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さまざまな業界のCXリーダーがアジリティを実践する方法
世界で起こる出来事や日々変化する顧客の期待に、常に適応できる能力はこれまでになく重要です。各業界でアジリティを高める方法を、ご紹介いたします。
著者: , コントリビューティングライター
更新日: 2023年1月5日
2020年以前から、アジリティには注目が集まっていました。特に、移りゆくトレンドと新しいテクノロジーにより、ビジネスが常に気の抜けない状態に置かれる変化の激しい業界では、言うまでもありません。 しかし、昨年、あらゆる種類の企業は、ほぼ一夜にしてビジネスプランの再構築、そして変化した世界に適応することを迫られました。 突然、アジリティの重要性が今まで以上に顕著になったのです。
しかし、アジリティとは世界的なパンデミックのような異常事態においてのみ必要なものではありません。 優れたカスタマーエクスペリエンス(CX)を提供するには、長期的な機動力と対応力を必要とします。 どんな製品を販売し誰が購入するかにかかわらず、変化する顧客の傾向を常に理解し、彼らが求めるものを提供できるよう適応しなければなりません。
Zendeskのカスタマーエクスペリエンス傾向分析レポート2021年版 では、ビジネスにおいて必要なアジリティの重要性が明らかになりました。 2020年にサポート担当者とマネージャーの双方が最も指摘した弱点は、迅速かつ簡単に適応できる能力でした。 しかし、アジリティをさらに高める方法は、業界により異なります。
各業界でアジリティを維持する
昨年、金融サービス企業にとって、デジタルファーストモデルへ移行することは必須となりましたが、多くの企業はその変化に苦戦しました。 金融サービスリーダーの91%が、組織においてカスタマーサービスを変えることは困難であると回答しています。 しかしながら、変化に適応することこそが、アジリティの核心です。
金融サービスのサポート担当者は、多岐にわたりバランスをとっています。 平均して、昨年のチケット量は、38%増加しました。 サポート担当者が作業量をこなせるよう、金融サービス企業はセルフサービスのオプションを導入し、リクエストの数を減らすことができます。 顧客自身で、必要な金融知識を取得できれば、サポート担当者の処理するチケット件数を削減できると同時に、カスタマーエクスペリエンスの向上にもつながります。
現代の課題を効率よく解決するには、現代のテクノロジーが必要です。 顧客数の増加に伴い、チケット数も増加する中、AIや機械学習を導入すれば、サポートチームが問い合わせに効率的に対処できるようになります。 AIを搭載したボット を活用することで、顧客が必要とする関連コンテンツをその場で提供し、有人対応の必要性を検知し、そして的確な情報を適切な人に転送し、素早く顧客に返信できます。
そして、顧客が問題解決に有人対応を必要とする場合、顧客の好むチャネル(1つ、または複数)を通して瞬時に、簡単に担当者とつながれることを、顧客は望みます。 金融サービスのサポート担当者の71%が、顧客との対話に、日々1つ以上のチャネルを使用していると回答しています。 金融機関は、サポート担当者が、チャットやSNSを含む顧客が好むあらゆるチャネルを利用し、系統立った整った効率的な方法で顧客と対話できる機能を提供することが重要です。
小売業界においては、すでに押し寄せていたオンラインショッピングの波が、パンデミックによりさらに加速しました。 eコマースの売上げは44年に2020%上昇しました。 ワクチン接種後に、買い物客は慎重ながらも店頭に戻りつつありますが、優れたオンラインエクスペリエンスを提供する必要性は、いまだに重要です。 店頭であろうがオンラインであろうが、顧客の好みと期待は常に変化しているため、アジリティは小売業が備えるべき重要な部分です。
小売企業のサポート担当者の78%が、日々の顧客との対話に1つ以上のチャネルを使用していると回答しています。一方で、一片的な顧客情報の管理には向上の余地があると回答したエージェントは、34%に上ります。 より優れたCXを達成するためのアジリティを実現するには、的確なデータ統合により、サポート担当者が必要な情報を常に見つけられる手段を備える必要がります。 AIのツールを駆使することによりデータを一元化し、購入履歴、請求情報、SNSのデータ、ロイヤルティプログラムまで顧客情報を1か所に集約することができます。 全てのデータに簡単にアクセスできるようになると、サポート担当者の効率が高まり、顧客の好むどんなチャンネルでも、迅速に的確な回答ができるようになります。
