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コンタクトセンターにCRMは必要? 役割と導入メリットを紹介

コンタクトセンターにおいては、いかに顧客情報の管理を効率的に行い、顧客とのコミュニケーションを円滑にできるかがサービスの質に直結します。そこで本記事では、CRMを活用し、顧客との円滑なコミュニケーションを実現するためのポイントと、カスタマーサービスソリューションとして充実した機能を持つ「Zendesk」についてご紹介します。

更新日: 2024年1月30日

コンタクトセンター向けCRMとは?

CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、営業やマーケティング、顧客サポートなどを行う上、顧客情報を効率的に活用する必要性から取り入れられた概念です。

顧客情報を一元管理するシステムを構築し活用すれば、顧客と長期的に良好な関係を構築し、顧客の満足度を上げることができるため、業務システムとして用いられるようになり、さらに目的別に独自の進化をとげている顧客管理システムもあり、、総称して「CRMシステム」と呼ばれています。

CRMと聞くと、営業やマーケティング部門が使用している顧客管理システムが浮かぶ方も多いかと思います。

ところが顧客の立場で考えると、企業との接点の多くはコンタクトセンターが担っており、企業にとっても販売活動に留まらず、より良質なカスタマーサービスを提供することは、企業の成長に不可欠な要素であり、製品やサービスの品質向上と同様の役割を持っています。

そのため、コンタクトセンターにおけるCRMの役割は、氏名、性別、年齢、住所といった単に顧客の属性情報を管理するだけでなく、購買記録や過去の問い合わせ、サポートに関する情報など、いわばライフログ的な情報も含めてオペレーターが顧客対応の必要となる情報を一元管理することが必要となります。

コンタクトセンターのオペレーターは、顧客の様々な要求に対応する必要があり、CRMを効果的に活用することは、顧客に対して良質なサービスやサポートを提供する上で最も重要なシステムの一つと言えます。

部門ごとに異なるCRMの活用

CRMシステムの特性を考える上で、各部門が顧客情報をどのように管理しているのかがポイントになります。

  • 営業部門

営業部門が使用するCRMでは、取引先の企業情報や顧客の属性情報に加えて、商談状況や過去の販売実績など、営業活動に関する情報を一元的に管理するために活用されます。

過去の商談記録や訪問スケジュール、売上実績などを活用するのは営業担当者自身であり、営業部門全体では商談状況の把握や営業戦略の立案などにその多くが使用されます。

  • マーケティング部門

マーケティング部門が使用するCRMでは、販促活動を通じて得た顧客情報を蓄積・分析することで、より効果的なマーケティング施策を行うために活用されます。

綿密なターゲティングを行い、ここに最適化された施策を展開することで、マーケティング活動のROI(投資対効果)を最大化することを目的としています。そのために、Webサイトの訪問記録やアプリの使用状況、さらには位置情報といった個人の活動情報なども活用されています。

どちらの部門においても、CRMを使用することで顧客情報を一元的に管理することで、情報管理を効率化し必要な業務をサポートする役割をもっています。

しかしながら、その利用目的はあくまで企業内であり、顧客に直接有益なものを提供するものではありません。

一方、コンタクトセンターに求められるCRMの役割はこの点が大きく異なります。

カスタマーサービスの役割を担うCRM

前述した営業部門向け、マーケティング部門向けのCRMと異なり、コンタクトセンターではCRMを導入し活用する目的はカスタマーサービスの品質向上や業務効率化にあります。

コンタクトセンターのオペレーターの立場では、より多くの情報をより細やかな粒度で持つことで、顧客一人ひとりのニーズにマッチした回答を導き出すことができます。

また、CRMを顧客が使用する様々なチャネルとも連携させることで、顧客向けにパーソナライズされたサービスを提供することも可能となります。

Webからの問い合わせやチャットボット経由でのアクセスであっても、各種情報を一元的に管理することで、オペレーターの対応を均一化や円滑なエスカレーションなど、カスタマーサービス品質の向上に大きく貢献することができます。

コンタクトセンターでCRMを利用するメリット

ここまでは、コンタクトセンターと他部門とでCRM(顧客情報管理)の目的が異なることに紹介してきました。ここでは、コンタクトセンターでCRMを利用することで具体的にどのようなメリットがあるのかをご紹介していきます。

  • 顧客の背景や過去の応対記録も情報として活用する

コンタクトセンターでCRMを活用すれば、氏名・住所・年齢・性別など顧客の基本情報に加え、購買記録や過去の問い合わせ記録など、顧客の背景情報をシステムに登録し蓄積することができます。

