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Event Report:Zendeskが描く、マルチチャネル時代の顧客コミュニケーション

更新日: 2018年1月14日

Zendeskが描く、マルチチャネル時代の顧客コミュニケーション

~顧客との“すれ違い”をなくす!~

マルチチャネル化するユーザーと企業の接点をサポートし、より良い顧客コミュニケーションを実現するツールとして進化を続けるZendesk。2017年10月12日に開催したセミナーでは、最新の製品情報を交えつつ、進化するZendeskのビジョンや先進事例をご紹介しました。

■カスタマーサポート領域にもグロースハックのテクノロジーを

はじめに、Zendesk の製品開発責任者であるエイドリアン・マクダーモットは、「顧客の状況が大きく変化しています。購入前にレビューサイトを閲覧したり、公共の場で批判したりすることもできます。彼らは、企業に対する期待値を以前より高く設定できるようになっています。口コミが企業の成長を大きく後押しする時代にあって、企業は製品体験だけでなく、より良いサービス体験を提供できなければなりません」と指摘。

これらを背景に、5年前、10年前は組織の端っこにいたカスタマーサービス部門は、企業の中心に位置するようになり、より戦略的であることが求められています。一方で、ここ最近のトレンドを見ていくと、顧客は実にさまざまなチャネルを使って企業にアクセスするようになっています。そこで、エイドリアンは、「企業はチャネル間の境界線を取り除く必要がある」として、Zendeskが次の点でサポートできると説明しました。

(1)オムニチャネルでのサポート提供
さまざまなチャネルからの問い合わせへのスムーズな対応をサポートするツール
(2)透明性の確保
顧客に対し同じ説明や質問を繰り返す、顧客に同じ情報を入力させる、といったことがないように、顧客のコンテクストに合ったサポートを提供する。
(3)分析の実施
より効果的に顧客とコミュニケーションするには?より高いエンゲージメントを獲得するには?といったことを考えていくために、顧客に関する膨大な情報を収集してカスタマージャーニーを分析し、これを企業の差別化要因、競争力につなげていく。

さらにエイドリアンは、「これからは顧客が困っている状況を予測して、先回りしてサポートを提供することが重要になってくる」と強調。「グロースハックのテクノロジーを使用することで、サポートコストを下げ、エンゲージメントを高めることが可能になる」と語りました。

■電話対応の問題点を解消しエクスペリエンスを短期間に改善

続いて、Zendesk Talkのゼネラルマネージャーを務めるライアン・ニコルズは、依然として多くの企業が問い合わせの8割近くを電話サポートで対応している現状に言及し、これまでの電話対応の問題点を次のように指摘しました。

<電話対応の問題点>

  • 電話の履歴情報を取り切れていない

  • 電話をかけてきた相手を把握できない

  • 組織内でエスカレーションしている間も時間やコストがかかっている

  • 組織の横のつながりのない中で電話対応している

  • 改善には特別なハードウェアが必要と考えている

「これらの解決策として、Zendesk Talkを使ってほしい」とライアン。コールセンター向けに、パーソナライズされた効率のよいサポートを実現するZendesk Talkには、次のようなメリットがあると説明します。

<Zendesk Talkのメリット>

  • 電話サポートがカスタマープラットフォーム上に組み込まれている

  • カスタマーエクスペリエンスが向上する(顧客の状況を把握したうえで会話をスタートできる)

  • エージェントの生産性が向上する(1つのシステムですべてを管理できる)

Zendeskの導入企業では、生産性が27%向上、運用コストが20%削減した事例もあります。しかも「導入当日から使い始められるZendeskなら、こうした成果をすばやく手に入れることができます」とライアン。電話サポートが可視化される様子を、デモを通じて紹介しました。

■Zendesk Talkの導入で顧客コミュニケーションの一元管理を推進

満足度の高い一流のホテル・旅館にしぼってオンラインの宿泊予約サイトを提供する株式会社Loco Partnersでは、コンシェルジュが顧客に合った施設や旅行を提案し、数多くのリピート顧客を獲得しています。Webの問い合わせフォームに加え、電話、メール、チャットでのサポートを提供する同社では、Zendesk Supportに加えZendesk Talkを導入。

「Zendesk Talkの導入前は、電話のログも残らない、いつ誰に何を聞いたのかデータがない状況でした。現在は、通話ログとして録音データが残るし、メールの履歴、電話の履歴を一元管理できるようになりました。通話しながらチケットに社内メモも残せるのでタスク管理がしやすく、チケット化されることで対応漏れが発生しにくくなっています」と同社の三原慎悟氏。

また、オンライン・オフラインの切り替えをエージェント自身が行えるため、電話が鳴りっぱなしでエージェントが休憩も取れないような状態から解放され、「マネージャーにもエージェントにも喜ばれている」と言います。同社では、今後は電話とメールに加えて、LINEもZendeskで一元管理していく計画です。

■すべてのメッセージを顧客に響く完璧なタイミングで配信

最後は、新たにZendeskファミリーに加わったOutboundを製品開発担当のマヤ・ガラバンが紹介。マヤは、「2016年に送信されたメールのうち73%は未読メール。これはマーケターやカスタマーサポート部門にとって大きな問題です」と指摘。その上で、「顧客はノイズを想定済み。メッセージの量よりも、質の高いメッセージを送ることが重要です。しかも、すべてのメッセージが顧客にとって完璧なタイミングで送られる必要があります。これを実現するために、2017年5月、OutboundがZendeskファミリーに加わったのです」と説明しました。

特定の行動をきっかけ(トリガー)としてメッセージを送信するメッセージングソリューションであるOutboundのコンセプトは、すべての対話を最大限に活用していくこと。これにより、顧客のエンゲージメントを高め、意味のある会話を展開できるようになります。

具体的には、顧客とのパーソナルな状態を保ち、その顧客が次にどういう行動に出るかを予測しながら、顧客のライフサイクル全体にわたるエクスペリエンスを演出。パーソナライズされたメッセージの配信を自動化するだけでなく、その有効性を測定することができ、より効果的なコミュニケーションへと改善を繰り返しながら、見込み客を顧客へ、さらにはリピーターへと変えていきます。

実際に、どのようなキャンペーンを実現できるか。大きく分けると次の2つになります。

<Zendeskを使ったキャンペーンの実施>

(1)トリガーベースのキャンペーン
顧客の特定のアクションをトリガーにしてメッセージを送信する。
(2)ブロードキャストベースのキャンペーン
新しい機能の案内やニュースレターなどを毎月、毎週送るなど、情報を一斉送信する。

また、キャンペーンの実施には次の3つの情報が必要であり、特に明確なゴールを設定する点がOutboundの特徴でもあります。

<キャンペーンに必要な3つの情報>

  1. ターゲット(誰に送るか)

  2. メッセージの内容(何を送るか)

  3. ゴール(どのようなアクションを期待するか)

さらに、顧客との一連のコミュニケーションを、別々のシステムを使うことなく、シングルプラットフォームで一元管理できるのも大きなメリットです。

「Outboundはさまざまなことができるツール。近日中に日本語化できる予定です」とマヤ。最後にOutboundの豊富な機能を紹介し、セッションを締めくくりました。

<Outboundの機能例(一部)>

  • 配信時間帯や配信する顧客の属性を指定

  • 一定期間に送信されるメール量を調整することでスパムメールを防止

  • コーディングなしでデザイン性に優れたHTMLメールを作成

  • メール内容をユーザー属性によって変化させ、さらにパーソナライズする

  • プッシュ通知を送信

  • クリック率や開封率、影響力を評価

  • クロスチャネルテストの実施が可能

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