企業は顧客にサービスを継続して利用してもらうためにはより良い体験を提供し続ける必要があります。ZendeskのCXに関する調査レポートによると、顧客の73%は何度も悪い経験をすると競合他社に乗り換え、半数以上は1度不満を感じただけで乗り換えてしまいます。
悪いCX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)を最小に抑えて顧客維持率を上昇させるためには、フィードバックを求めて、購入者の声に耳を傾ける必要があります。それでは何から始めたら良いのでしょうか。
フィードバックを得る効果的な方法は、顧客満足度調査です。ただし、内容が雑多で不定期に質問票を送るだけでは、CXの改善は期待できません。価値のあるフィードバックを得るためには、目標を定めて調査を設計し、適切なデータを収集できるように慎重に質問を作成しましょう。
本記事では、顧客満足度調査の基本的な事項、調査の方法やサンプル、調査の種類、顧客満足度調査のメリット、そしてベストプラクティスについて紹介します。
- 顧客満足度調査とは何ですか
- 顧客満足度調査のメリット
- 50以上の顧客満足度調査の質問
- 顧客満足度調査の種類
- 顧客満足度調査結果の扱い方
- 顧客満足度調査テンプレート
- 顧客満足度調査設計のベストプラクティス
- 顧客満足度調査の例
- 調査結果を実践に活かす
顧客満足度調査とは何ですか
顧客満足度調査では、消費者が企業やその製品とサービスについてどのように考えているのかを測定するために質問票を使います。顧客満足度調査の主な目的は、製品の使いやすさからカスタマーサポート担当者が提供するサービスの質に関することまで、顧客からのフィードバックを集めることです。
顧客満足度調査の回答を見れば、成長の機会がどこにあり、会社が後れを取っている分野がどこなのかがわかります。調査で得られた知見にもとづいて行動し、弱点に対処することで、サポートリーダーはより良いCXを提供することができ、これが顧客獲得と顧客維持の向上につながります。
顧客満足度調査のメリット
顧客満足度調査を実施すれば、顧客の期待を理解し、貴社のビジネスのどこに欠陥があって、どこが優れているのかを知ることができます。これらの洞察にもとづいて、サポート体験を改善し、顧客関係をより強固にするための計画を立てることができます。
より良い製品作りをサポート
顧客満足度調査は製品チームの秘密兵器です。顧客からのフィードバックは、購入者が貴社の製品を好きなのか(あるいは嫌いなのか)を明確に教えてくれますので、推測する必要がありません。
貴社が新興企業向けにプロジェクト管理ツールを提供しているとします。顧客からの電話で、貴社のソフトウェアではメッセージと業務割当の区別がつかないため、いつも締切に遅れてしまうという苦情が寄せられます。同僚が送ったメッセージと自分に割り当てられた業務をユーザーが区別できるようにする新機能を展開することで、そのフィードバックに対応します。
顧客満足度を調査するための質問票は、顧客がこの新機能を有用だと感じているのかどうかを判断するのに役立ちます。顧客からのフィードバックによって、問題点や取り得る解決策が明らかになるため、顧客のニーズに合わせて製品を改善できます。
強みと弱みを明らかにする
調査を実施することで、ブランドがうまく行っているのかどうかを知ることができます。ある分野では貴社のビジネスが競合他社よりもうまく行っている可能性があります。ただし、逃した機会についてはどうでしょうか。
こうしたギャップは貴社にとって盲点かもしれませんが、貴社の顧客層にとってはそうではありません。顧客満足度調査からのフィードバックによって、企業はバイヤージャーニーの欠点を特定し、取り得る解決策を見つけることができます。
顧客との関係を改善する
顧客満足度調査を実施すると、顧客は自分の意見を聞いてもらえたと感じます。消費者は貴社から意見を求められることで、貴社が消費者の考えを大事にして製品やサービスを改善しようとしているのだと理解するでしょう。