これらの情報をもとに、顧客一人ひとりに対しパーソナライズされた適切なサービスを提供することが可能となります。

また、担当するオペレーターが変わったとしても、顧客の特性や過去の記録を参照することで、サポート品質をさげることなく効率的かつ効果的な対応が実現できます。そのため、顧客の属性情報のみならず、行動記録など背景情報をCRMに蓄積することが重要となります。

Zendeskなら対応時に顧客情報や過去の問い合わせ履歴を瞬時に閲覧可能(Zendeskの問い合わせ管理機能

  • 顧客の声の活用

コンタクトセンターには顧客からさまざまな問い合わせや要望、ときには商品やサービスの不備など顧客の生の声が届きます。

購入を検討している顧客との応対の場合は、関心箇所や解決すべき課題や購入時期など、購買シグナルなどを記録することで、担当営業やマーケティング部門が行う次のアクションに活用することができます。

また、購入後のサポートを対応を行った場合は、カスタマーサポートに情報共有することで解約防止を先回りして行うことや、商品やサービスの改善を図るためのエスカレーションに活用するなど、カスタマーセンターに集まる顧客の情報を他の部門で活用することで、売上貢献や商品やサービスの品質改善などにも役立ることができます。

  • オペレーターの応対品質向上

顧客からの問い合わせ内容やその対応を蓄積することで、オペレーターはその顧客に最適化したサービスを提供できます。

さらに、こうした情報をナレッジベースとして蓄積することで、モデルケースの充実をもたらし、類似した案件が発生した際の参考例とし、新人オペレーターの育成に使用するといった活用も可能となります。

また、モデルケースの充実と共有は、オペレーターごとの対応品質の標準化にも寄与します。つまり、CRMへのデータ蓄積は、コンタクトセンター運営全体の効率化や品質改善に役立てることができます。

  • オペレーターの心理的負担の軽減

離職率の高さが物語るように、コンタクトセンターのオペレーターは、多大なストレスに晒されています。その原因はクレーム処理の辛さもさることながら、業務の煩雑さや覚えるべき製品やサービスの情報量が膨大となり、さらに多種多様なツールの機能や操作も習得する必要があります。

CRMに限った話ではありませんが、必要な情報に素早く探しだせ、操作性や画面の見やすさに優れたコンタクトセンターシステムを導入することで、オペレーターのこうしたストレスを大幅に緩和することが期待できます。

また、カスタマーサービスで使用するツールは多岐にわたり、システムへのアクセス方法も異なっていたり使用時に都度ログインしなおす必要があると、オペレーターの手間が増えストレスが増大してしまいます。

一方で、コンタクトセンターで使用するシステムを一元管理しシームレスに連携することで、オペレーターのストレスを大幅に軽減するばかりか、サービス品質の向上も実現することができます。

コンタクトセンター向けCRMに求められる機能

ここまで、顧客管理としてのCRMについて紹介してきましたが、ここでは、「CRMシステム」として、コンタクトセンター向けCRMに求められる機能について、昨今のトレンドなどを踏まえてご紹介したいと思います。

  • 顧客背景情報や対応履歴の管理機能
    コンタクトセンター向けCRMの核心部ともいえるのがこの機能です。オペレーターは自社の保有している基本的な顧客情報に加えて、顧客の各種行動記録や過去の対応履歴など顧客の背景情報を一元的に管理することが重要です。また、すでに上述したとおり、コンタクトセンターが行った対応記録を営業部門やサポート部門とも共有することで、顧客情報の活用が案件成約率の向上やサービス解約率の低減といったビジネスにに直結する情報として活用することができます。
    参考情報:カスタマーの行動履歴とは
  • FAQ作成機能
    コンタクトセンターに集積されたデータをもとに、よくある質問に対するFAQを作成・閲覧する機能です。FAQを参照することで、オペレーター業務の質の向上や迅速化が期待できます。また、FAQを企業のWebサイトなどで公開し、セルフサービス型サービスを提供することで、顧客は自身で問題を解決できる上、問い合わせ件数そのものを減少させられます。
    参考情報:ナレッジベース・FAQ構築ツール
  • 既存システムや外部ソリューションとの連携
    既に使用している社内システムや外部ソリューションとスムーズに連携が取れる仕組みがことはCRMシステムの選定では重要なポイントです。
    例えば、CTIツールとCRMを連携させることで、着信時のポップアップや電話発信などを効率化できます。また、通話録音機能を対応履歴の保存と組み合わせたり、通話状況もリアルタイムで把握するで、応対品質の改善に繋げることができます。
    参考情報:電話サポートの導入
  • データ分析・集計
    CRMに集積された顧客属性などのデータを分析・集計する機能です。近年は通話録音内容をそのままテキスト化し、データ分析に活用するAI技術も開発されています。コールセンターに蓄積される顧客の生の声は、またとない分析材料といえるでしょう。
    参考情報:レポートと分析

