顧客と企業をつなぐという役割を担うカスタマーサービスは、近年その重要性が広く認識されるようになり、期待される業務範囲も拡大しつつあります。「顧客との接点」という企業にとって必要不可欠な存在でありながら、膨大な人件費がかかるコストセンターと認識され、常にコスト削減を迫られてきたカスタマーサービスも、今や直接収益を上げるプロフィットセンターとして期待される存在になりました。しかし一方で、未だコストセンターという認識を変えられない企業や、その可能性を理解しながらも改革がうまく進んでいない企業が多いのも事実です。
そこでこの記事では、カスタマーサービスをプロフィットセンターにすることによるメリットを整理し、改革を進めるための具体的な施策について解説していきます
カスタマーサービスをプロフィットセンターにすべき理由
プロフィットセンターとは
プロフィットセンターとは、企業の中で利益を生み出す部門のことを指します。たとえば営業、販売部門などがそれにあたり、利益(収益 – コスト)を集計してそれを大きくすることを目標に掲げています。
コストセンターとは
コストセンターとは、企業の中で直接利益を生み出さないとされる部門のことをいい、一般的には人事、総務、社内ITなどバックオフィスなどを指します。カスタマーサービスもコストセンターと位置づけられることが多いですが、今はプロフィットセンターとして機能している例も多くあります。
カスタマーサービスをプロフィットセンターにすべき理由
カスタマーサービスは、商品などを直接売る営業部門や販売部門などと異なり明確な収益がないため、一般的にはコストセンターとよばれています。しかし実際には、商品の購入を迷っている人をサポートして購入に誘導したり、クレームに適切に対応して顧客の離脱を防いだりすることで、カスタマーサービスも売上に貢献していると認識されるようになってきました。
カスタマーサービスをコストセンターではなく、プロフィットセンターと位置づけを改め、カスタマーサービスでどのような対応を行うことにより企業の売上増加に貢献できるかを戦略的に考えることにより、より売上に貢献するカスタマーサービスを実現することができます。
カスタマーサービスをプロフィットセンターにする方法
カスタマーサービスのKPIに売上につながる指標を追加する
カスタマーサービスのKPIには「問い合わせへの回答までにかかった時間」や「解決率」などがあります。これらの指標は業務効率の改善や顧客満足度の向上などを目的として設定されているものですが、ここに売上に関するKPIを追加することで、カスタマーサービスチームに収益への寄与を意識づけることが可能になります。たとえば、「問い合わせ後の購入率・成約率」や「リテンション率(継続率)」「解約阻止率」といった指標が用いられています。
ボットを導入し、売上・成約につながる仕組みを構築する
カスタマーサービスに「ボット」を導入している、または検討している企業も多いでしょう。システムが自動応答で会話しながら顧客対応をする「ボット」は、カスタマーサービスの負荷を軽減してくれるだけでなく、顧客からの問い合わせを売上・成約に直接結びつけるツールとしても活用されているのをご存知でしょうか。
たとえばECサイトにおいて、自動応答で顧客の好みや希望を聞き出してそれに合った商品の購入ページに誘導している例や、予約サイトにおいて、ボットで必要な情報を入手して適切なプランを提案し、予約ページに誘導している例などがあります。
問い合わせから売上につなげ、それを収益として集計することで、カスタマーサービスをプロフィットセンターとして機能させることが可能になります。また、カスタマーサービスの業務の中から売上につながるポイントを洗い出してボットに組み込んだり、顧客の好みに合わせて追加提案をすることでアップセルやクロスセルにつなげたりすることで、さらなる収益向上も図れるでしょう。
まとめ
カスタマーサービスは、企業の中でもコストセンターとして認識されており、常に人件費削減を迫られる存在でした。しかし今は、カスタマーサービスにプロフィットセンターとしての役割を与え、企業の収益向上につなげている例が数多くあります。
Zendeskでは、顧客からの問い合わせにAIを搭載したボットが自動で回答する「Answer Bot」を提供しています。ボットを活用すれば、顧客が疑問をその場で解決でき、顧客満足度が向上することでロイヤルカスタマーの創出につながります。また、顧客を目的のページへスムーズに誘導できれば直接的に売上増加にも貢献することができます。
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