カスタマーサポート業務の効率化が進まない理由とは?
カスタマーサポート業務を効率化する最も簡単な方法は、問い合わせ件数を減らすことです。これは、Webサイト上のQ&Aを充実させる、マニュアルを作成する、といった対策である程度は達成できます。しかし、お客様の課題に対して、「自社製品を使ってどのように解決していくか?」を提案することは、簡単にマニュアル化できるものではありません。それぞれの課題に個別に対応していく必要があり、それが業務の非効率化を生み出す要因のひとつになっています。そこで今回は、カスタマーサポート業務が滞る理由と、効率化するための対策方法について考えていきます。
カスタマーサポートに求められる業務とは?
カスタマーサポートの業務は、お客様からの問い合わせに対応することです。問い合わせの内容はさまざまですが、基本的には「購入者からの問い合わせ」「購入を検討している方からの問い合わせ」の2つに大別できます。
「購入者からの問い合わせ」は、使い方の説明、不具合が起きたときのサポートなどが中心になります。一方、「購入を検討している方からの問い合わせ」は、商品説明や在庫の確認をはじめ、別商品への誘導といった提案が必要になるケースもあります。
担当する商品に関する詳しい知識が必要になるのはもちろん、企業の顔として、お客様と直接向き合うことになるため、自社の商品・サービス全般について知っておく必要もあります。お客様の要望に対して、常に最適な回答を導き出すことが、カスタマーサポートに求められる業務です。
カスタマーサポート業務が滞る理由
カスタマーサポートは、単純に電話対応を行うだけの仕事ではありません。自社商品に関する知識教育が徹底されていないと、すぐに業務が滞ってしまいます。また、業務が滞ってしまう理由として、次のような理由も挙げられます。
スタッフにより優先順位が異なる
お客様から問い合わせがあった際に、「どういった順番で対応していくか」がスタッフごとに異なると、適切な対応ができなくなってしまいます。
情報が共有されていない
商品の説明、クレーム対応など、頻繁に問い合わせを受ける内容に関してスタッフ間で情報が共有されていないと、解決までに無駄な時間を費やします。
商品知識に関する教育が徹底されていないことを含め、カスタマーサポート業務が滞ってしまう最大の理由は、業務の属人化が起きてしまっていることです。商品知識や対応方法について情報共有が徹底されておらず、スタッフごとに対応に要する時間が変化してしまうと、業務が滞ってしまうのです。
カスタマーサポートの業務を効率化させる方法
カスタマーサポートは電話を通じてお客様と向き合うケースが多いため、ほかの部署に比べて、どうしてもスタッフ間のコミュニケーションが薄れがちになってしまいます。だからといって、お客様対応をスタッフの裁量に任せてしまうと、スタッフごとに対応の差が生じ、業務が滞ってしまいます。これでは、お客様に対して適切な対応をとることができません。
こうした事態を防ぐには、定期的に勉強会を開き、商品知識の教育、スタッフ間の情報共有を徹底するナレッジマネジメントを実施する必要があります。また、カスタマーサポート向けのシステムやツールを導入し、対応事例や商品知識をデータベース化しておく必要もあるでしょう。こういった対策を施すことで、最適な対応方法を、いつでも、誰でも、閲覧できるようになり、業務の効率化を実現できるようになります。
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まとめ:業務の属人化をなくすことが業務効率化の鍵
カスタマーサポート業務が滞ってしまう理由はいろいろと考えられますが、そのなかでも大きな要因となるのが「業務の属人化」が進んでしまうことです。カスタマーサポートは単なる「問い合わせ対応」ではないため、通り一辺倒の回答ばかりが求められるとは限りません。それでも、スタッフ間で情報を共有しておく必要があります。情報共有が成されていないと、担当者ごとに対応が変わってしまい、業務効率も落ちてしまいます。
業務の属人化を避けるには、商品知識の教育はもちろん、ナレッジマネジメントを活用して「暗黙知」を「形式知」へ変換する作業が必要になります。そのためにはスタッフ間のコミュニケーションを欠かさないこと、成功事例や体験を積極的にスタッフ間で共有していくことが重要になります。それが結果として業務効率化へとつながっていくのです。