必要なのは包括的なカスタマーサービスソリューション

ここまでご紹介した内容は、それぞれコンタクトセンターに求められる機能の代表例です。しかしながら、重要な点は、これらの機能が統合され包括的なサービスとして提供できるサービスプラットフォームであるという点です。

各種ツールを別々に導入するだけでは、その機能を習熟することは困難で、オペレーターの負担はますます重くなるばかりか、カスタマーサービスとしての品質も維持することができなくなってしまいます。

また、今後コンタクトセンターのサービスを拡充するためには、以下の観点でも導入するCRMを検討することが重要です。

  • オムニチャネルでのやり取り・サポートに対応

顧客がアクセスしてくるチャネルは多様化し複合化=オムニチャネル化が進んできています。Webサイトやモバイルアプリにチャットやメッセージングの機能を追加したり、SNSアプリ対応するなど、オムニチャネルでカスタマーサービスを提供したりすることによって、顧客の多様なニーズに応えられます。

  • セルフサービス型サポートの構築

全ての顧客が進んで電話やメール、Webフォームを通じてコンタクトセンターに問い合わせるわけではありません。時間や手間が掛かる、気が引けるなどの理由で、問い合わせ自体を好まない人もいます。Zendeskのカスタマーエクスペリエンス傾向分析レポートによれば、顧客の69%が、自己解決できる問題はできるだけセルフサービスで解決したいと考えています。

ヘルプセンターやFAQとコミュニティフォーラムを活用し、企業はセルフサービス型サービスを充実させ、顧客に常に適切な最新情報を提供できます。こうした取り組みは、オペレーターの負担軽減にもつながります。
参考情報:セルフサービス型サポートを導入すべき理由

ZendeskならヘルプセンターやFAQを簡単に作成(Zendeskのヘルプセンター・FAQ作成機能

  • ボットや自動化で業務負担を軽減

昨今最も注目を集めているテクノロジーの一つがAI(人工知能)の活用です。
コンタクトセンターには毎日多数の電話やメール、メッセージが送られてきますが、中には簡単な質問であったり、対応パターンのルール化ができる簡易的な内容も多く含まれています。

このような内容に対しては、ボットによる自動化が有効で、ZendeskはAIを搭載したボットソリューション「Answer Bot」を提供しています。
会話フローを「Answer Bot」設定することで、よくある一般的な質問への対応は24時間体制でAnswer Botが対応します。

Answer Botは数クリックですぐに使い始めることができるほど簡単に導入可能です。また、もしも事前入力されたデータでは解決できない問い合わせが寄せられた場合、Answer Botはそこまでの情報を引き継ぎつつ、オペレーターに対応をつなげます。これによってオペレーターの業務負担を緩和するとともに、顧客満足度も向上させられます。

参考情報:多言語に対応したAI搭載ボット

Answer Botならボットがユーザーの質問に自動で対応(ZendeskのAI搭載型Answer Bot

オープンで柔軟なCRMプラットフォーム「Zendesk Sunshine」

前項でご紹介したように、コンタクトセンター向けCRMを活用することによって、企業はカスタマーサービス品質の向上、オペレーター業務負担の軽減、さらには顧客満足度の向上を同時に実現可能です。さらに、蓄積されたデータを他部門と共有することで、商品やサービス自体の品質向上も期待できます。

ただし、企業によっては部門ごと・用途ごとに異なるシステムがすでに存在し、それぞれが個別最適化されている状況もめずらしくありません。そうした場合、顧客情報は各システムに散在することになり、一元的な情報管理や効率的な情報活用が難しくなってしまいます。

そういった企業の課題を解決するためには、よりオープンかつ柔軟な仕組みで独自のCRMを構築できるプラットフォームが望まれます。

Zendeskが提供するZendesk Sunshineは、アマゾンウェブサービス(AWS)を基盤として構築されたCRMのプラットフォームです。コンタクトセンターで使用される様々なアプリケーションやクラウドサービスと連携でき、ニーズに応じた拡張やカスタマイズも可能なため、複数のシステムに記録されている顧客データをまとめて把握することができます。

Zendesk Sunshineについて詳しく情報はこちらをご覧ください。

まとめ

顧客のニーズが多様化するなか、コンタクトセンターにおけるオペレーターの応対品質やそこで蓄積されるデータの重要性はますます高まっています。

このような状況下では、オペレーターの業務負担を軽減しつつ、サービス品質の向上も同時に可能にするコンタクトセンター向けCRMの活用は不可欠です。

自社のコンタクトセンターへのCRM導入を検討している企業の方は、ぜひZendeskを選択肢に加えてみてください。

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