて、どの分野への支出額が多いのか、少ないのか、あるいは平均程度なのかがわかるため、こうしたインサイトに基づいて、チームのリソースを適切に割り当てることができます。パフォーマンスを客観的に評価する
顧客アンケートや運用に関する指標は、サポート部門の健全性について多くのことを教えてくれますが、これだけでは視野が狭くなってしまいがちです。ベンチマーキングを行うと、現在のパフォーマンスを過去と比較するのではなく、他の同じような企業と比較して評価することができます。業界標準に合わせることで、過去と比べてではなく、他の多くの企業と比べてベストなパフォーマンスを常に目指せるようになります。改善のための取り組みの成功度合いを確認する
何か月も全力で取り組んできたプロジェクトがようやく終わるというとき、「この取り組みの成果を数字で示してもらえますか?」と聞かれてドキッとしたことはないでしょうか。ベンチマーキングは現状を数値化し、改善のための取り組みの成果を測定するための出発点を定義します。これにより、数か月後には、新しく採用したプロセスや施策が目標達成に役立ったかどうかを確認できるようになります。業界やそこで取り入れられているベストプラクティスについてインサイトを得る
何をもって成功とするかは、業界が違えば変わってきますし、同じ業界でも企業間で異なるでしょう。しかし、他社での取り組みや基準を把握しておくことは、顧客満足度の維持に役立ちます。他社の知見に触れることで、学びと改善の機会が生まれると共に、従業員が新しい働き方を柔軟に受け入れられるようになります。