企業では、事業の成長と顧客の獲得だけが重視されることが少なくありません。
しかし、既存の顧客を大切にするための投資と感謝を示すための活動は、企業に利益をもたらします。
実際、新規顧客の獲得にかかる費用は、既存の顧客を維持するための取り組みの5~25倍にも及び、リテンションレート(顧客維持率)をたった5%上げるだけで、利益が最大95%増えることもあるほどです。
顧客を大切に思う企業の気持ちがしっかり伝われば、企業と顧客の間の関係が強化され、顧客満足度が高まります。これは最終的には、顧客ロイヤルティと顧客生涯価値(LTV)の向上にもつながることです。
この記事は次の構成になっています。
顧客感謝とは?
顧客感謝とは、顧客の価値を認めて感謝を示す行為です。企業の場合、顧客満足度の向上への取り組みに励み、顧客との間に有意義な関係を育むことで、顧客に感謝を伝えることができます。
顧客感謝の定義
顧客感謝の定義は、業種によって異なります。
愛の言葉が人それぞれ違うように、企業が顧客に感謝を示す方法にもバリエーションがあります。カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience、CX、顧客体験)を率いる3人に、顧客感謝の意味を聞いてみました。
顧客感謝とは顧客エンゲージメント
顧客向けギフトをネット販売するLoop & Tieでは、「顧客感謝」とは、「製品やサービス以外の部分でも企業との間に関係を構築したい」と顧客に思ってもらえるようにすることと定義しています。
「顧客感謝とは、単に『謝礼』をすることではなく、顧客エンゲージメントを生み出すことです。 そのためには、顧客が何を必要としているかを考え、求められる以上の方法で配慮や思いやりを示さなければなりません」とLoop & Tieでチーフグロースオフィサーを務めるBenish Shahは語ります。
顧客感謝とは顧客に耳を傾けること
Zapposでカスタマーロイヤルティチームのシニアマネージャーを務めるHarmoni Hinesは、Zapposにとっての顧客感謝とは、顧客に耳を傾けて、感情という深い部分で人間らしいつながりを築きながら、そこで得たフィードバックを企業としての改善に結びつけることであると説明しています。
「Zapposのカスタマーロイヤルティチームは日々お客さまと接する機会があるので、耳を傾けることで感謝を示しています。それが結婚式であれ、マラソン大会の初参加であれ、ときには電話をかけてきたお客さまの話を聞いて喜びを分かち合うことで感謝を示すこともあります。常に意味のあるつながりを深めて、お客さまが日常の中でどんなことを経験しているかに耳を傾けるように努めています。お客さまからの意見は非常に貴重です。カスタマーロイヤルティチームでは、よりよい体験を提供するために取り入れられる改善点をいつも探しています」とHinesは言っています。
顧客感謝とは顧客に負担のない体験を作り出すこと
Zendeskで研修・品質保証担当ディレクターを務めるHolly Vande Walleは、顧客感謝とは顧客にとって負担のない体験を作り出すことだと考えています。
Vande Walleはこう語っています。「カスタマーサポート部門は、サポート担当者がそれぞれの顧客の状況を的確に認識できるようなツールと体制を整えなければなりません。顧客がどんな状況、どんな意図で問い合わせてきたのか、緊急性がある問題なのかを明確に理解できれば、顧客を待たせ続けたり、何度も同じ情報を説明させたりすることも、社内のあちこちの部門にたらい回しにすることもなくなります。それがカスタマーサービスにとっての顧客感謝です」
以上を総合すると、企業がどう「顧客感謝」を定義していようと、最終的には、企業に大切にされていると顧客が実感できるようにして、よりよい関係を構築することに行き着きます。
顧客感謝が重要な理由
顧客感謝は、カスタマーサービス部門の成功を左右するだけではありません。その影響は企業の売上にも及びます。
実際、米国の中小企業局によると、消費者の68%は、企業からの配慮が感じられないと、それが理由でその企業から購入することをやめるといいます。
顧客に感謝を示すことには、次のようなメリットがあります。
1. 顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上
