ニューノーマルな生活様式がさけばれる中、企業とお客様を繋ぐコンタクトセンターの役割もその重要性は増すばかりです。その上、数々のテクノロジーの変化により、対応の方法も多岐に亘り、顧客対応の手段はさらに複雑化しています。そのため、コンタクトセンターの管理者は従来以上に重責を担っていると言えます。
そこで、本記事では、重大かつ複雑なコンタクトセンターマネジメントについてご紹介いたします。
コンタクトセンターマネジメントとは
コンタクトセンターマネジメントとは、文字通り、問い合わせに対応するコンタクトセンターの業務全般を効率的に運用するためのマネジメント業務を行うことです。具体的にはオペレーターの教育や勤怠管理、顧客満足度や対応品質の向上に向けた施策や改善業務などを指します。
マネジメント業務には、目標設定が欠かせません。コンタクトセンターが何を目指すのか?企業が目指すべき方針や指針との関連性を明確にし、組織内でも共有することが望まれます。
すでに各種目標やKPIが設定されている場合は、その意図を正しく理解し、周囲に伝えることも重要な役割となります。
具体的な目標を設定するためには、現状把握が欠かせません。これはスタート地点を設定するとも言い換えることができる作業で、マネジメント業務の中で最も重要なもののひとつです。現状を多角的に分析・評価すると共に、問題点をピックアップしていきます。
そのためには、多岐にわたる顧客対応のチャネルや関連するシステムに溜まっている情報を効率的に取りまとめる必要があります。
ここで、代表的な顧客満足度のアンケート結果に基づいた調査レポートについて、具体的な例を挙げてみたいと思います。
製品購入後のオンボーディングプロセスを改善するのに役立つツールを展開するAppcues社のカスタマーエクスペリエンス担当ディレクターShonak Patel氏は、「定量的な顧客満足度指標も大切な指標」とコメントしていますが、つづけて「顧客満足度の評価は、定性データの枠に縛られません。」と指摘し、具体的には以下のように具体的な例を挙げています。
「(前略)、顧客満足度は、解決率と平均問題処理時間からも推測できます。
Statistaが2020年に実施した調査によれば、カスタマーサービスで不満を感じる最大の原因として、27%の人は「内容不足」と答えています、これに対して、「スピード不足」と回答したのは12%にとどまります。
その一方で、Yelpの調査では、迅速なサービスほど顧客満足度の評価が高くなる、という相関関係が見出されています。
多面的な顧客満足度指標を用いるようにすれば、顧客を複数の角度から見つめることになり、顧客の行動を見るだけではなく、顧客の感情についても理解を深められます。これは、満足度を継続的に高めていくために必要なツールを確保するうえで、大切なことです。」
詳細については、こちらの記事に記載がございますので、ぜひご覧ください。
コンタクトセンターマネジメントの重要性
インターネットの台頭やデジタルデバイスの普及に伴い、顧客が好んで使用するコミュニケーション手段が一気に多彩になりました。これにより企業へ問い合わせなどコンタクトを取る経路が多様化かつ複合化(オムニチャネル化)した状態になっています。そのため、コンタクトセンターを運営する企業にとって、オムニチャネル対応の需要は急速に高まっています。また、顧客行動の変化に伴い、企業と顧客との距離はさらに縮まり、顧客にとってコンタクトセンターは、より身近な存在となっています。
そのためコンタクトセンターでは、メールやウェブサイトのお問い合わせフォームだけでなく、チャットなど、メッセージングアプリなど、顧客のニーズにマッチしたコミュニケーション手段を確立していくことが求められています。
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またビジネスの形態も、コンタクトセンターの役割に大きな影響を与えています。例えば、サブスクリプション型ビジネスの普及により、企業と顧客との関係は一時的なものでなく継続的な関係を構築するものへと変化しています。従来、契約締結後のコンタクトセンターの業務は、クレーム対応や商品、サービスの説明など「守」のものがメインでしたが、現在では契約継続や高額なプランへの移行の促進など「攻」の役割へと変化しています。
マネジメントする上で必要な業務プロセス
コンタクトセンターの業務が多様化、重要化する中で、マネジメントもより具体的かつ、正確に行わなければなりません。そこでマネジメント業務を行う上で必要なプロセスについを、いくつか代表的な項目を紹介します。
