カスタマーサービスのパフォーマンスはどのように計測すればよいのでしょうか? どの指標も貴重なデータですが、部門の状態を正確に測定して、的確な意思決定を行ううえで特に役立つ指標があるのも事実です。また、顧客満足度を確保する際に重要になる指標もあります。
カスタマーサービスに関する指標の3つのタイプとは?
顧客との関係に関する指標
サポート担当者のパフォーマンスと効率に関する指標
部門のパフォーマンスと効率に関する指標
カスタマーサービスの指標を測定する方法
素早く簡単に顧客にフィードバックを求める方法に、顧客満足度アンケートがあります。カスタマーサポートを測定するためにZendeskが採用している方法は、簡単ながらも効果的です。カスタマーサポートとのやりとりに満足したか不満を感じたかを顧客に尋ね、フィードバックに関するデータを収集しています。アンケートに使うフォームは、詳細なフィードバックを残したい顧客のために、コメントが追加できるようになっています。
取得した顧客満足度(CSAT)のデータは、カスタマーサポート部門のさまざまな目的に利用できます。実際、この指標はいろいろな角度で見ることができ、例えば、次のような観点で追跡・測定できます。
一定期間における顧客ごとのCSATの推移
顧客の種類別CSAT
チャネル別CSAT
商品またはサービス別CSAT
サポート担当者・部門の平均CSAT
こうしたカスタマーサポートの指標を追跡しておくと、顧客がどんな体験をしているのかを理解できます。これが理解できれば、カスタマーサービス部門の運営プロセスや、今後の開発の指針として用いられる商品ロードマップなど、社内の幅広い範囲での改善につなげられます。
「顧客努力指標」(CES、カスタマーエフォートスコア)と呼ばれる指標を用いる企業もあります。一般的に、CESを使用する企業は、この指標をCSATの代わりに用いています。まずはアンケートでCSATを把握して、カスタマーサービスに関する有益なフィードバックをすべて収集できたと感じた場合にCESの使用に移行する企業もあります。いずれにしても、できるだけ多くの顧客に満足度を評価してもらうことが非常に大切です。
CESとCSATのどちらを使う場合でもひとつ断言できることは、顧客体験の質を向上させて全般的な顧客満足度を高めるためには、顧客の負担を減らすことを明確に部門の目標としたうえで、これに重点的に取り組まなければならないという点です。
サポートとの個々のやりとりではなく、顧客関係の全体像をつかむ必要がある場合は、NPS®(Net Promoter Score、ネット・プロモーター・スコア)を使用できます。アンケートでNPSを取得すると、顧客ロイヤルティやリピート購入の可能性がどれくらいあるかを把握できます。また、ブランドを他者に積極的に勧めてくれる顧客が獲得できるようなサービスを提供できているかも評価できます。NPSを調べるには、「弊社をお知り合いの方に勧める可能性はどのくらいありますか?」というような質問をします。
SNSに関する指標
各種ツールを利用してSNSを継続的にモニタリングしておくと、カスタマーサービスに関するフィードバックを簡単に収集・分析できます。この種の指標は次を判断する時に役立ちます。
不満を感じている顧客によるコメントと考えられる投稿がどれくらいあるか
技術的な質問や個別のアカウントに特有の質問がどれくらいあるか
ポジティブやネガティブなフィードバックが含まれたコメントがそれぞれどれくらいあるか
ナレッジベースのコンテンツへのリンクがあれば解決できる質問がどれくらいあるか
返信することがブランドのアピールになるコメントがどれくらいあるか
SNSを利用する顧客が多い時間帯はいつか
解約に関する指標
購入やサブスクリプションをキャンセルする顧客にキャンセルの理由を尋ねることも、フィードバックを取得するひとつの方法です。特にサブスクリプション型ビジネスでよく用いられている方法です。このデータはチャーンレート(顧客の離脱率)を測定する場合や、一定期間における解約の推移のレポートを作成する際に役立ちます。メール等でキャンセル理由を回答してもらうのではなく、ユーザーの管理画面内でキャンセル手続きを行えるようにし、キャンセル理由を選んでもらうようにすると、回答率が大幅に上がります。
カスタマーサービスの指標を改善する方法
指標を用いた評価を実施して改善点を把握するためには、次のような観点で短期的および長期的な顧客満足度を測定する必要があります。
サポート部門とのやりとりに対する満足度に注目しましょう。部門が提供しているカスタマーサービスを定量的および定性的に計測するために指標を活用しますが、常に顧客との関係を改善することに焦点を当ててください。
サポート部門に問い合わせる際に、顧客がどれくらいの労力をかけたかを測定するようにしましょう。適切なレポートツールを用いてカスタマーサービス部門のパフォーマンスを継続的に確認しながら、未対応チケットの管理、平均応答時間、顧客関係の健全性について設定した基準と比較します。また、顧客がどのようにFAQサイトなどのナレッジベースを利用しているかも確認するとよいでしょう。ナレッジベースのようなセルフサービスは、提供する価値のあるオプションです。自分で解決策を見いだせるセルフサービスを望む顧客は増えています。
アンケートを実施して、企業との全てのタッチポイントを通じて顧客がどのような体験をしているかを理解しましょう。運用にあたって一定の基準を設けておくと、部門として長期的なパフォーマンス目標を設定する時に、現実的な目標を設定しやすくなります。例えば、チャットを望んでいるのはロイヤルティの高い顧客なのか、解決時間や応答時間など顧客の満足度に影響を及ぼす要素に部門として取り組む必要があるか、といったことがアンケート結果から判断できるはずです。
あらゆるチャネルや指標を追跡するようにしましょう。SNSはもちろんのこと、顧客が解約を決めた時に得られる指標も計測する対象になります。サポート担当者が問い合わせを解決済みに設定するまでの平均時間や、カスタマーサービス部門が定められた問い合わせ処理時間を守れているかといった点も必ず確認する必要があります。
未解決チケットのステータスや総数にも注目しましょう。そうれば、どれぐらいの量の問い合わせを受けていて、現在のリソースで対応が間に合っているかを理解できます。問題の解決に要する時間が顧客の予想よりも長くなったり、部門で設定しているパフォーマンス目標を上回ったりすることも、時にはあるかもしれません。解決までの時間が長くなればなるほど、顧客満足度が下がる可能性は高くなり、結果的に顧客ロイヤルティも下がります。
おわりに
以上がカスタマーサービスに関する重要な指標、および改善方法です。Zendeskのカスタマーサービスソリューションなら、カスタマーサービスで重要な指標を簡単に測定・分析できます。また、サポート担当者の対応に対して、顧客からフィードバックを得る機能も搭載しています。まずは14日間の無料トライアルでZendeskがどのようにお役に立てるのかをご体験ください。
Net PromoterおよびNPSは、Bain & Company, Inc.、Satmetrix Systems, Inc.、およびFred Reichheldの米国の登録商標です。Net Promoter ScoreおよびNet Promoter Systemは、同3社のサービスマークです。