Vande Walleは、顧客感謝、顧客満足度、顧客ロイヤルティは相互に密接に関連していると考えています。「CSAT(顧客満足度)に直接影響が及ぶことをみても、顧客感謝が重要なことは明らかです。感謝されていると実感した顧客は、ブランドにロイヤルティを感じることで企業に報いてくれます」とVande Walleは言います。
CSATに直接影響が及ぶことをみても、顧客感謝が重要なことは明らかです。感謝されていると実感した顧客は、ブランドにロイヤルティを感じることで企業に報いてくれます」
Zendesk研修・品質保証担当ディレクター Holly Vande Walle
2. 顧客生涯価値(LTV)の向上
感謝されていると感じた顧客はリピート購入してくれるだけではありません。購入金額が上がり、LTVが高まることを示す調査もあります。
3. 競合他社からの差別化
Vande Walleは「顧客感謝は他社と比べてどう突出した存在になるか」だと言います。
企業の89%は他社よりも優れたカスタマーエクスペリエンスにしようと、しのぎを削っています。顧客に感謝の気持ちをしっかり伝えられれば、製品やサービスを超えた部分で差別化を図れます。
4. ブランドの評判の向上
Zendeskの調査から、顧客の88%は購入を決める前にレビューを確認することがわかっています。
他者の意見が消費行動に与える影響は、割引キャンペーンの効果さえも凌ぐことがあります。
ブランドのファンは、企業の感謝を実感した顧客から生まれることが多いものです。同様に、好意的なレビューやSNSの投稿をしてくれるのも、自分の体験を友人に伝えてくれるのも、やはり企業に大切にされていると感じている人に多いといえます。
「時間をとって顧客満足度アンケートに記入してくれる。高い評価を残してくれる。好意的なフィードバックをしてくれる。こうしたことは、顧客に感謝がしっかり伝わっていることの表れです」とVande Walleは言います。
5. 難局を乗り越えやすい
顧客感謝は事業がうまくいっている時だけでなく、先行きが不透明な時にも大切です。
PRでの大失敗、サービスの中断、パンデミックなど、企業には必ず先行きが見えない時期が訪れます。企業としてしっかりと顧客に配慮できていれば、企業や景気の浮き沈みに関係なく、支援し続けてくれる顧客が増えます。
お客さま感謝デー
お客様感謝デーは、企業が普段とは違う特別なことをして顧客に感謝を示す日です。
公式のお客様感謝デーは4月18日ですが、独自に別の日を選んでいる会社も、お客様感謝ウィークを設けているブランドもあります。
とはいえ、顧客感謝を1日または1週間に限定する必要はありません。多額の資金を投入して趣向を凝らしたイベントをしなくても、顧客に感謝を示すことはできます。
実際、顧客の心に残るのは、日常の中であった小さな出来事であることが少なくありません。問題をあっという間に解決してもらえた、問題が大きくなる前に企業側から率先して連絡してもらえた、そんな経験をした顧客は長い間そのことを覚えています。
無料ギフトや割引がなくても感謝は伝わる
「サポート担当者が心から感謝の言葉を伝えれば、それだけで顧客に伝わります。何も特別なことをする必要はなく、無料ギフトや割引も必要ありません。顧客がサポート担当者に何よりも望んでるのは、自分の状況の正しい理解と、その問題が重要であると感じてもらうことです」とVande Walleは言います。
費用をかけずに感謝の気持ちを顧客に伝える10の方法
顧客に感謝の気持ちを伝えるために大がかりなことをする必要はありません。それでも、企業から大切にされているとは感じていない顧客が多いのも事実です。Vande Walleによると、「ほとんどの顧客は、大切にされているとも、ないがしろにされているとも感じておらず、その中間」だといいます。
顧客感謝にまつわる企業と顧客の間の認識のギャップを埋めるためにも、企業は顧客にはっきりわかる形で感謝を伝えていく必要があります。日常的に取り入れやすい顧客に感謝を伝える10の方法をまとめました。
共感を示す
耳を傾ける
フィードバックを活用する
個別化(パーソナライゼーション)した対応をする
先を見越す
顧客重視の企業文化を構築する
顧客が大切にしている正義を支持する
求められている以上のことをする
お礼状を送る
1. 共感を示す
