記事
サポートチーム必見! 不確かな未来に備えるためのベストプラクティスとは?
チケット件数が急増している、落ち着いている、あるいはそのどちらとも言えない――いずれの状況でも、今こそ不確かな未来に備えるためのベストプラクティスを実施すべきです。
更新日: 2023年1月5日
未来の予測は当てにならない。私たちは、不確実性と共に生きていかなければならない。これが2020年の教訓ではないでしょうか。
この世界的なパンデミックは、おそらく大半の人にとっては想定外の出来事でしたが、一つだけ確実なことがあります。それは、私たちは当面の間、間違いなくこのパンデミックの影響にさらされるということです。現状では終息は見通せず、ゴールに向けてラストスパートを切るタイミングでもないのです。
これを聞いて、企業のサポートチームのメンバーは少し気落ちしているのではないでしょうか。それもそのはず。顧客からの問い合わせ件数は過去最高に達しているのですから。それにもかかわらず、一部のチームはまだ在宅勤務中で、1日の中で積み残した仕事をこなす時間もろくに取れない状況かもしれません。
とは言え、新しい課題が毎日、毎週のように浮上している中でも、最高水準のカスタマーサービスは維持できるものです。適切なアクションを順序良く実施していけば、チケット(問い合わせ)の件数が多い時期でも(少ない時期に取り組めばとりわけ顕著ですが)、サポート業務を拡張できるようになります。
チケット件数が急増している、落ち着いている、あるいはそのどちらとも言えない――いずれの状況でも、今こそ不確かな未来に備えるためのベストプラクティスを実施すべきです。ここでは、世界の23,000社を対象に新型コロナウイルスの影響を調査した結果を基に、Zendeskがまとめ上げたベストプラクティスをご紹介します。
チケット件数の浮き沈みは今後も続く見通し
各国で感染者数が変動し続ける限り、カスタマーサービスにも何らかの影響が及ぶことでしょう。
なぜなら、移ろいゆく情勢に合わせて、顧客の購買行動も日々刻々と変わっているからです。新しい製品やサービスを初めて手に取る顧客もいれば、今までの計画を取りやめて新たに練り直す顧客もいます。そうした顧客はまだ手探り状態で、手厚いサポートを求めています。政府の感染対策方針が変化する中、カスタマーサービスへの高い需要は今後も続いていく見込みです。
いくつかの国を例に詳しく説明していきましょう。
オーストラリア
感染者数が跳ね上がった時期に、政府は渡航の禁止と屋外活動の制限に打って出ました(このタイミングでチケット件数も急増しました)。6月にはいったん落ち着いたものの、メルボルンで再び感染者数が急増し、7月上旬には首都圏でロックダウンが実施されました。同時期にカスタマーサービスへの需要も増加し、4月中旬のピーク以降は減少傾向にあったチケット件数も再び急増に転じました。
ブラジル
政府が第一波を封じ込めようと躍起になる中、国内の感染者数は増加の一途をたどっています。顧客からの問い合わせ件数もじわじわ増加しています。
ドイツ
政府が渡航禁止や外出制限の措置を実施したことにより、サポートを必要とする顧客が増えました。感染者数の減少に伴い、徐々に顧客からの問い合わせも減少していきました。
日本
緊急事態宣言が出た4月上旬、顧客からの問い合わせが急増しました。その後、7月下旬に新たな流行の波を迎えて以降、チケット件数は再び増加しています。
スペイン
4月上旬の緊急事態宣言の延長と時を同じくして、カスタマーサービスへの需要が高まり始めました。ピーク時には、企業に寄せられるチケット件数がパンデミック前の47%増にのぼったほどです。国境制限の緩和に先立って、6月中旬にもチケット件数が再び急増し、それ以降も、新たな感染拡大の波が訪れたタイミングで増加しています。
米国
各州が制限を緩和し始めた5月までの間、チケット件数はじわじわと増加していました。しばらく経って感染者数がまた急増しましたが、チケット件数は高止まりしており、パンデミック前の約16%増を維持しています。
