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コンテンツマネジメントとナレッジマネジメントの違いとは?

コンテンツマネジメントとナレッジマネジメントはどう違うのでしょうか。事業を成長させるためには両方が必要になります。

更新日: 2023年1月5日

コンテンツマネジメントとナレッジマネジメントはよく同じものとして使用されています。しかし、社内オペレーションを効率化し、メッセージに一貫性を持たせるために両方を活用する企業は、この2つを区別して使う必要があります。

コンテンツとナレッジの違い

ナレッジとは、組織の誰もが内に持つ抽象的なノウハウですが、必ずしもアウトプットされるとは限りません。ナレッジがアウトプットされて初めてコンテンツになります。

ナレッジは職場で行うすべての作業の基礎となり、よく内容が変わり、個人の頭やメモなどの中に分散されています。プロジェクトを進める際、私達は組織が持つナレッジ(組織知)や各個人の専門知識を活用します。他部署のスタッフや外部のビジネスパートナーと協力する際はナレッジや専門知識を質問し合い共有することでプロジェクトを進めていきます。組織が大きくなればなるほど、組織のナレッジはより多くの場所、つまりはより多くの人の頭の中に隠れてしまう可能性が高くなります。

コンテンツは特定のオーディエンスに向けて特定の時期に消費されることを意図されてから初めて作られます。たった1つのナレッジでさえ、ブログ、ヘルプセンターの記事など、無限のコンテンツとなる可能性を秘めています。

コンテンツとナレッジは共に、ユーザーエクスペリエンスを成功に導く重要な要素です。効果的に使用すると、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)従業員体験(エンプロイーエクスペリエンス)も改善できる可能性があり、組織の団結と調和を促進できます。ナレッジを蓄積する場所(ナレッジプール)があれば、コンテンツを作成する際は誰もが同じナレッジプールを頼り、あるいはビジネス全般で同じ専門用語を使って話すことができます。

コンテンツマネジメントとは?

コンテンツマネジメントとは、様々なチャネルやアウトプットに対して作成されたあらゆるコンテンツを作成・管理するプロセスを指します。今あなたが読んでいるこの記事も、ブログというチャネルで発信することを前提に特別に作成されたコンテンツの1つです。ソフトウェアの利用方法や、自分の質問に関連するコミュニティでの投稿の仕方について、ヘルプセンターの記事を読んだことがあるかもしれません。ヘルプセンターの記事やコミュニティへの投稿もまた別のタイプのコンテンツです。コンテンツマネジメントシステムとは、このようなアウトプットすべてを管理する仕組みです。各コンテンツは複数の異なるスタッフやチームで管理されていることが多く、特に企業のコンテンツマネジメントに関してはこれが当てはまります。

コンテンツのタイプには下記が挙げられます:

  • ヘルプセンターの記事

  • ブログの投稿

  • チャットボット内の質問への対応として表示される回答

ナレッジマネジメントとは?

ナレッジマネジメントとは、情報が収集、整理、組織全体に配信される方法を指します。ナレッジマネジメントとはこのように仕組みを指す場合もありますが、チームをサポートするために使用するナレッジマネジメントソリューションを指す場合もあります。世の中には数多くの情報源があるため、情報を一元管理するための場所(ナレッジ マネジメント リポジトリ)が組織にとって重要になります。1つのヘルプセンターの記事にも様々なナレッジが含まれています。

  • ヘルプセンターの記事に含まれる専門知識や組織のナレッジ。1つの記事が製品のエキスパート、カスタマーサクセス、コミュニティマネージャーなどからのあらゆるナレッジを含む場合もあります。

  • ソフトウェアのバグやカスタマーエクスペリエンスに影響を与える設計ミスなど、解決に時間が掛かる問題に関するカスタマーサポートチームから顧客への進捗情報。

  • ユニークな利用シーンにおける製品活用方法に関するコミュニティマネージャーやモデレーターからのヒント。

ナレッジマネジメントシステムには多くのメリットがあり、顧客体験や従業員体験を改善することができます。また、生産性の向上や相互理解の弊害となりえる情報のサイロ化を解消することもできます。