78%の顧客が、自分の好みに合ったコンテンツが表示されることで購買意欲が増すと回答しています。 パーソナライズされたコンテンツを大規模に提供することは困難ですが、AIの助けを借りれば可能です。 チャットボットやバーチャルエージェントは、サポート担当者に負担をかけずに、顧客の好みに関連したコンテンツを提供し、顧客からの大量の質問に回答することができます。 そして顧客が、注文品の状況や、問題解決、商品の交換などを短時間で簡単に完了することができれば、顧客のエクスペリエンスの向上につながり、同時にロイヤルティを高めることができます。
製造業における製品のカスタマーサポートは、他とは違う課題があります。 製造業には、複雑な長年の生産ラインが存在します。 徹底したトレーニングを受けていても、サポート担当者は、エンジニアの助けを必要とする、難易度の高い技術的な質問に直面することが頻繁にあります。 現代のCXにおいては一般的となった多くの課題に加え、サポート担当者は社内の他部署とのコラボレーションを簡単に行えるオプションが必要なのです。 しかしながら、47製造業のサポート担当者の%は、パンデミック以降、カスタマーサービス以外のチームとのコラボレーションが、より難しくなったと回答しています。 そして 58%が、他部署とコラボレーションすることで、作業効率の向上につながると回答しています。
製造業のサポートシステムにコラボレーション機能が構築されていないと、エンジニアチームや第三者機関のパートナーに連絡するため社内のメッセージングプラットフォームとEメールを切り替える作業に時間を費やさねばならず、時間の無駄です。 回答に時間がかかると、顧客満足度の低下を引き起こし、SLA(サービスレベルアグリーメント)の目標の達成が困難になります。
製造業者は、よりアジリティを高めCXを向上するために、作業過程においてシームレスに機能するコラボレーション機能をサポート担当者に提供する必要があります。 そのためには、他部署がチケットの情報を常に把握でき、必要に応じてチケットに関する専門知識を提供できるシステムが不可欠です。 サポート担当者は、エンジニアや他部署からのコメントを含むチケット全体の履歴を確認できることが大切です。それにより、サポート担当者は、必要なすべての知識が揃っている状態で顧客に返信することができます。
これらの作業を1つのプラットフォームから行えると、サポート担当者は的確な情報を迅速に収集することができ、顧客の問題をより効率的に解決することができます。
メディアとエンターテイメント業界の解約率は、昨年約37%前後を推移しました。 そして業界の多くの企業では、解約を適切に防止するためのCX体制が確立されていません。
現時点で、多くのメディアとエンターテイメント企業のサポート担当者は、複雑なシステム体制と複数かつまとまりのないバックエンドアプリを使用し、顧客サポートの対応をしています。 これは新規サポート担当者のオンボーディングに、困難をきたします。 そして統合していない多様な製品の使用により、サポート担当者は顧客情報の全体像を把握することができません。
サポート担当者のエクスペリエンスを向上するには(これが最終的にカスタマーエクスペリエンスにつながるわけですが)、異なるバックエンドアプリの重要なデータを1か所に集約する必要があります。 そうすることで、サポート担当者は顧客の全体像を把握でき、効果的なサポートを実現するために必要な情報にアクセスすることができるのです。
Vimeoは月間 25,000件のチケットを処理し、電話とライブチャットを含む複数のチャネルでサポートを提供しています。 「Rap Box」と呼ばれるカスタムアプリをZendesk内で使用し、サポート担当者は、メンバーシップの種類、サブスクリプションの更新日、アカウントが所有する動画本数など、役立つユーザー情報を確認しながらサポート業務を行うことができます。 顧客の全体像にアクセスできることで、より背景情報があり、さらに優れたカスタマーサービスエクスペリエンスを提供することが可能です。
CXを向上するだけでなく、様々なサポートツールが統合されると、あらゆる製品やプロセスの変更も容易になります。 「顧客をサポートする方法と顧客をサポートするチャネル自体は大きく変化します。」とVimeo社のコミュニティ運営責任者のCameron Dunn氏は話します。「しかし、サポート担当者の作業方法を頻繁に変更しないのが理想的です。」