アフターコロナを乗り切るためのベストプラクティス
目下、事態は二転三転しています。ここでは、サポートチームが不測の事態に備えて取り組むべきステップをご紹介します。
- 昨年までのトレンドは忘れ、今起きていることに注力する
2019年のトレンドを示すスプレッドシートは捨て去りましょう。事態が様変わりした今、カギを握るのは柔軟な対応です。チケット件数が増減を繰り返す中でも、チームはそのつどスムーズにチケットを処理できなければなりません。
去年の同時期のトレンドを振り返るのではなく、現在の月次や週次の指標に目を向けましょう。顧客からよく利用されているのはどのチャネルでしょうか? 1日のうちでチケット件数がピークを迎える時間帯は? 今最も多い問い合わせの種類は? Zendesk Exploreを使えば、こうしたデータを詳細に分析して、最新のトレンドに合わせてすばやく体制を整えられるようになります。
事態が様変わりした今、カギを握るのは柔軟な対応です。チケット件数が増減を繰り返す中でも、チームはそのつどスムーズにチケットを処理できなければなりません。チケット件数の多い時期:
- ライブチャネルを積極的に利用する
多くのチームが体感していることですが、メールだとやり取りが何往復もだらだらと続く傾向にあるため、チケット件数の多い時期には管理が行き届かなくなります。未解決のチケットが瞬く間に溜まり、サポート担当者が処理しきれないほどになってしまいます。一方、電話やチャットなどのライブチャネルなら、多くの場合、一度のやり取りで問題を解決することができます。ソーシャルメッセージングチャネルに対応する
繁忙期には、顧客が手軽にサポートを利用できる仕組みを整えたいところです。家にこもりがちな顧客だと、電話やSNSの利用時間が長くなります。そうした顧客は、適切なリソースや回答に簡単にアクセスできるサポートチャネルを求めています。
そこで、サポート戦略の一環としてぜひとも活用したいのが、Facebook Messenger、WhatsApp、SMSなどのチャネルです。こうしたチャネルに対応すれば、顧客の利便性が増すだけでなく、サポート担当者も効率的に問い合わせを解決できるようになります。 - ヘルプセンターの利用を促す
問題解決時間が長くなり、チーム内で未解決のチケットが溜まり出したら、まずは顧客をヘルプセンターのコンテンツへ誘導するようにしましょう。Forresterの調査によれば、程度の差こそあれ、顧客の76%は自力での問題解決を望んでいます。
サポート担当者のメール署名欄に記事のリンクを掲載する、WebサイトにWeb Widgetを組み込む、マクロ機能で記事をリンクさせる、顧客の待ち時間に関連記事の閲覧方法を自動的に知らせるなど、ヘルプセンターの利用を促す方法はたくさんあります。Zendesk導入企業のThinkificは、コロナ禍の繁忙期に顧客をヘルプセンターに誘導する対策をとったことで、96%に及ぶチケット削減率を達成しました。チケット件数の少ない時期:
- ライブチャネルの利用をできるだけ控える
チケット件数が減ってきたら、ライブチャネルでの対応を1日数時間に抑えることを検討しましょう。そうすることで、サポート担当者は次の来たるべき急増に備えて、サポート業務の最適化に時間をとれるようになります。スピーディに対応できる体制を整える
再びチケット件数が増加する時期に備え、閑散期のうちに将来への布石を打っておきましょう。たとえば、長期間更新していないコンテンツを修正したり、サポート戦略を徹底的に精査したり、サポート担当者へのトレーニングを強化してみてはいかがでしょうか。 - 品質管理プロセスを構築する
マネージャーは、このように比較的手が空いている時期を使って、サポート担当者のチケット対応をチェックし、フィードバックを与えたり、改善点を洗い出したりしておくとよいでしょう。これにより、チケット件数が再び増加したときに、サポート担当者が最高の仕事ぶりを発揮してくれるようになります。