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通話のモニタリングとは? メリット・種類・導入方法を解説

この記事では、顧客との会話をモニタリングする際に役立つ情報をご紹介します。

更新日: 2024年2月24日

今のコールセンターで、顧客の問題にどれくらい効果的に対応できているでしょうか?

顧客アンケートでの評価や平均保留時間といった指標は、サポート部門のパフォーマンスを雄弁に語ります。しかし、こうしたデータでさえ、必ずしも全貌を明らかにしてくれるわけではありません。

コールセンターのパフォーマンスを詳細まで把握するためには、通話のモニタリングが必要です。これはサポート担当者と顧客との会話を第三者が聴取するプロセスのことで、サポート担当者のコミュニケーションスキルを評価して、改善すべき領域を突き止めるために用いられます。通話のモニタリングは、リアルタイムで行われることも少なくありません。

通話のモニタリングが大切な理由

実際の通話を耳で確認せずにコールセンターを運営するのは、耳当てをした状態でオーケストラの指揮者を務めるようなものです。声のトーンやテンポが大切であるため、不適切な対応をしているサポート担当者がいないか、マネージャーが会話を耳で確かめられる環境を整える必要があります。

実際に自分の耳で聞いてみるまでわからないこともあります。指標のレポートを生成すればKPIのグラフは作れるかもしれませんが、それだけではなぜその会話が長くなったのか、あるいはなぜ電話が唐突に切られてしまったのかはわかりません。会話の内容を書き起こして記録している場合でさえも、態度や語気などのニュアンスを捉えきることはできません。通話中の会話をリアルタイムで確認できない方法だからです。

サポート担当者の対応をモニタリングすることは、品質保証や実地研修など、いくつかの理由から、企業として取り入れるべき、メリットのある活動です。

パフォーマンスのモニタリング

例えば、顧客満足度(CSAT)が決まって低い、あるいは初回解決率(FCR)がぱっとしないなど、パフォーマンス指標が低い状態が続いているサポート担当者はいませんか?そんなサポート担当者がいる場合は、顧客との会話を実際に聞いてみてください。それが製品についての知識であれ、サービスのスピードや態度であれ、実際に話すようすを確認すれば、何がその問題の原因なのかを理解しやすいはずです。

場合によっては、驚くような結果を目にすることもあるかもしれません。例えば、平均保留時間(AHT)が高いサポート担当者がいると、スキルに問題があると思いがちです。しかし、通話をモニタリングすると、そのサポート担当者の電話が長いのは、詳細まできめ細やかに対応して、効果的なフォローアップの質問をしているからであるとわかることもあるかもしれません。

パフォーマンスの高いサポート担当者の通話も聴取する価値があります。CSATに最も優れたサポート担当者の通話をモニタリングすると、何が決め手で高評価を得ているのかがわかるかもしれません。こうして得た、顧客満足度の向上につながる情報を他のサポート担当者に共有できるとしたらどうでしょうか。

新人研修やスキル取得のための研修

カスタマーサービスの担当者には、実地研修が必要です。新人や顧客対応に苦労しているサポート担当者を相手に、難易度の高い電話対応を指導する時にも、通話のモニタリングは非常に効果的な方法です。モニタリングはリアルタイムでサポート担当者にアドバイスをするために利用することも、会話を聞きながらメモを取るために利用することもできます。後者の場合は、通話が終わってから、うまくできていた点と、改善が必要な点をサポート担当者と一緒に振り返るようにするとよいでしょう。

また、トレーニングに使用できるよう、通話は録音しておくことをお勧めします。顧客への対応が非常に難航した時の会話を保存しておけば、それを使ってカスタマーサービスで「推奨されること」と「避けるべきこと」を説明できます。褒めるべき点がないサポート担当者の対応の例を使う場合は、すでに会社を辞めた社員の録音を使うことをお勧めします。同僚の前で社員に恥をかかせることは避けるべきです。

新人のために通話のロールプレイングを研修に取り入れている企業もあります。シミュレーションも有意義な演習ではありますが、サポート担当者としてひとり立ちするためには、実世界での状況にも慣れ親しんでおかなければなりません。サポート担当者向けの研修に利用できる通話の録音がたくさんあれば、顧客を相手に実際にサポート対応するうえでどんな心構えをしておくべきか、より多くの実例を示しながら伝えられます。

よりよいサービスを提供するための介入

ときには、モニタリング中の会話をさえぎる必要が出てくるかもしれません。特に、研修中のサポート担当者の場合は、顧客の質問になかなか答えられない場面も出てきます。

「学びのための体験」となる可能性があったとしても、経験の浅いサポート担当者に悪戦苦闘させないようにすることをお勧めします。どんなときも、重要なのは、できるだけすばやく効率的に顧客の問題を解決することです。このためには、ときには、上司が自ら率先して会話を引き継いで、対応しなければならない場合も出てきます。

通話を聴取する2つの方法

カスタマーサービスに問い合わせたことがある人なら、「お客様対応の品質向上のため通話をモニタリングまたは録音させていただくことがあります」という録音メッセージを耳にしたことがあると思います。

