顧客は、答えを見つけるために、保留で待たされることも、果てしないメニューを一つひとつ確認することも、インターネットを探し回ったりすることも望んでいません。 迅速に問題を解決するため、すべての情報を1つの場所で確認できる利便性の高い環境を求めています。
多くの情報をわかりやすく提示するヘルプセンターは、顧客のセルフサービスを促進することで、このニーズを満たします。 このガイドを参考にしてヘルプセンターを構築すれば、顧客を後押しして、顧客自身による解決、つまりセルフサービスを成功に導けるようになります。
このガイドの詳細:
カスタマーサービスにおいてセルフサービスが重要な理由
円滑なセルフサービスへの期待は、現代の消費者文化に深く根付いています。 必要な情報を見つけられなかったり、問題を自主的に解決できなかったりすると、望んでいた解決への流れが白紙になり、主体的なアプローチを中断せざるを得なくなります。 カスタマーセルフサービスポータルを通じてこのようなフラストレーションの原因に対処する取り組みは、良質なカスタマーエクスペリエンスを提供する上で極めて重要です。
なぜヘルプセンターを作る必要があるのか?
ヘルプセンターを開設すると、次のようなメリットを得られます。
- サービスを向上させ、自己解決を好む顧客のニーズに応えることで、顧客満足度を高められます。
反復的なチケットを回避することで、エージェントはより戦略的な取り組みに集中できるようになり、コストの削減と効率アップの実現につながります。
顧客のコミュニティを成長させ、信頼に基づく顧客関係を築けます。
チケットを別方向へそらすディフレクションについて
「そらす」という言葉には、自分たちを守るという意味合いがあるとカスタマーサービスエキスパートのDave Dyson氏は述べています。 「顧客と話をしたくないのではなく、顧客自身で問題を解決できるように、顧客がいつでも簡単に情報を入手できる環境を整えたいところです。」
ヘルプセンターの作り方
何から着手すればよいのかわからない状態でヘルプセンターを構築しようとすると、大掛かりな仕事に発展してしまいますが、 このガイドを参考にすれば、そのような状況を避けられます。 以下のヘルプセンターのベストプラクティスに従い、顧客のニーズに応えましょう。
- 実行に移せる目標を設定する
- データを活用して成功を導く
- AIを活用してコンテンツを作成する
- アプリとモバイルを通じて利便性を向上させる
- FAQページを作成する
- 従業員に積極的な参加を促す
- ユーザーエクスペリエンスを重視する
- ヘルプセンターをアピールする
1. 実行可能な目標を設定する
ヘルプセンターの開設を考え始めたばかりでも、既存のヘルプセンターを改善したいと考えている場合でも、まずは何を達成したいのかを明確にすることが何よりも重要です。
- 顧客からスタッフに送信されるサポートチケットの数を減らしたいですか?
顧客と従業員の関係やエンゲージメントを育みたいですか?
上記の質問は、適切な目標を特定し、主要な利害関係者の支持を集める上で問いかけるべき質問の一例です。
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2. データを活用して成功を導く
開設初日から、ヘルプセンターのパフォーマンス測定を開始することが重要です。 以下のような指標を追跡します。
コミュニティ分析統計データ
解決時間
- スタッフが解決した問題と、カスタマーポータル経由で解決した問題の比率
これらのヘルプデスク重要業績評価指標(KPI)を確認することで、ヘルプセンターが効果的かどうかに加え、改善が必要な領域が見えてきます。
また、顧客がどのようなコンテンツを利用しているかを追跡することも非常に重要です。 これらのデータは、特定のトピックやFAQなど、さらに増やす必要があるコンテンツを決定する際の判断材料となります。
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3. AIを活用してコンテンツを作成する
AIはユーザーのデータを巧みに読み取り、顧客が苦労しているトピックや有益なコンテンツが欠けている分野を的確に指摘することで、コンテンツのギャップを特定します。 さらに、新しい記事の原稿を生成AIに作成させることで、チームの貴重な時間を奪うことなく、一貫した品質を保てます。
また、AIは最新の情報を基に記事を自動的に更新したり、異なる言語に翻訳して対象の地域を拡大し、異なる市場に対応することで、既存のコンテンツの活性化を実現します。 その結果、ニーズを予測できるほか、正確な情報を利用しやすい状態で提供し、多言語にも対応できるヘルプセンターが生まれ、大勢の顧客に利用してもらえるようになります。
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4. アプリとモバイルを通じて利便性を向上させる
ラップトップやタブレット、スマートフォンでもスムーズにヘルプセンターを使える状態を整備して、同じレベルのサービスを受けられるようにする必要があります。
