最適なエクスペリエンスの作成
カスタマーサービスの世界における「最適化」とは多くの場合、「サポートエクスペリエンス」の改善を示しています。最適なサポートエクスペリエンスの提供を追求するのは大切なことです。ただ、もしそれを実現したいのであれば、顧客の満足度の向上と維持だけでなく、サポートシステムを支えるエージェントにも目を向けましょう。
カスタマーサポートとは、言い換えれば、顧客とエージェントとの間で良好な関係を築けるかどうか、ということです。両者の良好な関係がなければ、品質の高いカスタマーサポートの提供は難しいでしょう。
したがって、最適なカスタマーサポートを提供するためには、エージェントに目を向ける必要があります。まず初めに彼らの仕事に対する知識と理解を持つことが大事です。
サポート=カスタマーエクスペリエンス+エージェントエクスペリエンス
この方程式はどうしたら実現できるでしょうか。その答えは「フィードバック」にあります。おそらく顧客に対しては定期的に調査を実施すると思いますが、エージェントからのフィードバックはどうでしょうか。CSAT調査は、顧客がサポートとのやりとりをどのように感じたかを対象としていますが、それだけでは全体を把握することができません。そこで、私たちはエージェントの満足度を調べるASAT調査も実施しています。
これは、Zendeskでカスタマーサポートを担当しているグローバルのアドボカシーチームを対象として、四半期に1回どう働いているのか、キャリアについてどう感じているのかをフィードバックする機会となっています。このフィードバックは、サポートサービスの品質を改善してコストを削減する一方で、エージェントの貴重な声に耳を傾けることでエージェントの満足度を高め、離職率を下げるために必要なサイクルです。
仕事の満足度はより質の高い仕事につながる
フィードバックを通して、エージェントの働き方を改善するために必要となる情報を入手し対応することが可能となります。結果、長くチームに定着し、より多くの役割を果たし、貢献してくれるチームを作ることができます。それはつまり、ナレッジの損失と採用の費用が削減され、新しく雇用したスタッフをトレーニングするための時間を減らせるということでもあります。
しかしそれ以上に重要なのは、エージェントに聞き取りをして、仕事上の悩みなどを解決する機会があることで、仕事への満足度と質が向上することです。エージェントが会社と仕事に対してやりがいを感じ、ロイヤルティが高まると、エージェントの「気持ち」が顧客に伝わり、「最適な」カスタマーサポートエクスペリエンスが作られます。
お伝えしたいことは、カスタマーサポートでベストを尽くすということは、エージェントのサポート態勢もベストな環境だということです。チームからのフィードバックを定期的に求めて、エージェントの満足度を高めるために必要な改善に取り組みましょう。このサイクルはエージェントの満足度とCSATを向上させる一方、コストを削減し、離職率を下げることにつながります。このサイクルを作ることが、「最適」なカスタマーサポートエクスペリエンスを実現するための一歩です。