たいていの場合、顧客が望んでいるのは、企業に理解してもらっていると実感することです。このためには、顧客に共感を示す必要がありますが、これはカスタマーサービス部門に限られたことではなく、企業全体として取り組むべき事柄です。
Zapposでは、顧客とのつながりと共感を非常に大切にしているため、カスタマーロイヤルティチームはどんな話をするための電話やテキストメッセージも顧客から受け付けています。「土曜日にひとりで寂しい」「Netflixのおすすめを教えてほしい」など、顧客は商品とは無関係の話をするために問い合わせることができます。
カスタマーロイヤルティチームで働く社員には、顧客との間に関係を構築するために必要なことであれば、解決までの時間を長引かせる結果になるとしても、その対応をする権限が与えられています。
「今ほど顧客が話相手を必要としていることはありません。Zapposは喜んで耳を傾けるようにしています。当社のカスタマーロイヤルティチームには、どんなに長くなっても必要なだけ電話で対応することが認められています」とHinesは言います。Zapposの最長通話記録は10時間51分です。これほど長い電話はなかなかありませんが、2時間程度の電話は日常茶飯事です。
「今ほど顧客が話相手を必要としていることはありません。Zapposは喜んで耳を傾けるようにしています。当社のカスタマーロイヤルティチームには、どんなに長くなっても必要なだけ電話で対応することが認められています」
Zapposカスタマーロイヤルティチーム担当シニアマネージャー Harmoni Hines
2. 背景情報を理解していることを顧客に伝える
部門をたらい回しにされて待たされたあげく、相手に話を聞いてもらえない、何度も同じ説明をしなければならないと顧客が感じる状況では、感謝の気持ちは伝わりません。
背景情報を理解できていれば、サポート担当者は顧客の声に適切に耳を傾けることができ、顧客も話を聞いてもらっていると感じます。
Vande Walleは次のように述べています。「今日の企業は、メモを取り背景情報を確認するためのデータやシステムを利用できる体制を整えられます。環境を整えておけば、顧客の問い合わせにもより適切に対応でき、メールやアカウントの種類などを確認するお決まりの質問で顧客をうんざりさせることもなくなるはずです」
顧客がどの方法で問い合わせている場合も、サポート担当者が連絡先やその顧客が過去に経験した問題など、関連する基本的な背景情報を確認できるようにする必要があります。
顧客に感謝を伝えるためにできること
顧客に耳を傾けるだけで、企業の感謝の気持ちは顧客に伝わりやすくなります。
積極的に耳を傾けていることが顧客に伝わるように、サポート担当者が次のような背景情報を確認できる環境を整えるようにしましょう。
アカウント情報
連絡先
過去に問い合わせがあった問題
この体制を整えるだけでは十分ではありません。
携帯のアプリ、請求システム、マーケティングソフトウェアといった各種情報源からの顧客情報の統合も必要です。これができれば、企業全体でひとつの顧客データを使うことになるため、製品の使用状況、カートに入れたまま購入しなかった製品、企業からのメールの開封状況といった背景情報に社内の誰もがアクセスできるようになります。これらは顧客がわざわざ口にしなくても、企業として当然把握していると思っているような情報です。
これをもう一歩進めて、企業は会話を通じて読み取った顧客の感情についての背景情報も明確に理解しておくべきです。AIを活用すれば、現在進行中の会話について顧客の感情を読み取り、満足度をリアルタイムで予測することも可能です。こうした対応をすれば、気分を害している顧客がいた時に適切な対応がしやすくなり、やりとりが破綻するのを回避できます。
3. 顧客からフィードバックをもらう仕組みを作る
顧客からフィードバックをもらう仕組みを作れば、顧客感謝についての企業戦略を強化できます。例えば、次のような取り組みができるでしょう。
顧客満足度アンケートをして、評価が低かった回答を分析する。サポート部門のマネージャーはこのデータをサポート担当者の育成や顧客対応のコーチングに役立てられます。
- 「顧客の声」プログラムを設けて、顧客からのフィードバックを全社で共有する。例えば、サポート担当者が顧客からの機能の要望や苦労している点を製品部門と共有できれば、その情報を製品のアップデートに役立てられます。