その結果、顧客は貴社のブランドを一層信頼するようになります。貴社が顧客からのフィードバックにもとづいて行動すれば、その顧客は友人や家族にもそのブランドを薦めるようになるかもしれません。
50以上の顧客満足度調査の質問
CXを向上させるために必要なすべての洞察を与えてくれる顧客満足度調査のテンプレートは1つだけではありません。部門ごとのニーズや顧客とのタッチポイントに合わせて、調査の質問を修正しましょう。さまざまなユースケースに適用できる顧客満足度調査の質問のリストを以下で見てみましょう。
- デモグラフィックの質問
- 製品の使用状況に関する質問
- 顧客からの量的なフィードバックに関する質問
- 補足質問
- 自由回答式の質問と長文式の質問
- 名義尺度による質問
- 順序尺度による質問
- リッカート尺度による質問
- セマンティックディファレンシャル法による質問
- 企業間取引に関する質問
- 企業と消費者の取引に関する質問
顧客のデモグラフィックに関する質問
年齢や居住地など、顧客のデモグラフィックを確認する質問は、マーケティングや営業部門が顧客をバイヤーペルソナに区分するのに役立ちます。顧客からの回答は、収益やサポート戦略に影響を与える非常に貴重な洞察につながります。顧客のデモグラフィックに関する質問は、新しいパターンを明らかにしながら、既存のデータを検証できます。
顧客のデモグラフィックに関する質問例には以下のようなものがあります。
1. 貴社の従業数を教えてください。
2. 年齢を教えてください。
3. あなたのお住まいはどちらですか?
4. 弊社のことをどこで初めて知りましたか?
5. このWebサイトや製品を利用する主な目的は何ですか?
6. どのような業界にお勤めですか?
製品の使用状況に関する質問
顧客が貴社の製品やサービスをどのように利用しているのかについての調査を実施することで、CXをより深く理解できます。購入者に貴社の商品やサービスについて好きな点や嫌いな点を尋ねることで、購入者を貴社に引き留めるためにどの分野を改善するべきかを理解できます。
製品の使用状況に関する質問例には以下のようなものがあります。
7. 購入した製品を評価してください。
8. 弊社の製品やサービスを友人に薦めますか?
9. 弊社の製品にお気づきの点はありますか?
10. 弊社の製品・サービスをどのようにお使いですか?
11. 最も価値のある製品機能はどれだと思いますか?
顧客からの量的なフィードバックに関する質問
質に関する回答は重要ですが、数字の方が測定しやすいです。これらの調査の質問は、問題を検証、確認、または反証し、入手したデータにもとづいて意思決定を行うのに役立ちます。
顧客への量的調査の質問例には以下のようなものがあります。
12. 今回のカスタマーサポートの対応はいかがでしたでしょうか?
13. カスタマーサービス担当者を5段階で評価してください。
14. サポート担当者とのやり取りにどの程度満足していますか?
15. 問題の解決はどのくらい簡単でしたか?
16. [Product or Service Name]を他の人に薦める可能性はどのくらいですか?
補足質問
補足質問によって、基本的な事柄が網羅されていることを確認します。貴社との最近のやり取りについてどのように感じたのかを顧客に尋ねてみましょう。顧客が何かを購入した後やカスタマーサポートに連絡した後に、補足質問を送信します。
補足質問例には以下のようなものがあります。
17. カスタマーサービスチームにご連絡いただき、またフィードバックをお寄せいただき、ありがとうございます。弊社のカスタマーサポートにお気づきの点はありますか?
18. ここ数か月の間にご購入いただいたお客様に連絡しています。今回の購入体験について詳しく教えてください。
19. お客様のご利用体験を踏まえて、[insert channel]をもう1度利用したいと思いますか? もう1度利用したい理由、または利用したくない理由を教えてください。
20. 弊社のサポート担当者の対応はいかがでしたか?
