顧客が自分自身の手によって解決策を見つける「セルフサービス」は、サポートチームが目指すべき姿であるとよく言われます。しかし、顧客の経験から考えると、セルフサービスはビジネス全体にとっても大きな意味を持っていると言えるでしょう。はるかにダイナミックで、長期的な効率性と顧客ファーストの理念をビジネス全体にもたらします。具体的には、次のような例が挙げられます。
セルフサービスは、サポートチームだけでなく組織全体として、顧客中心の姿勢を貫いているかを示す重要な指標です。これは直感的には分かりづらいかもしれませんが、セルフ サービスは顧客を遠ざけるものではないのです。むしろ、顧客にとって何がベストなのかを追求することなのです。
セルフサービスは、顧客が日常的に抱えている課題、製品やサービスについての評価、さらには、顧客がニーズを語る言葉を、どれだけ企業側が理解しているかを示す指標です。
- セルフサービスは、ビジネスの成長に伴うコストをいかに効果的に抑えられるかを予測する重要な指標です。
大胆な主張のように思えるかもしれませんが、これらはセルフサービスがもたらす効果として実証されています。
1. 顧客がセルフサービスを使えると、CSATスコアは上がっていく
セルフサービスは従来のサポートより早く、より便利に、問い合わせ内容を解決できます。この結論を支持する多くの研究によれば、より高いCSATを目指すのであれば、最高のセルフサービスを顧客に提供することが不可欠です。
2. セルフサービスのコンテンツを開発するには、問題や製品、サービスへの深い理解が必要
エージェントもしくはコントリビュータがヘルプセンターのコンテンツ作成を経験すると、チケットを解決しているだけの場合に比べ、ビジネス全体をより詳細に、かつ完全に理解することができるようになります。エージェントはコンテンツ作成を通して、どのような問題があるのか全体を俯瞰すると同時に、問題に対する理解を深め、時には組織内のエキスパートと話す必要に迫られます。問題を深く理解する担当者の存在は、組織全体の利益へとつながります。
3.セルフサービス指標は、セルフサービスの有効性を教えてくれる
忙しいエージェントは、問い合わせチケットの内容をより具体的にするためのタグをつけたり、内容を書き込んだりするための時間を割けないことがよくあります。ましてや、業務を止めて、問題を解決するためのコンテンツを作成する時間もありません。その結果、次の3点の間でギャップが広がり続けます。
(1)顧客が苦労している問題
(2)その問題を要約するためのタグ
(3)その問題に対処するためのセルフサービスのコンテンツ
です。こうした悪循環は、エージェントが直接コンテンツを提案・作成することで打破できます。顧客が実際に苦労していることを最も熟知しているエージェントに、意思決定者としてもっと記事を追加してもらいましょう。タグの正確さではなく、記事の内容と精度がチケットを解決します。スマートなアプリケーションと統合することで、より生産的なサイクルを作りだすことができます。
4.カスタマーサービスには、多くの共感が必要
顧客に敬意を払うこと、接客の感じがよいこと、共感すること、これらは顧客との会話に必要不可欠です。しかし、セルフサービスの記事で顧客の問題を解決するとなると、会話とは異なるタイプの共感が必要となります。急いで作ったものや、顧客の言葉ではなく企業目線で書かれたものは効果的なコンテンツではなく、実際には不満を抱かせてしまう可能性があり、それを共感と呼ぶことはできません。真の共感は、書いた記事が顧客にとって充分に有用であるときに生まれます。顧客の立場に立って本当に必要なものを提供することが、共感しているということなのです。
5.セルフサービスにフォーカスして、能動的なサポートを提供
セルフサービスにフォーカスするようになると、チケットの解決以上に高い価値を生み出せていると感じるでしょう。たとえば、新製品のリリースの準備をしたり、複雑な製品やサービスを理解したりするための時間を持てるようになります。これは一朝一夕に身につくものではありませんが、長期的には非常に重要です。Zendeskを導入している多くの企業は受動的なサポートから、能動的なサポートへの移行を成功させた変革者となっています。
セルフサービスはサポートチームにとって、重要な役割を果たし、多くのメリットがあります。