- コミュニティフォーラムをバーチャルフォーカスグループとして活用する。コミュニティーフォーラムに寄せられたフィードバックは、そのグループの中で自然に生まれてきたものであるため非常に貴重です。そこでの発言は、誰からの影響も受けていない顧客の生の声です。企業が主催する従来型のフォーカスグループの場合、参加者の回答は間接的であったとしてもやはり司会者の影響を受ける傾向があります。
4. 顧客に真に役立つサポートにするためのパーソナライズにデータを活用する
満足度の高い顧客の体験は、単に「顧客の問題を解決して次の業務に移る」という取り組み方では生み出せません。
どんなに多くの顧客を相手にする時も、それぞれの状況をしっかりと理解したうえで適切にパーソナライズして対応する必要があります。
実際、Zendeskの調査によれば、顧客の76%は次をはじめとするパーソナライズを期待しています。
顧客が好む方法での問い合わせに対応する
アカウントの種類や顧客ライフサイクルの状況に適したメッセージ内容にする
顧客の好みを把握して、よりよい体験を生み出す
感謝の気持ちが顧客に伝わるパーソナライズされた顧客体験を生み出すためには、共感をもちながら顧客情報を賢く活用しなければなりません。
パーソナライズされた価値ある内容を届けられるかどうかが、迷惑メールとして捨て置かれるか、ブランドロイヤルティの構築につながるかの分かれ目です。
顧客に格別な気分を感じてもらう方法
パーソナライズされた体験をした顧客は、自分が特別な存在であると感じます。まずは、顧客がチャネルを選択できるようにすることから始めましょう。
豆知識:Zendeskの調査によると、顧客満足度が最も高いチャネルはメッセージングアプリで、CSATは98%です。
5. 先を見越した対応をする
プロアクティブなサポート対応とは、前もって顧客のニーズを予測して、問題が大きくなる前、あるいは問題が起こる前に対応することです。これができれば、顧客からの信頼が高まり、長期的な関係を築いていけます。
Eコマース企業であれば、購入手続き用のページに チャットボットを展開して、顧客が購入を断念する前に、よくある質問に答えられるようにするのもいいかもしれません。
また、インターネットプロバイダーであれば、予定されているサービスの中断をテキストメッセージで顧客に知らせるようにしてもよいでしょう。
Vande Walleは、景気が悪い時期にはそっとしておいてほしいと思っている顧客もいるため、意図的に連絡を取らない期間を設けることで理解と共感を示すことを勧めています。
6. 顧客重視の企業文化を構築する
企業として顧客に感謝を伝えるのは、カスタマーサポート部門だけの責任ではなく、またひとつの部門だけが担当するものでもありません。社員一人ひとりが顧客重視を企業のDNAの中心に置きながら業務に取り組む必要があります。
例えば、Hinesは顧客感謝こそZapposのあり方だといいます。どの部門に採用された人も、新人研修の一環で全員がカスタマーサービスの電話対応をすることで、顧客との間に人間としてのつながりを確実に築けるようにする、という徹底ぶりです。
「Zapposが掲げる10のコアバリューのひとつが『前向きなチームと家族精神を育てる』です。私たちにとって顧客は家族です」とHinesは言います。
7. 顧客が大切にしている正義を支持する
実に消費者の70%は、社会的な課題や政治的な問題に対するブランドの立場を表明してほしいと考えています。
「多様性の確保や新型コロナウイルス感染症のへの対応など、消費者は企業にも自分が大切に思っている活動に実質的な貢献をしてほしいと考えています」とVande Walleは言います。これは、顧客が大切にしている信条や運動に企業として提供できる時間や資金、共感などで貢献することを意味します。
8. 求められている以上のことをする
余力がある時は、求められる以上のことをするようにしましょう。
顧客の期待を上回る対応ができると、実際に大きなメリットが得られます。顧客の77%は満足のいく体験をしたら、その会社を他の人に勧めるといいます。
Zapposでは、カスタマーロイヤルティチームのために、求められる以上の顧客対応がしやすい環境を整えています。「家族を亡くしたと耳にした時は、花束を送ることも少なくありません。Zapposに招待するためにラスベガス行きの航空券を贈ったことさえあります」とHinesは言います。
9. お礼状を送る
購入してくれた顧客には、どんな方法で感謝を伝えていますか?