自由回答式の質問と長文式の質問
自由回答式の顧客満足度調査のアンケートでは、顧客が自分の体験や意見をより詳しく述べることができます。顧客からの記述的な回答は、貴社がより良い製品を作り、貴社のナレッジベースへアイデアを追加し、改善点を特定するのに役立ちます。
自由回答式および長文式の質問例には以下のようなものがあります。
21. 弊社の製品を使用された感想を教えてください。
22. お客様にとって不要な製品の機能とは何ですか?その理由も教えてください。
23. お客様が弊社のブランドでお気づきの点を教えてください。
24. この評価の主な理由は何ですか?
25. 他にもご意見ございましたらお知らせください。
名義尺度による質問
名義尺度による質問は、回答を2つ以上の変数に分類します。選択肢は重複せず、通常は質的なもので、多肢選択式であるため、数字を使って回答を定義することはできません。
たとえば、貴社のWebサイトに他の言語も掲載して世界中の読者が簡単に情報にアクセスできるようにしたいとします。その場合、以下のような質問ができます。
あなたが使用する(している)言語を選択してください。
- ポルトガル語
- フランス語
- ドイツ語
- スペイン語
- ロシア語
- 標準中国語
- その他(具体的にご記入ください)
名義尺度による回答は収集したり測定したりするのは容易ですが、質問によっては顧客の回答の仕方が制限されることがあります。
名義尺度による質問例には以下のようなものがあります。
26. 最終学歴を教えてください。
27. あなたの性別を教えてください。
28. あなたの職業/業種を教えてください。
29. 最終学歴を教えてください。
順序尺度による質問
順序尺度による質問は、順序付けられた回答のセットを使用して、顧客の感情や意見を測定します。回答は特定の方法で配置され、それぞれの回答が他の回答より大きくなったり小さくなったりします。たとえば、医師はあなたに痛みを1(それほど痛くない)から10(非常に痛い)段階で評価するよう求めることができます。
順序尺度による質問例には以下のようなものがあります。
30. 弊社のカスタマーサービスにどの程度満足していますか?
31. [Product or Service Name]を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいですか?
32. [product]を購入する際、「機能」はどの程度重要ですか?
33. [製品名またはサービス名]についての感想を教えてください。
34. 弊社の製品を使った感想を教えてください。
リッカート尺度による質問
リッカート尺度は、5段階、または7段階の評価尺度を使用して、顧客の感情を測定する順序尺度による質問です。通常、リッカート尺度による質問では、回答者が記述内容に同意するかしないかを尋ねます。これらの質問は「はい/いいえ」の二択の質問よりも多くの情報を提供し、顧客満足度を測定するためのより信頼性の高い方法と見なされています。
たとえば、貴社のナレッジベースのようなカスタマーセルフサービスオプションが顧客にどの程度支持されているのかを調べたいとします。以下はプロンプトの一例です。
ナレッジベースの記事は役に立ち、参考になります。
- まったくそう思わない
- そう思わない
- どちらでもない
- そう思う
- 非常にそう思う
以下のようにプロンプトを質問として作成することもできます。
今後、弊社から購入する可能性はどのくらいですか?
- 全くない
- ない
- あるともないとも言えない
- 可能性はある
- 可能性は高い
その他の回答の選択肢として、質問の仕方によっては「おそらく」、「間違いなく」、「可能性はやや低い」といった表現があり得ます。
リッカート尺度のプロンプトの例には以下のようなものがあります。
35. [Product Name]を使用した体験を評価してください。
36. [Product or Service Name]は使いやすいと思った。
37. 私が受けたカスタマーサービスは期待通りだった。
38. Webサイトは見やすかった。
セマンティックディファレンシャル法による質問
セマンティックディファレンシャル法による質問では、やり取り、製品、ブランドについての顧客の感想が両極端の形容詞の間にある7段階評価のどれに該当するのかを選択することで評価してもらいます。
回答者にサポート担当者とのやり取りの質について尋ねたいとします。この場合、質問と回答の選択肢例は以下になります。
カスタマーサポートの対応をどのように評価しますか?
