学校教育機関向け学習支援プラットフォーム「Classi(クラッシー)」。ユーザーは先生・生徒・保護者の三者にわたり、それぞれのサポートには2014年のリリース当初からヘルプページを中心に対応してきました。電話での問い合わせ窓口が開かれているのは、現在も、サービスの契約主体である学校向けのみとなっています。
Zendeskを導入するまでは内製でヘルプページを作成しており、このヘルプページがログインしないと利用できない点に大きな問題を抱えていました。つまり、ログインするというプロセスそのものがボトルネックとなり、ログインでつまずいた生徒や保護者から学校に問い合わせが集中してしまっていました。ただでさえ多忙な先生の負荷がますます高まってしまうという現状があったのです。
また、学校ごとにサービスの利用方針が少しずつ異なっているため、各校の判断で機能に制限をかけられるようになっています。先生・生徒・保護者別にヘルプページが閉じられている状態では、生徒・保護者がClassiはどう使えるのか、どんな設定ができるのかを理解する術がありません。それが「なぜこの機能が使えないのか」といった問い合わせの原因にもなっていました。特に年度の切り替えでサービスの利用者が増える4月は、初めてスマートフォンを手にする生徒も少なくありません。また、保護者の中にはスマートフォンを利用していない方や、スマートフォンの操作にあまり慣れていない方もいます。
問い合わせに追われる先生の負荷を軽減するには、ユーザーの中でも最も利用者数の多い生徒・保護者が速やかに問題解決できる手段を用意する必要がありました。そこで、ヘルプページの再構築に乗り出した同社のサポートチームは、テクノロジーでユーザーをフォローしていくというミッションに基づき、カスタマーサクセスへの取り組みで有名な企業を独自に調査。その多くがヘルプページにZendeskを活用していることを知り、成功している企業にならってみようとZendeskの導入検討を開始しました。最終的にZendeskを選択したのは、デザインやカテゴリー分けの自由度に加え、機能の豊富さ、将来的な拡張性への期待からです。
Zendeskの移行に際しては、これまでテコ入れしてこなかったヘルプページを精査。よくある質問と回答のセットが約600記事もあり、これらの運用を機能ごとのチームに任せてきたことで、表記の揺れが散見されたり、長い間更新されていなかったりすることが判明しました。さらに過去一年間を遡って閲覧数を分析したところ、閲覧されている記事が18%程度しかなく、ほとんど見られていなかったことがわかったと言います。そこで、一つひとつの質問と回答を見直し、必要に応じてマージしながら約150記事に絞り込んでいきました。
Zendeskを活用して構築したヘルプページ
Zendesk導入後、ユーザー属性ごとのアクセス数を分析してわかったのは、ヘルプページを最も多く利用しているのが保護者だったという事実です。改めて、保護者がいかに困っていたかが明らかになりました。ただ困っているというだけでなく、ヘルプページを見て解決できたかどうかが見えるようになった点が何よりの収穫です。しかも、これまで学校経由でしかアプローチできなかったユーザー層の声をダイレクトに拾えるようになったことは、今後のサービスの成長を支える大きなメリットでしょう。
Zendeskで実現した「ユーザーの声を拾う仕組み」は、導入前に参加したZendeskのイベントに登壇された茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメントの取り組みと目指すところは同じで、大変共感したという同社。ClassiのZendesk活用はどこまで進化していくのでしょうか。カスタマーサクセスの実現に向け、ヘルプページからスタートしたClassiの事例はこちらでご紹介しています。ぜひご覧ください。