感謝の気持ちは大切です。ときには、企業が顧客のことを大切に思っていると、言葉で伝えることも必要です。
パーソナライズされたお礼状を送るようにすると、より人間らしい体験を生み出せます。Zendeskでは、パーソナライズしながら、顧客に感謝を伝えるメールやお礼状を環境に優しい方法で送れるようにThank You Machineを用意しています。ぜひご活用ください。
9. うれしい驚きを誘うギフトを顧客に贈る
相手を喜ばせるプレゼントを贈ると、その人との関係を大切に思う気持ちが伝わるのは、友人でも顧客でも同じです。
顧客にギフトを贈ると、NPS(Net Promoter Score℠、ネット・プロモーター・スコア)が高まることや、成約や契約更新が増えることもあると、Shahは言います。
顧客にギフトを贈るタイミングと方法についてヒントをまとめました。
顧客に感謝を伝えるギフト
Shahによると、顧客へのギフトは季節を問わず年中いつでも贈ることができ、顧客との関係がどのステージにある場合にも効果的だといいます。企業はよく次のようなタイミングで顧客に感謝を伝えるギフトを贈っています。
顧客に感謝を伝えるギフトの種類
- 見込み客へのギフト
見込み客になかなか電話に出てもらえない時は、「ギフトを贈って相手の注意を引く」というのがShahのアドバイスです。見込み客にギフトを贈ると、ミーティングを設定できることが増えます。 - 成約ギフト
契約締結のタイミングには、クライアントや部門にギフトを贈る習慣があります。 - 慣習的なギフト
記念日や盆暮れ、顧客の累積購入額が一定額に足した時などにギフトを贈ります。「プレゼントを贈ることは、人生のいろいろな瞬間を顧客と喜び合うのにぴったりの方法です」とShahは言います。 - Shahの言うところの「お伺い」やうれしい驚きのギフト
誕生日や記念日、契約の更新とは関係のない日にプレゼントを送ると、顧客は自分が大切にされていると実感できます。 - 「お詫び」のギフト
顧客との間に問題が生じて、企業として心からの謝罪をしたい時には、ギフトを贈ると気持ちが伝わります。
顧客に感謝を示すためのギフト
「ギフトを贈る時は、心遣いとパーソナライズでブランドに対する印象が高まるような方法にすることが大切」だとShahは言います。高級品や機転の利いた包装のギフトを贈っても、それだけで必ず口コミにつながるわけではありません。ブランドに対する印象を高めたければ、配慮の行き届いたギフトで顧客に感謝を伝える必要があります。
「ギフトは心遣いです。ギフトを贈る時は、相手に感謝の気持ちを伝えることと同じくらい、ブランドを代表していることを忘れないようにしなければなりません」
Loop & Tieチーフグロースオフィサー Benish Shah
顧客に感謝を伝えるアイディアをご紹介します。
慈善事業への寄付:顧客が選択した慈善団体に寄付をする、社会貢献を果たすブランドが販売するギフトを贈るなど、いろいろな方法があります。
花
話題になっているテクノロジー製品:ヘッドフォン、スピーカー、Apple Watchなども人気です。
パイロットプログラムへの早期アクセス権
ロイヤルティプログラム:SephoraのBeauty Insideリワードプログラムは、取得したポイントに応じて顧客が商品を選べるようにしています。Starbucks Rewardsでは、携帯のアプリで無料のドリンクやフードをプレゼントしています。
紹介プログラム:Harryでは、友人を紹介するごとに紹介者に無料の商品を進呈するとともに、紹介された友人も割引で購入できるようにしています。
デスク用の小さな観葉植物やノートなどのオフィス用品
アロマキャンドルやオンラインでのヨガクラスなどの健康関連ギフトs
お気に入りのコーヒーショップやAmazonなどのギフトカード
パズルなどのアクティビティ
所属する業界に関連する書籍
ボランティアイベントや企業イベントへの無料パスなど、ブランドと時間を過ごすアクティビティ
割引
「どのギフトが適切かは、相手とタイミングしだいです。顧客に何かを贈る時には、逆にどんなものが不適切かを考えるとよいでしょう」とShah は言います。
アルコール:相手が飲酒することを知っている場合だけにしましょう。飲酒しない人に贈ると、相手の気分を害することがあります。
- 食品:顧客の食事制限を理解していない限り、避けた方がよいでしょう。
「ユダヤの戒律やベジタリアンで肉食を避けている人に肉製品を送ったり、イスラム教の戒律で豚肉を食べない人にソーセージを送ったりすると、それがいつまでも受け手の記憶に残ることになります」とShahは補足しています。 - 顧客のためとは言えないほどブランドを前面に押し出したギフト
無料で配布されているのを社内で目にしたことがあるようなものは、顧客のギフトに選ばないようにすべきだと、Shahはアドバイスしています。「マーケティングのチャンスを逃してはならないとばかりに、ブランド名入りの水筒を贈る会社も少なくありません。ですが、万人受けするブランドの名前入りグッズを送ることよりも、一刻も早くそして少しでも長くブランドを話題にしてもらえる使うようなギフトにするほうが大切です」とShahは説明しています。
顧客感謝の向上
旧友と同じく顧客ロイヤルティも宝です。顧客に心からの感謝を伝えるブランドは、顧客との間により人間らしいよりよい関係を築いていけます。何よりも考えすぎないことが大切です。日常の些細な事柄でも、長期にわたり好影響をもたらすことができます。