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優れたカスタマーサービス構築にエクスペリエンスデータが欠かせない理由

今日発展するエクスペリエンスエコノミーで競争力を得るには、カスタマーサービスチームの進化が必要です。この記事では、顧客ロイヤルティと収益の向上につながるカスタマーサービスを構築するための方法をご紹介します。

更新日: 2023年1月5日

現代ほど、高品質なカスタマーサービスの需要が高まっている時代はありません。顧客の3分の1は、カスタマーサービスでたった一度不快な経験をしただけでも他社に乗り換えることがわかっており、これにより、米国の企業は毎年750億ドル以上の損失を被っています。しかし、適切に扱えば、顧客は単に定着してくれるだけでなく、それ以上のメリットをもたらしてくれる存在です。事実、自分たちの声を尊重してくれると感じた企業に対しては、顧客は喜んで支出額を増やす傾向にあります。

今日はエクスペリエンスエコノミーの時代です。製品やサービスの面で差別化が難しくなった今、顧客ロイヤルティを高める要素は、企業が提供する機能からエクスペリエンスへと変わりつつあります。

今日の顧客を引きつけるには、カスタマーサービスチームを「カスタマーエクスペリエンスチーム」へと進化させる必要があります。併せて、カスタマーエクスペリエンスの状況を追跡するための新しいデータも必要です。

エクスペリエンスデータとは

エクスペリエンスデータ(Xデータ)とは、顧客の信念、感情、思考を教えてくれるものです。アンケート、Webサイトフォーム、現場の担当者など、顧客からのフィードバックが受け取れるさまざまなチャネルを通じて取集できます。企業は多くの場合、「今何が起こっているのか」を示すオペレーショナルデータ(Oデータ)に注目しますが、Xデータは、Oデータの裏に隠れている「要因」を明らかにします。以下に例を示します。

  • Oデータから、新発売の冬用コートの返品が相次いでいることが明らかになりました。Xデータを確認したところ、顧客がコートの防寒性に満足していないことがわかりました。

  • Oデータから、自社のeコマースサイトでカート放棄率が増加していることが明らかになりました。Xデータを確認したところ、顧客がチェックアウトでの一部のプロセスに不満を持っていることがわかりました。

  • Oデータから、ある新人担当者の問い合わせ処理件数が他の担当者よりも少ないことが明らかになりました。Xデータを確認したところ、この担当者は顧客から話が長すぎると思われていることがわかりました。

エクスペリエンスデータをカスタマーサービス改善に利用するには

Xデータは使い方を理解してこそ、競争力を得るための武器になります。ここでは、エクスペリエンスエコノミーの通貨とも言えるXデータの活用方法を3つご紹介します。

1.適切な指標とベンチマークを追跡し、他社と成果を比較する

有意義な改善を図るには、まずは現状の成果測定が欠かせません。従来、カスタマーサービスチームが重視していたのは、平均保留時間や問題解決率といった指標でしたが、このような指標からわかるのはチームのパフォーマンスだけです。Xデータでは、以下のような顧客の視点に基づいた新しい指標が利用され、新たな目標の設定にも役立ちます。

  • ネットプロモータースコア(NPS): 「この[企業/製品/サービス]を友人や同僚に勧める可能性はどれくらいですか?」といったシンプルな質問一つで、顧客ロイヤルティを測る指標です。
  • 顧客満足度(CSAT):「利用した[製品/サービス]の全体的な満足度はどれくらいですか?」といった質問で、顧客の満足度を測る指標です。1(大いに不満)~5(大いに満足)のレベルで評価してもらいます。
  • 顧客努力指標(CES): 「簡単に利用できましたか?」といった質問に対して、「簡単だった」「どちらでもない」「難しかった」の3つの選択肢から適した回答を選択してもらいます。

このシンプルな3つの指標を通して、カスタマーエクスペリエンス全体に関するインサイトを得ることができ、エクスペリエンス志向な他社と比較して自社を評価することも可能になります。

2.収益に響く前に問題を解決する

顧客の感情を注意深く追跡していれば、手がつけられなくなる前に問題に早めに対処することができます。Xデータを活用すれば、たった一人の顧客が声を上げた問題にも気づくことができるため、問題がビジネス全体に影響を及ぼす前に対策をとることができます。以下に例を示します。

  • ある顧客がカスタマーサービスを利用した際に、新人担当者とのやり取りでとても不快な思いをしたとします。サービスの利用後に自動で顧客にアンケートが送信される仕組みを作っておけば、その担当者が他の顧客に不快な思いをさせる前に、トレーニング(または解雇)の必要性に気づくことができます。

  • ある顧客が、自社のWebサイト上で不愉快極まりない誤字脱字を見つけたとします。フィードバックタブを設けておけば、顧客がそうした問題をすぐに通知できるため、購入意欲の高い見込み客が目にする前に誤字脱字を修正することができます。

  • ある顧客が、自社の製品に初期不良があったとSNSに投稿したとします。SNSで自社に関する投稿を常にモニタリングしていれば、こうした投稿が広く拡散される前に問題に対処することができます。

上に挙げたようなチャネルからXデータを収集し、直観的なダッシュボードと実用的なワークフローに落とし込めば、問題をリアルタイムで発見し解決できるようになります。顧客から寄せられる苦情も減るため、カスタマーサービスチームはより能動的な取り組みのための時間を多く確保できるようになります。

3.社内でのプロセスやトレーニングを強化する

顧客から多くの情報を収集すれば、顧客が好むサポートチャネルをよく理解できるようになります。たとえば、アンケートの結果から、担当者と直接電話で話したいと考える顧客が多いことがわかるかもしれません。一方、Webサイト上でセルフサービス用コンテンツを提供し始めた結果、顧客満足度が上がったというケースもあるでしょう。このような情報は、新しいシステムを採用する際の判断材料として役立ちます。

顧客から収集したデータを基に、チーム全体または個々の担当者への適切なトレーニング方法を検討することもできます。電話サポートの終了時に、そのまま電話であるいはフォローアップメールで顧客にフィードバックを求めれば、ビジネス改善のための重要なチャンスが生まれます。顧客からのフィードバックに関するトレンドを注視することで、たとえばサポートプロセスの一部に不備があった場合もすぐに気づくことができ、その対策に向けてチームへのトレーニングを実施することができます。

チームメンバーが従業員エクスペリエンスをどう捉えているかについてたずねることも大切です。サポート担当者の離職率は、決して低いものではありません。担当者の懸念に耳を傾けて適切な対策を講じれば、定着率を高めて、ベテラン担当者による質の高いサポートを顧客に提供できるようになります。

今すぐ顧客の声を聴き、アクションにつなげましょう

ご紹介してきた取り組みは、すべて顧客の声に耳を傾けることから始まります。ただし、ゴールにたどり着くには、実際のアクションにつなげる必要があります。そこで役立つのがZendeskとQualtricsの連携機能です。

Qualtrics Experience Management Platformで収集したXデータをZendeskのカスタマーサービスワークフローに落とし込めば、顧客対応をスピードアップし、カスタマーエクスペリエンスについて詳細なインサイトを得ることができます。ZendeskとQualtricsの連携機能を利用すると、導入後間もなく、Qualtricsで収集したアンケートデータがZendesk Supportに自動的に共有されるようになります。

ZendeskとQualtricsの連携機能の詳細を確認する

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