自社に関心を寄せている顧客は、問い合わせの手段にチャットを選ぶ傾向が強くなっています。チャットは、短期間で企業と個別の関係を構築するのに最適な方法の一つですが、それだけでは理想的な顧客体験を提供したことになりません。顧客がチャット担当者とやりとりを始めたとしても、顧客がどのようにサイトにたどり着いたのか、サポートやセールスとどうコミュニケーションしたのか、カスタマージャーニーのどの段階なのかなど、顧客体験全体を見ると目を配るべき要素はまだまだあります。
自社サイトでオンラインチャットを提供する際には、次の点に考慮するとよいでしょう。
チャットウィジェットの配置場所
チャットウィジェットを配置する場所は、目的と状況に応じて変える必要があります。たとえば、小売業者は販売コンバージョンが必要なため、最も効果的なチャットは決済ページです。顧客満足度(CSAT)が重要な場合は、サイトの各ページ(またはモバイルチャットSDK)で、チャットにアクセスできるようすることをおすすめします。SaaS企業では、製品を無料で試している見込み客に対してチャットサポートを提供すると良いでしょう。
しかし、注意したいのは、サイト内のあらゆるページでチャットを提供すると、応対者への負荷が高くなってしまう可能性があることです。オンラインチャットが提供される場所は、戦略的に選択する必要があります。
オンラインチャットのアクセシビリティ
毎日数千人のサイト訪問者がある場合、チャットサポートを提供することは非効率的になるかもしれません。特にeコマースは、チャットサポートに携わる人材を戦略的に配置する必要があります。
そのための1つの方法は、オンラインチャットに参加できる顧客を一定の基準で選別することです。チャットウィジェットは、個人情報を入力するページより深い階層に配置し、VIP顧客のみがアクセスできるようにします。チャットを活用する顧客の数を調整することができるかもしれませが、購買の機会損失となる可能性もあるためバランスを取ることが重要です。チャットは、リードを生んだり、取引の後押しをしたり、問題を抱えた顧客のサポートをする素晴らしいツールになり得ます。
チャットが提供されるタイミング
ライブチャットのサポートサービスを適切に提供するのは簡単ではありませんが、チャットサービスのピークが何時ごろなのかを知ると、担当者を的確に配置できます。一般的にチャットの50%以上は、午前10時から午後3時の間にピークを迎えます。
異なるタイムゾーンを扱うときには、サポート対応時間を長くすることが必要となります。Operating Hoursのようなツールでは、担当者向けに複数のスケジュールを作成できます。オンラインチャットを24時間有効にしてさまざまな顧客をサポートするのが理想的ですが、それは多くの企業にとって厳しいでしょう。サポートチームは、代替オプションを提供することで効果的に顧客サービスを提供できます。
どちらからチャットを始める?
チャットは、リアクティブとプロアクティブといった2つの方法があります。リアクティブチャットとは、顧客からチャットを始める場合のことで、プロアクティブチャットとは、決められた基準を満たした顧客に担当者がインタラクションを開始する場合のことです。
プロアクティブなチャットサービスを提供することは、多くの企業にとってプラスになるでしょう。米国のオンライン消費者の44%が、商品の購入を検討しているときにチャットが開始されることを好ましいと答えました。 Zendesk Chatを使用すると、管理者は指定された時間にチャットを始めるように設定できます。
特にチャットの量が多いときに覚えておくべき重要なことは、顧客が期待していることを見誤らないということです。オンラインチャットを提供している間は、担当者が顧客とタイムリーにやりとりすることが求められます。応答に長い待ち時間があると、顧客はトラブルを抱え続けることにもなり、不満がたまってしまいます。オンラインチャットでは迅速なサポートの提供を心がけて、常に顧客の視点で応対しましょう。