- 非常に満足、または不満足
- 強力、または貧弱
- 親切、または不親切
顧客はそれらの2つの形容詞の間の段階から自分がどのように感じたのかを選びます。セマンティックディファレンシャル法による質問では、顧客は単に記述内容に同意するかしないかではなく、自分の感想に近い回答を選ぶことができます。
セマンティックディファレンシャル法による質問例には以下のようなものがあります。
39. 今日私が経験したサポートは以下のようなものでした。
40. [企業名]との直近の関わりは、次のうちのどれに最も良く当てはまりますか?
41. [製品名またはサービス名]をもう1度使用する可能性はどのくらいですか?
42. [製品名またはサービス名]についての感想を教えてください。
企業間取引に関する質問
企業間取引に関する調査の質問は、他のビジネスパーソンを対象にしています。多くの場合、企業間取引に関する調査は、購入率を高めるために、サービスや製品への関心を測ることを目的としています。この種類の質問は、問題解決やサービス改善の方法に関する情報も収集します。通常、これらの質問は会社の規模、役職、業界に合わせて修正します。
企業間取引に関する質問例には以下のようなものがあります。
43. ビジネスパートナーとしての[企業名]にどの程度満足していますか?
44. [企業名]はプロジェクト計画にどの程度忠実でしたか?
45. 弊社の料金プランにどの程度満足していますか?
46. 弊社にもう1度依頼する可能性はどのくらいですか?
47. 弊社を同僚に薦める可能性はどのくらいですか?
企業と消費者の取引に関する質問
企業と消費者の取引に関する調査の質問が企業間取引に関する調査の質問とは異なるのは、対象が他のビジネスパーソンではなく、一般の人々や貴社の製品・サービスを利用する人々だからです。通常、これらの質問はエンドユーザーが製品やサービスで体験したことに関連しています。
企業と消費者の取引に関する質問例には以下のようなものがあります。
48. 私どものホテルでの滞在をどのように評価されますか?
49. 前回ご訪問時のサービスはいかがでしたか?
50. 弊社のサービスを家族や友人に薦めますか?
51. カスタマーサポートの対応を評価してください。
52. 弊社の製品を使用する際に直面する最大の問題は何ですか?
顧客満足度調査の種類
顧客の気持ちを知る方法は1つだけではありません。さまざまな種類の顧客満足度調査は、総合的な満足度、努力、ロイヤルティといった特定のメトリックを掘り下げます。顧客満足度調査の種類の詳細については、以下をご覧ください。
顧客満足度スコア(CSAT)
顧客満足度スコア調査は、顧客が貴社のブランドとの特定のやりとりや体験にどのくらい満足しているのかを示します。
サポート担当者と話したばかりの顧客が、必要なサポートを得られたのかどうかを知りたいとします。貴社の顧客満足度調査では「カスタマーサポートの対応にどの程度満足しましたか?」と質問します。顧客は自分の体験を1から5までの段階で評価するか、または「非常に不満」から「非常に満足」までの選択肢から選ぶことができます。
顧客満足度スコアを測定するには、すべての肯定的な回答(尺度によって4から5、または7から10の回答)の合計を集めた回答の総数で割ります。そして、結果に100を掛けてください。算出されたパーセンテージは顧客の満足度を表しています。
Net Promoter Score®(NPS®)
Net Promoter Score®(NPS®) 調査は、顧客が貴社の製品やサービスを他の人に薦める可能性はどのくらいかを測定するものです。通常、NPS®調査では、1から10までの段階で測定します。この調査はCSAT調査とは異なり、長期的な顧客ロイヤルティと貴社のブランドに対する全体的な顧客心理を評価します。
NPS®では、批判者(0から6と答えた回答者)の割合と推奨者(9から10と答えた回答者)の割合を比較して、貴社の立ち位置を確認します。
カスタマーエフォートスコア(CES)
カスタマーエフォートスコア(CES)は、タスクを完了したり、製品を使用したり、問題を解決したりするために顧客の努力がどのくらい必要かを測定します。CSAT調査と似ていますが、CES調査は顧客が体験する煩わしさの部分を明らかにします。
