今、カスタマージャーニーのあらゆる段階で重要なチャネルとなっているのがメッセージアプリです。消費者の83%が、企業の製品やサービスについて調べる際にメッセージアプリを利用しているほか、製品の購入や(75%)サポートリクエスト(76%)といった目的でも利用されています。
人気の理由は、その利便性の高さです。消費者は、普段から友人や家族とのやり取りにメッセージアプリを利用しているうえ、メッセージアプリなら返事をじっと待っている必要もありません。メッセージを送ったら、いったんアプリを閉じて、また後で確認すればよいだけです。
メッセージアプリを使えば、企業は消費者と直接つながることができ、顧客が期待するレベルのパーソナライズされたサービスを提供することができます。このように、メッセージアプリを使って消費者とつながりを深めるビジネスの手法は、「会話型コマース」と呼ばれています。
ただし、会話型コマースに成功している企業はほんの一握りです。
多くの企業は、会話型コマースを「メッセージアプリを通じて製品やサービスを販売すること」だと捉えています。しかし、真の会話型コマースとは、「メッセージアプリを通じて、カスタマージャーニー全体で顧客と会話を継続させること」なのです。
1.適切なチャネルを使用していない
自社のWebサイトでチャットやメッセージ機能を提供するだけでは不十分です。顧客が日ごろから使用しているサードパーティー製のアプリも統合させる必要があります。
事実、「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2020」によれば、消費者の半数は、友人や家族に連絡するときと同じチャネルで企業のカスタマーサービスにも連絡をとりたいと考えています。
まずは、自社の顧客が好むメッセージアプリを調査しましょう。SimilarWebの調査によると、韓国のスマートフォンユーザーの90%はKakaoTalkを利用しています。一方、インドでは、アンドロイドユーザーの94.8%がWhatsAppを利用しています。また、Facebook Messengerは世界で2番目に人気の高いメッセージアプリで、特に米国のユーザーから支持を集めています。
Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2020
会話型コマースを成功させたいなら、自社の顧客が利用しているアプリを導入することが欠かせません。顧客ベースにとって最も使いやすいサードパーティー製アプリを統合させましょう。
2.複数のアプリを個別に管理している
各種メッセージアプリを含むチャネル全体を1か所で管理できるのが理想的です。そうでないと、顧客の全体像が把握できず、一貫性のないサービスを提供することになってしまいます。/p>
ワイヤレスキーボードを購入した顧客を例に考えてみましょう。購入から3か月後、キーボードが故障してしまったため、顧客はFacebookを通じて購入元の企業にメッセージを送りました。
すると、サポート担当者から「当日中に代替品を発送する」との返事がありました。
ところが、数週間経ってもキーボードは顧客の元に届きません。そこで顧客は、企業のWebサイトにアクセスし、チャットサポートのウィジェットをクリックしました。このとき窓口となったのは先日とは別の担当者で、これまでの経緯を把握していなかったために、顧客はまた一から、何に関する問い合わせか、前回の担当者はだれだったか、既にどんな対処法を試してみたかなど、詳細を説明しなければなりませんでした。
チャネルの分断がもたらす悲劇
消費者への調査によると、何度も同じ説明を繰り返さなければならないことは、カスタマーサービスで感じる苛立たしい要素のトップ3に含まれており、満足度の低いカスタマーサービスにつながります。
つまり、コミュニケーションチャネルの管理が一元化されていないと、顧客が離れていってしまうおそれがあります。
カスタマーエクスペリエンスに関するデータについてさらに詳しく知りたい場合は、「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2020」をご覧ください。
会話型コマースとは、カスタマージャーニー全体を通して顧客と長期的な関係を築くことです。Zendeskなどのソリューションを利用すれば、カスタマーサービスチームは、チャットメッセージを含め、顧客とのすべてのやり取りを1つの画面で把握できるようになります。さらに、Facebook Messengerでの会話をワンクリックでメールに引き継ぐことも可能です。
顧客との会話を継続させるには、メッセージアプリを他のあらゆるコミュニケーションチャネルとシームレスに統合できるようにすることが大切です。
3.営業面にばかり注力している
会話型コマースというのはやや誤解を招きやすい名称です。「コマース」とは言っても、メッセージアプリを通じて製品を売ることだけがすべてではありません。営業面にばかり注力していると、顧客は見くびられているかのように感じ、離れていってしまうでしょう。
会話型コマースは、顧客のライフサイクル全体にかかわるものです。その対象は営業だけでなく、営業、マーケティング、サポートを含むカスタマーエクスペリエンス全体に及びます。そのため、顧客が最初にコンタクトをとったチャネルや担当者にかかわらず、これまでのやり取りをスムーズに引き継げる必要があります。これを実現するには、担当者があらゆるチャネルから顧客の背景情報や会話履歴を入手できるようにしなければなりません。
Zendeskなら、顧客の購入履歴、営業部門やサポート部門との会話履歴、製品の出荷状況など、さまざまなデータを確認することが可能です。担当者はこうしたデータを参照しながら、シームレスかつ便利でパーソナライズされたエクスペリエンスをカスタマージャーニー全体で提供できるようになります。
会話型コマースでカスタマーエクスペリエンスを強化
メッセージアプリなら、顧客と1対1で途切れることなく会話を続けることができます。顧客の都合の良いペースでやり取りできるうえ、便利かつ高度にパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供できます。ただし、会話型コマースのメリットを最大限に引き出すには、カスタマージャーニーのあらゆる段階でそうしたエクスペリエンスを提供できるようにすることが肝心です。
Zendeskなら、あらゆるコミュニケーションチャネルを一元管理することが可能です。豊富な背景情報、インテグレーション、ツールによって、顧客と長期にわたって会話を重ねていくことができます。