ヘルプセンターとナレッジベース

コンテンツとナレッジが共に、ユーザーエクスペリエンスを成功に導く重要な要素であるように、コンテンツマネジメントとナレッジマネジメントといった管理する仕組みを作ることも同様に重要です。あなたの会社でどのようにしてこうした仕組みを作るかを検討する際、会社のヘルプセンターとそのナレッジベースが実際のビジネスの場でどのように使用されるのかを考えると役に立つでしょう。

ヘルプセンターはナレッジベースの一部であり、顧客が担当者を必要とせず、よくある質問集からセルフサービス形式で回答を見つけるという、特定の利用シーンで活用されます。ただし、ヘルプセンターの情報はあくまでもナレッジベースの一部です。ナレッジベースには、従業員のための社内ヘルプセンターや、システムのインテグレーションに関するパートナー向けのヘルプセンターなど、その他多くの用途があります。

企業がナレッジを全てのタッチポイントで活用しようとする際、テクノロジーと自動化はナレッジを集約するのに役立ちます。これがナレッジマネジメントのすべてなのです。ナレッジをアップデートする能力を身につけ、最新のナレッジを関連コンテンツに対して一気に反映できれば、ヘルプセンターやボットでの対応などにコンテンツマネージャーはいつでも効率よくナレッジを活用できます。

コンテンツマネジメントとナレッジマネジメント:実例

ナレッジはサポート業務を効率化するためによく活用されます。上述の通り、ナレッジは顧客が利用するセルフサービス型ポータルサイトの基礎であり、これによりカスタマーエクスペリエンスを向上させ、担当者の負担を軽減し、重要な問題に集中できるようにします。このように、ナレッジマネジメントは、コンテンツマネジメント、コンテンツ戦略やコンテンツの最適化に先駆けて必要な第1ステップです。セルフサービス型プラットフォームは、組織の内部にあるナレッジを実際にコンテンツに変えた拡張可能なアウトプットだと言えます。

デンマークの消費者向けレビューサイトを運営するTrustpilotのグローバルサポートVPであるTonni Buur氏は、会社のナレッジマネジメントをナレッジフレームワークと説明しています。Trustpilotのサポートチームは下記のような方法でナレッジを配置しています:

  • 製品サポートコンテンツ

  • 様々な記事形式:FAQ、製品説明、利用ガイドやトラブルシューティング

  • その他サポート情報

  • 短い動画コンテンツ

顧客や担当者の様々なシチュエーションやステップでナレッジマネジメントシステムのサポートがあれば、未解決チケット数やセルフサービスの利用の増加、担当者の業務効率、その他のKPIの点からサポート業務を効率化できます。

ナレッジの把握を含む、効率の良いナレッジマネジメント体制が確立できれば、ナレッジもスムーズにシェアすることができ、利用者にとって最も便利な形でナレッジをコンテンツとして活用することができます。

ニュージーランドに拠点を置く小売業者向けにPOSシステムを販売しているVENDでは、ナレッジベースで顧客からの問い合わせに対応していますが、全てのナレッジを一気に顧客に表示しているわけではありません。検索数が最も多いコンテンツをヘルプセンターのトップに表示し、ユーザーはニーズに応じてコンテンツをフィルタリングできます。表側のユーザーの利用体験は、裏側でのきめ細かい設計/開発やナレッジを重視したアプローチに支えられています。

コンテンツマネジメントとナレッジマネジメントの両方を活用し、CXを改善

コンテンツとナレッジは共に、ユーザーエクスペリエンスを成功に導く重要な要素です。両方を効率的に利用することにより、コンテンツマネジメントとナレッジマネジメントは、企業が顧客と長期的に関係を構築したり、従業員が必要な情報に迅速にアクセスできるよう支援します。

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