この種類の調査は、購入者が貴社のブランドとのやり取りをどのくらい容易(または困難)と感じるのかを示すため、顧客が離反してしまう可能性を認識するのに役立ちます。通常、CESの調査には1から10までの評価段階があり、1は「全くそう思わない」、10は「非常にそう思う」を意味します。
顧客に直近のカスタマーサポート体験を評価してもらう調査票を送って、CESスコアを集めます。CESを計算するには、すべてのスコアの合計を回答者の総数で割ります。
顧客満足度調査結果の扱い方
顧客満足度調査の回答を集めることに成功したところで、その回答をどのように扱うと良いでしょうか。以下では、顧客満足度調査の結果を実践に活かす方法について説明します。
フィードバックへの対応
顧客満足度調査の回答を受け取ったら、調査の参加者に連絡して、回答を確かに受領したことを伝えましょう。肯定的なフィードバックを返してくれた顧客に対しては、時間を割いてくれたことに感謝し、調査に応じてくれたお礼として、次回購入時に割引を提供することも検討しましょう。
顧客からの否定的なフィードバックに対処するには、できるだけ早く返事をしましょう。そうすることで、ブランドの信頼性を確立し、顧客を繋ぎ止められるでしょう。傾向とパターンを探る
顧客満足度調査の結果から傾向を探ることで、改善するべき分野を特定できます。回答を見直して、何かパターンがないのかを確認しましょう。たとえば、顧客の40%がサポート担当者と話すまでの待機時間が長すぎると回答した場合、どこに改善の余地があるのかがわかります。
傾向を分析することで、カスタマージャーニーや、顧客がどこで問題を抱えているのかをより深く理解できます。たとえば、チェックアウトのプロセスが複雑すぎるというフィードバックを多く受け取ったとします。そこから、チームはカスタマージャーニーのその段階を改善して、全体的なCXを向上するように努めることができます。結果を適切な人々と共有する
顧客満足度調査の結果を集めたら、その結果とデータを貴社の組織内の適切なチームに配布しましょう。
複数の部門がこの情報を共有することで、全員の認識が一致し、集めたフィードバックに応じて同じ目標に向かって努力することができます。そうすれば、データのサイロ化を防ぎ、より良いサポートを提供するために必要な洞察をサポート担当者に提供することもできます。
顧客満足度調査設計のベストプラクティス
顧客満足度調査を作成するには、適切な質問をするだけでは不十分です。固有のバイアスや調査のタイミング、回答に影響を与え得る他の重要な要因に留意する必要があります。以下のヒントを貴社の顧客満足度調査の参考にしてください。
1. どの調査も目標を念頭に置いて始めましょう
フィードバックが実用的であるようにするために、調査には明白で明確な目的が必要です。質問票を送る前に、以下のことを自問してみましょう。「私たちが知らないことのうち、何を知る必要があるのだろうか」。このように自問することで、目標を明確にすることができます。
最近、営業CRMに情報収集のプロセスをスピードアップする新しいプロスペクティング機能を導入したとします。そして、顧客が新機能を使うのを妨げているものが何なのかがわからず、エンゲージメントを高める方法を知りたいとします。この目標を念頭に置いておけば、その機能について顧客に具体的な質問をすることができます。
2. 顧客満足度調査の過去の事例を評価する
顧客満足度調査を作成する際には、過去の事例を評価することで、ヒントを得たり、改善を加えたりすることができます。たとえば、以前の調査で十分な回答が集まらなかった場合、新しい調査では微調整を施すべきです。顧客は、質問が長すぎたり、難しかったりしたために回答しなかったのかもしれません。次の調査を作成する際には、短くてわかりやすい質問にする必要があります。
他の企業から入手した顧客満足度調査からヒントを得ることもできるでしょう。回答したくなるような質問票に出会ったら、その要素をいくつか抜き出して、貴社の質問票に取り入れてみましょう。
3. 調査の質問は簡単で短いものにする
顧客が質問の意味を理解するまでに何度も質問を読まなければならない場合、何も回答が得られないリスクがあります。質問の複雑さだけではなく、質問の長さも回答率に影響します。