特に気に留めていなかったかもしれませんが、これが通話を聴取する2つの基本的な方法です。つまり会話の内容をリアルタイムでモニタリングする方法と、録音しておいて後で確認する方法です。

通話を聴取されるのはあまり心地よいものではありません。特に、この習慣になじみがなければ、なおさら居心地が悪く感じられるものです。会話がモニタリングされることを前もって知らされていれば、少しは心構えができるはずです。これは顧客にとっても同じで、通話内容をモニタリングする場合は、前もってはっきりと「お客様対応の品質向上のため通話をモニタリングまたは録音させていただくことがあります」と伝える必要があります。

誰もが何百回となく耳にしている決まり文句なので、顧客も聞き慣れています。また、顧客はこの慣習にすでになじみがあるというだけではなく、結果的にサポートの品質が向上するため、モニタリングは顧客にとってもメリットのある取り組みです。

録音

サポート担当者によっては、マネージャーが進行中の会話をリアルタイムで聴取するのではなく、顧客との通話内容の録音を使用してほしいと感じる人もいるかもしれません。リアルタイムで上司に評価されるよりも、あとで会話を振り返る方がストレスが小さくなると感じるためです。

録音にはもうひとつメリットがあります。実際にあったサポート対応の録音は、サポート担当者を指導するうえで非常に役立つ教材になります。電話対応中にフィードバックする時はすばやく簡潔に伝える必要がありますが、録音を使えば、つど再生を止めながら、なぜその対応が不適切なのかをサポート担当者が理解できるまで説明できます。また、通話の録音は、研修中のサポート担当者のための模範例としても活用できます。

たいていのクラウドベースのコンタクトセンターでは、顧客との会話を録音できるようになっています。CRMシステムによっては、通話の録音が自動的に該当する問い合わせチケットに紐づけられて、サポート担当者がその情報を簡単に見つけられるようになっているものもあります。チケットを別のサポート担当者に転送する必要がある場合に通話の録音があると、引き継いだ人が有益な背景情報として活用することもできます。

ライブでのモニタリング

進行中の通話内容をモニタリングすると、途中で介入できるため、顧客の体験が向上することがあります。ライブでモニタリングする方法は3つあります。種類によって、管理者(スーパーバイザー)の関与度が異なります。

  1. 傍聴型

    サポート担当者にも顧客にも知られることなく、すでに始まっている通話を静かに聞けるのがこの方法です。この方法の場合、スーパーバイザーは通話中にサポート担当者にアドバイスすることができません。その一方で、モニタリングされていることがわからないため、サポート担当者が神経質になることもありません。

    このモニタリング方法は堂々としたやり方ではないと感じられるかもしれませんが、サポート担当者の普段からのパフォーマンスを評価できる有効な方法です。上司にいいところを見せようとしないため、通話の印象を正確に把握できます。また、どの通話がモニタリングの対象になるかわからないことから、すべての対応のレベルを上げようという、サポート担当者の意欲向上につながることも考えられます。

  2. 社内連携型

    通話を聞いているスーパーバイザーが、顧客に知られることなくサポート担当者の耳にだけアドバイスを届けられるのがこの方法です。

    基本的に「シラノ・ド・ベルジュラック的アプローチ」で、顧客に分からないよう陰からこっそりアドバイスすることになります。1800年代の戯曲よりも1980年代の映画の方がよければ、「愛しのロクサーヌ的アプローチ」と呼んでもよいでしょう。

  3. 会話参加型

    通話内容を聞いているスーパーバイザーが、会話に加わって、サポート担当者と顧客の両方と話せるのがこの方法です。

    研修中のサポート担当者であれば、この方法が非常に効果的です。会話に参加してやりとりを適切な方向に導く必要性が出てくることが多いためです。一般的に、その時に対応している担当者よりも迅速に顧客の問題を解決できることがわかっている場合には、通話に介入できるこの方法を利用するのが適切です。

通話のモニタリングと録音はどちらか一方を選ばなければならないわけではありません。適切なソフトウェアを導入すれば、顧客との通話内容を録音しながら、傍聴型、社内連携型、または会話参加型のモニタリングを実施できます。

サポート担当者の対応が始まる前に、「モニタリングまたは録音させていただく場合があります」と忘れずに必ず一言添える必要があります。 アメリカの一部の州では、この通知が法的に義務づけられています。通知をせずにモニタリングすると、多額の罰金を支払うはめに陥りかねません。

企業にとって価値ある投資:通話モニタリング用ソフトウェア

通話をモニタリングするのは、パフォーマンスを追跡して、サポート担当者に適切な指導を行うためです。ソフトウェアソリューションがあれば、この両方をさらに効果的に実施できます。

Zendesk Talkは、次を可能にする、クラウドベースの統合型コールセンターシステムです。

  • スーパーバイザーは、顧客とサポート担当者の間の通話を静かに聴取することも、途中で会話に参加することもできます。

  • 品質向上や研修のため、またはあとで簡単に参照できるようにするために通話を録音できます。

無料トライアルを用意しております。ぜひお試しください。

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