医療機関は、世界規模のパンデミックに最も影響を受けた業界ではないでしょうか。 パンデミックがもたらした変化には一時的な部分がある一方、遠隔医療の普及はこれからも続くでしょう。 遠隔医療を使用する患者数は、11年の2019%から、46年には2020%に上昇しました。そして今日、患者の76%は今後も遠隔医療の使用に関心があると答えています。
医療組織には、今後何年にも渡り、テクノロジーへの投資を優先すべき理由があります。そして使用するシステムにアジリティを構築することは最優先事項です。 大規模な医療組織には、複数の拠点をまたいで活用できるパワフルさと、各拠点が独自のワークフローとプロセスを開発できる柔軟さを備えたシステムが必要です。 自動化を可能にするテクノロジーを導入することで、医療に重要なパーソナライズされたサポートを提供する能力を欠くことなく作業を効率化し、従業員の負担を軽減することができます。
Saludsa, an Ecuadorian healthcare company, started providing telehealth back in 2014 but suddenly saw telemedicine queries soar by 400 percent in 2020. Because they’d already implemented technology that allowed for automated workflows, they were able to scale the service seamlessly. And increased efficiency didn’t disrupt patient results; the Net Promoter Score (NPS) for their 24/7 medical service increased from 5 to 8.5 out of 10. Having the right tech ensured they were agile enough to react to big changes on a fast timeline.
テクノロジーとソフトウェア企業にとって、成長は1番の目標です。 業界の多くの成功した企業は、人員採用や買収、または合併などを経て、急速に大きな成長を遂げました。 継続的な成長は、頻繁な変更を意味し、テクノロジー企業は容易に拡張できる必要があります。 加えて、テクノロジーの世界は目まぐるしく変化するため、企業はトレンドや変化する顧客の嗜好に素早く対応できる能力を備えていることが重要です。
定期的に新規採用者をトレーニングする企業の場合、管理の行き届いた効率的なシステムを利用することで、従業員は速やかに日々の作業に馴染むことができます。 カスタマーサービス担当者にとって、パワフルで習得しやすいテクノロジーが、まさにそのシステムです。
ソフトウェアを提供するIdeagenは、過去9年間、毎年規模が2倍に拡大しています。 Zendeskを導入して以来、プラットフォームの使いやすさと自動化のオプションを活用することで、新しいチームメンバーのオンボーディング作業を簡素化することに成功しました。 これは特に、パンデミックの中、サポート業務を強化するため企業内のボランティアを教育する際に役立ちました。使いやすい機能を備えた製品のおかげで、迅速に作業を習得し、即座にサポートを開始することができました。
カスタマーサービスソフトウェアは単にサービス担当者の作業を楽にするものではありません。 テクノロージーが有用なデータを生成すれば、堅実なビジネスの意思決定が可能になります。 Ideagenはカスタマーサポートデータを活用することで、顧客が経験するログインの一般的な問題を検知することができました。 製品チームとこれらのインサイトを共有することで、製品を改良することに成功しました。それにより、カスタマーエクスペリエンスが向上しただけでなく、カスタマーサポート担当者のチケット処理数を25%削減することができました。
アジリティを高める
どの業界であっても、世界での出来事、市場の変化、変わりゆく顧客の期待に対応し適応する能力が、長期的に成功を持続する鍵となります。 アジリティはいつの時代も価値あるものでしたが、時とともにその重要性は増しています。 今日、プロセスとテクノロジーを導入することで、時の経過とともに適応するために必要な柔軟性が備わり、これから先何年にも渡り恩恵を受けることができます。
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