たとえば、Grubhubのヘルプセンターのデザインでは、顧客やドライバーがモバイルアプリを使ってサポートワークフローを自動化できるようになっています。 また、顧客は携帯電話で注文の追加や払い戻しを行えます。 ドライバーは、アプリから注文の最新情報を送信することで、誰にも電話することなく配達の問題を知らせることが可能です。
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5. FAQページを作成する
セルフサービスオプションの提供において、FAQページは数あるツールの中でも主力になる可能性を秘めています。 FAQページは汎用性と費用対効果が高く、顧客の多様なニーズに迅速に対応できます。 従来は単純なQ&Aの一覧と見なされていましたが、FAQページはヘルプセンターと統合できるため、企業の規模の拡大に合わせて、徐々にヘルプ記事を増やし、管理できるメリットがあります。
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6. 従業員に積極的な参加を促す
ヘルプセンターを作り、一歩下がって見守るだけでは、セルフサービスは成立しません。 従業員の積極的な関与が求められます。 従業員が顧客のニーズに合うコンテンツを作成することで、企業が顧客の行動やフィードバックに耳を傾け、気にかけていることを示せます。
なお、従業員とは、カスタマーサービスチームだけでなく、会社の全従業員を指します。
- マーケティングチームは、顧客とのやり取りを観察し、顧客と企業の関係を育むことが可能です。 また、ヘルプセンターを通じて、カスタマーアドボケイト(顧客支援者)を特定し、把握できます。
- 製品チームとサポートチームは質問に答え、コメントに対応します。 これらの部門が協力することで、コミュニティから有益な情報を引き出して活用し、フィードバックサイクルを加速させることが可能になります。
- 営業チームはヘルプセンターを積極的に活用することで、顧客とのつながりを深めることができます。 また、ヘルプセンターは、販売サイクルの継続につながる貴重な情報をもたらします。
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7. ユーザーエクスペリエンスを重視する
サイトへの集客は万全でも、優れたユーザーエクスペリエンス(UX)を提供できなければ、ユーザーは短時間で去り、継続的な利用は期待できません。
重要な情報に簡単にアクセスできるナビゲーションが欠かせません。 たとえば、検索バーは顧客が情報を探す際に重宝するので、見つけやすく使いやすいものを用意しましょう。
UXを検討する際は、次の質問を問いかけることをお勧めします。
顧客にとって重要な情報を提供し、アピールしているか?
利便性を考慮してヘルプセンターのコンテンツを構成しているか?
また、ヘルプセンターを視覚的にアピールすることも重要です。 ヘルプセンターのリソースをより魅力的なものにするために、テキストに加えて動画やオンラインセミナー、画像などのリッチメディアの追加を検討するとよいでしょう。 ウェブサイトチームやデザインチームの専門家と協力してベストプラクティスに従い、テストを繰り返しましょう。 ヘルプセンターの構築は継続的な取り組みであるため、機能しているアイテムと機能していないアイテムを見極めて、調整する必要があります。
UXを測定する方法としてお勧めするのは、直接フィードバックを求めるアプローチです。 「探していた情報は見つかりましたか?」と尋ねたり、 改善につながる提案を求めることも可能です。 手短なアンケート調査は、魅力的なUXを実現する上で大いに役立ちます。
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8. ヘルプセンターをアピールする
ヘルプセンターを作っても、誰にも使ってもらえないなら宝の持ち腐れです。 テクノロジーを選択し、目標を設定し、ヘルプセンターを作成したら、ユーザーを誘導します。 このステップでは、マーケティングチームの参加を求めるか、マーケティング担当者の視点で臨む必要があります。
どのようにビジターを招き、魅了するのか?
どのようにサイト、あるいはサイトの特定の場所を宣伝すればよいのか?
コミュニティをマーケティングプログラムの支持に活用できる方法はあるのか?
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社内ヘルプデスクとの違い
従来のヘルプデスクは外部の顧客を支援することが目的ですが、社内ヘルプデスクは従業員がプロセスや製品、サービスに関する情報にアクセスするための拠点です。 社内ヘルプデスクは、優れた従業員エクスペリエンスには欠かせない要素です。
ヘルプセンターの次のステップ
ヘルプセンターの構築と管理は大変な取り組みのように思えるかもしれませんが、Zendeskがあれば大幅に負担を軽減できます。 目標と顧客のニーズを定めたら、残りの大変な作業はZendeskにお任せください。 既成のテンプレートや生成AI、コード不要のエディターなど、顧客が楽に問題を自力で解決できる環境を作り出す上で必要なツールがZendeskには備わっています。