人材マネジメント
電話での応対品質が重要なことに変わりはありませんが、インターネットでのコミュニケーションが一般化したことにより、チャネルを横断して対応にあたるケースも増え、オペレーターに求められるスキルも、知識やマナーのみならず各種ツールを効果的に活用することが求められます。
チャットでの応対では知識、マナーの他、タイピングの正確性や速度、簡潔な文章でメッセージを作成するといったチャットツール固有スキルも必要です。
また、チャネルにより担うべき役割も変わってくるため、シームレスなエスカレーションのプロセスも構築しておくことで、適材適所の人材配置を行いやすくなります。
業務マネジメント
コンタクトセンターに集まる情報、つまり、顧客の声(VOC)は数値化しにくいものです。前述した通り、顧客満足度を図るアンケート結果にも示される通り、多面的な分析は不可欠です。そのため、業務自体を管理するためには、各種データを適切に活用したマネジメントを行う必要があります。
コンタクトセンターにとって顧客情報を管理する「CRM」は必要不可欠なシステムの一つと言えます。しかしながら、CRMでもつ属性情報など静的な情報にだけ頼っていては、多面的な分析を行うことはできません。過去の購買記録や問い合わせ内容など、蓄積型のデータも活用することで、顧客の行動や改善すべき対応を可視化することができます。
そのため、顧客データを効率的に管理し、様々な外部システムからもデータを収集することができるCDP(カスタマーデータプラットフォーム)が脚光を浴びています。
CRMとの違いやCDPについて詳しく解説しては、「カスタマーデータプラットフォーム(CDP)とは?」でご紹介しています。
KPI指標
KPI(Key Performance Indicator)とは、目標の達成度合いを計測・評価する中間指標のことです。一般的にコンタクトセンターでは10以上のKPI指標があると言われています。応対品質を示す「応答率」「ASA(平均応答速度)」、効率性を示す「稼働率」「ATT(平均通話時間)」、顧客満足度を示す「NPS(顧客推奨度)」、勤怠マネジメントに関わる「欠勤率」「離職率」などこれらに代表される多彩な指標によって、業務を客観的に見つめることができます。
これらの指標の多くは、顧客満足度や応対品質の向上といった、達成度合いを判断しにくい目標を掲げています。そのため、達成までのプロセスとして明確なラインを設けることで、オペレーター側は目指すものが理解でき、管理側は評価の基準を得ることができます。
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コンタクトセンターマネジメントに求められる機能
ここまで述べてきたように、コンタクトセンターの業務は多様化への対応が必要となるため、その業務をサポートするためにも使用するツールやシステムも多岐にわたります。そのため、管理者やオペレーターがストレスなく利用できる環境を整えるため、統合的に管理できるコンタクトセンター機能に特化したプラットフォームが求められます。
Zendeskは、コンタクトセンターの幅広いニーズに対応した、包括的なカスタマーサービスソリューションです。よりスムーズな顧客体験を提供する上で不可欠な機能を備えています。
その上、あらゆる企業規模やニーズに対応し、顧客対応に関するデータを分析し、ビジネスの変化に合わせて拡張、最適化できるオープンで柔軟性の高いプラットフォームです。
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まとめ
既存システムとの連携や親和性も高く、コンタクトセンターの業務改善や強化、在宅対応など、企業ニーズにマッチしたコンタクトセンターの構築をご支援します。
コンタクトセンターマネジメントは、重要化、かつ複雑化していくコンタクトセンター業務において核となる欠かせない存在です。明確な目標設定、適切な運用、それらを経ての改善の施策など一貫したマネジメントが無ければ望むような成果は得られないでしょう。また、そのためにはコンタクトセンターソリューションの選定が成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。
まずは、Zendesk製品がカスタマーエクスペリエンスをどのように改善するのか、実際の操作を交えたデモ動画でご確認ください。