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「お客様の声」のデータの種類と活用法とは?

更新日: 2024年2月22日

すべてのカスタマージャーニーは、あらゆる方角に無数に存在する接点のひとつから始まります。カスタマーエクスペリエンスが主要な差別化要因となった今日、無数の新しい接点から始まるカスタマージャーニーを組織全体で包括的に理解するという気が遠くなるような作業が、かつてないほど重要度を増しています。そのためにはツールやデータを適切に使用し、情報を部門間で共有する必要があります。

顧客について深く理解するために、多くの企業が「VoC(お客様の声)」というアプローチを取り入れています。VoCとは、カスタマージャーニーの各段階にある顧客から要望、要件、好き嫌い、関心事、悩みなどの情報を集めるプロセスで、さまざまな接点から顧客データを収集し、共有して、アクションを起こすためのプログラムです。

サポートを担当する部門には、製品やブランドや社内の構造を大きく変化させるほど貴重な情報が数多く集まります。このVoCデータを組織全体で共有することで、サイロ化された構造を壊すだけでなく、データを活用してCSAT(顧客満足度)を改善し、カスタマーエクスペリエンスを向上させるために必要なアクションを起こすことができます。

VoCデータとは?

VoCデータには、たとえばCSAT、Net Promoter Score℠(ネットプロモータースコア、NPS)、FRT(初回返信時間)などの指標、すなわちKPI(重要業績評価指標)があります。どのKPIを選ぶかは、業種や企業によって異なります。

ほかにもさまざまな指標をVoCとして集め、顧客の理解に役立てることができます。たとえば、サポートへの問い合わせ件数をカテゴリー別に調べたり、製品の不具合や支払い方法についてのフィードバックをまとめたり、あるいは開封率、クリックスルー率、ニュースレター登録解除などの指標を調べたりします。また、これらのデータから、ヘルプセンターに追加すべき内容や、人気の高い記事について情報を得ることもできます。

収集すべき重要なデータはどの企業も同じではなく、インパクトの強いVoCデータを顧客の種類に応じてそれぞれに判断する必要があります。

VoCデータを活用し改善する

サポート部門に集まるこれらの情報を分析・共有し、アクションを起こすことで、カスタマーエクスペリエンスの改善につなげることが重要です。次では、VoCデータを活用して改善できる分野を3つご紹介します。

1. サポートトレーニング

VoCデータを活用すれば、サポートエージェントにどのようなトレーニングが必要かを的確に判断することができます。ZendeskのVoCプラットフォームコーディネーター、Leah Guestは次のように述べています。

「私たちは日々数多くの問い合わせに対応する中で、解決までの合計時間や初回返信時間、あるいはCSATなどの指標に注目しながら、サポート業務のどこを改善すべきか分析しています。これを基にトレーニングを作成し、問い合わせに対してより的確に回答したり、短い時間で解決できるよう取り組んでいます」

Zendeskが顧客満足度について調査した報告書によれば、FRTの長い企業ほどCSATは低くなり、また、顧客が自分に都合のよいタイミングで利用できるチャネル(非同期のメッセンジャーやセルフサービス用コンテンツなど)をサポートに追加すると、解決までの時間を短縮することができます。

VoCデータを活用することで顧客満足度が高まり、カスタマーエクスペリエンスが向上することは間違いありません。顧客データから得られるインサイトを理解することで、サポート業務に限らず社内の誰もが顧客に良い印象を残せるようになるのです。

顧客の声に耳を傾けることが極めて重要なのは、最も革新的と言われる企業の間でもはや、他社よりも優位に立つための常識として捉えられています。Amazonの創業者であるJeff Bezos氏が顧客から送られるクレームのメールを直接読み、クエスチョンマーク(?)を付けて転送して、担当者に対応策を報告させるという話は有名であり、カスタマーエクスペリエンスの話題として今でもよく取り上げられています

2. ナレッジベース

VoCデータは、ナレッジベースの内容を充実させるためにも活用できます。ナレッジベースがあれば、顧客が問い合わせをする前に自分で解決策を探せるので、サポートエージェントの負担が減ります。

ローマが一日にして成らないと言われるように、ナレッジベースを完成させるには時間も手間も必要ですが、顧客へのサポートや対話の内容は、そのコンテンツの作成に大いに役立ちます。VoCの豊富なデータから貴重な情報を引き出してナレッジベースに活かせば、顧客は自分で問題をすばやく解決することができるはずです。

前出のLeah Guestは次のように述べています。「問い合わせに一度回答しただけで問題を解決できた時は、その内容を必ず記事にしてナレッジベースに追加しています。よくある質問にすべて答えられるほどナレッジベースに情報が揃ったら、ベストプラクティスを紹介する記事を作成して追加するとよいと思います。そうすれば顧客が自分で問題を解決できるようになり、問い合わせの回数を減らせます」

3. 製品ロードマップ

製品の機能を改善するために、サポート部門に集まるデータが活用されることもあります。Leah Guestは次のように述べています。「Zendesk Supportについて、あるワークフローがわかり難いという意見をお客様からいただいたことがあります。私たちはその情報を社内で共有し、製品ロードマップとサポートの両方を上手く変えることで、結果的にカスタマーエクスペリエンスを向上することができたのです」

「最初は大変でした。お客様の意見を参考に、プロダクトチームが何とか解決を試みたのですが、思うようにいきません。そこでアドボカシーチームに相談し、ワークフローを簡単に理解していただくためのベストプラクティスを作成しました。そしてキャンペーンを展開し、素晴らしい成果を上げることができました」

アクションを起こす

カスタマーエクスペリエンスを向上させるために、チャネルやソフトウェアを適切に選んでサポートを展開することはもちろん重要です。ただしそれ以前に顧客の声を聞き、その情報を社内で共有し、アクションを起こして結果を出すことを考える必要があるでしょう。そうすれば、FRT、CSAT、NPSなどのKPIも改善されていくはずです。

顧客との対話に無駄なものなどありません。バタフライ効果のように、ほんの些細なできごとが、やがて非常に大きなインパクトに変わることもあります。顧客との何気ない会話の間にも、何かを大きく動かす重要な情報が含まれていないか、常にアンテナを張っておく必要があるでしょう。

VoCデータを組織全体で共有して、必要なアクションを考えることは、カスタマーエクスペリエンスを向上し、解約率を下げ、顧客紹介率を上げるために非常に重要です。また、顧客の成功をサポートするために、アドボカシーに注目し、ナレッジベースを充実させたり、製品ロードマップを変えたりすることも考えなくてはならないと思います。

Zendeskのツールを使用した顧客データの測定や分析について詳しくは、こちらをご覧ください。

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