SurveyMonkeyの調査によると、質問が長ければ長いほど、顧客がすべての質問に答える可能性は低くなり、7分以上かかる調査では、途中放棄率が高くなります。質問は3分から5分程度で終わる長さにして、質問数は10問以内にしましょう。
4. 自由回答式の質問をして、より詳細な情報を得る
調査の最後に1、2問の自由回答式の質問を入れて、顧客に自由に記入してもらい、見落としている問題がないことを確認しましょう。たとえば、顧客に製品を評価するようにお願いした後、「弊社製品を使用した感想をお客様自身の言葉でお聞かせください」と書くことで、より詳細な情報を提供するように促すことができます。
自由回答式の質問は有益ですが、顧客が回答を書くのに多くの時間を費やす必要がないように、使い方を制限するべきです。
5. 適切な送付方法を選択する
顧客満足度調査を構築する際には、適切な送付・回収方法を選択することが重要です。まず、どのプラットフォームを使って回答を集めたいのかを選択します。送付方法には以下のようなものがあります。
- メール: 質問票を添付したメールで顧客とやり取りをした後、追跡調査をすることができますので、これはおそらく最も一般的な選択肢です。
- アプリのポップアップ: アプリ内ウィジェットで調査をポップアップ表示することを選択します。この選択肢は、使い勝手の問題を減らすことができます。たとえば、チェックアウトページのようなアプリの特定ページに対するフィードバックを得ることができます。
- オンラインチャット: 顧客とのオンラインチャットを使ったやり取りの終了時に質問票を送信することができます。
- ランディングページ: 貴社のWebサイト上に質問票を掲載したランディングページを作成し、そのリンクをメールやSNSで顧客と共有します。
どの送付方法が最適かわからない場合は、さまざまなプラットフォームを試して、最も多くの回答を集めることができるのはどれかを確認すると良いです。
6. 質問票を送る適切な時期を選ぶ
満足度調査の質問票を送る最適の時期は、顧客の体験の記憶がまだ新しい時です。顧客がサポート担当者とやり取りをした直後に質問票を送ると、その顧客は何が起こったのかやその体験についてどのように感じたのかをまだ覚えているため、正確な回答が得られる可能性が高くなります。
ただし、質問票を送るのが早すぎないように注意する必要もあります。顧客は、貴社が接触する前に、自分の体験についての意見をまとめる必要があります。
カスタマージャーニーの重要な節目やタッチポイントでも質問票を送りましょう。たとえば、新規の顧客がオンボーディングを終えたら、アプリ内で質問票を送って、その体験について尋ねましょう。
顧客満足度調査の例
質問票を作成する準備はできましたか? アンケート実施の参考となる、顧客満足度調査の例をいくつか紹介します。
全般的な顧客満足度調査の例
全般的な顧客満足度調査は、顧客が貴社のブランド全体についてどのように感じているのかを判断するのに役立ちます。以下の例では、Amazonは顧客にAmazon Associates Programの全般的な満足度を尋ねています。
ここでは、Amazonはリッカート尺度を用いて顧客からの回答を集めています。
サービス品質に関する顧客満足度調査の例
この種類の顧客満足度調査は、顧客が受けたサービスの全体的な質についてどのように感じているのかを測るものです。以下のNamecheapの例では、質問票を使って、サポート体験に対する顧客満足度についてのフィードバックを集めています。
Namecheapは、セマンティックディファレンシャル法を採用して、2つの形容詞の間で徐々に変わる尺度で顧客に体験を評価してもらっています。
調査の回答を実践に活かす
最初の質問票を送信して、結果が出ました。まずは顧客にすぐ連絡して、その顧客の懸念に対処すると約束することから始めましょう。
結果を分析して傾向を把握し、顧客が何を望んでいるのかを確認したら、よくある問題を適切な部門に転送して解決策を見つけられるようにします。フィードバックに適切に対応することで、貴社が顧客の体験を大切にし、将来のために改善したいと考えていることが顧客に伝われば、顧客を繋ぎ止めておけるでしょう。