顧客とチャットでやりとりをする場合、電話やメール、あるいは対面による応対と同様に事が運ばないことがあります。文字の短いメッセージは様々な解釈ができるため、意図したとおりに伝わらないことが出てくるかもしれません。だからといって、長々と時間をかけて慎重に一語一句、熟考して入力する必要はありません。この記事では、顧客に満足してもらえる体験を提供するための、チャットサポート時のマナーについて解説します。
チャットサポートのマナー:
6つの秘訣
仕事のプロ意識を持って対応する
過度な期待を抱かせない
顧客個人に寄り添い傾聴する
状況を伝える
必要に応じて助けを求める
共感を示す
1.仕事のプロ意識を持って対応する
カスタマーサービスのプロとして相応しく好印象を与える文章の書き方に徹する必要があります。
正しい日本語の文法と漢字を使う。
インターネットでよく目にしていても、略語は使用しない。
冗談は書かない。チャットの時は、相手に冗談だとわかってもらえないかもしれません。
2.過度な期待を抱かせない
顧客にはあらかじめ自分ができることと、できないことを率直に伝えるようにします。
- 言い切ることは避けましょう。その情報が間違っていたり、あてはまらない場合があるかもしれません。<li自分自身が担当しない場合は応答時間を確約しないようにします。対応を別の担当者に引き継ぐ時は、解決に要する時間を顧客に伝えることは避けるべきです。ただし、事前にその担当者から一定の時間内に対応できることを確認した場合は、その見込み時間を顧客に伝えても問題ありません。
自分自身の権限だけでは提供できない割引やアップグレード、または確定していない新機能については、顧客に確約しないようにします。
3.顧客個人に寄り添い傾聴する
心のこもったメッセージでやりとりをしながら、顧客の話しに耳を傾けて、ロボットの対応と思われないようにします。
顧客が送信した最初のチャットメッセージ内容に必ず目を通してから回答します。必要な情報を顧客は既に提供してくれているかもしれません。
何度も同じ問題で問い合わせをしている顧客の対応をする場合は、過去のチャット履歴を確認して背景を把握します。背景を理解できていれば、顧客は何度も同じことを繰り返し説明する必要がなくなります。
リンクを示す場合は、そのリンク先の内容が顧客と交わした会話の文脈に相応しい内容であることを再度確認します。
自身のプロフィールに自分の写真を掲載し、個人の印象を良くします。
技術的な専門用語は使わないようにします。顧客はサポート担当者ほど製品のことを熟知しているわけではないため、分かりやすい言葉を使う必要があります。
4.状況を伝える
顧客を待たせてしまう場合や、すぐに問題を解決できない場合は、状況を説明するようにしましょう。
できるだけ早く応答します。顧客を待たせる必要がある場合は、解決に向けて取り組んでおり、問題が解決次第、回答することを伝えます。
現状を小まめに顧客に伝えます。例えば、対応を財務部門に引き継ぐ場合や、社内で他の人に確認をとる場合も、顧客にその状況を常に説明しながらサポートを続けましょう。
必要に応じてサポートチケット番号など、その問い合わせに関連した情報を提供します。
5.必要に応じて助けを求める
初回のチャットで問題を解決することが理想的ですが、場合によっては社内で協力を仰ぐことが顧客にとって最良の対応になることもあります。
顧客から2~3回説明してもらっても意味が理解できない用語や問題を提示された場合は、顧客に再度説明してもらう前に、他の社員にも目を通してもらい、理解に努めるようにします。
自分では解決できない問題の場合は、その問題を解決できるサポート担当者にチャットを引き継ぎます。
別のサポート担当者にチャットを引き継ぐ際には、事前にその担当者に状況を説明して、顧客がもう一度説明しなくても済むようにします。
6.共感を示す
製品の使用中に起こった問題に苛立ちを感じている状態でサポートに問い合わせをしてくる顧客もいます。そのような不満をぶつけられたとしても、自分自身に対する攻撃とは受け取らないようにしましょう。
チャットでのやりとりでは、応答が遅れたことに対する言い訳や不正確な回答をしないようにします。不便をかけたことを謝罪したら、対応を先に進めましょう。
マネージャーや上司と話したいと顧客に言われた場合は、そのとおりにチャットを引き継ぎましょう。転送を断ると、顧客をさらに苛立たせることになるだけです。
チャットサポートのマナーを習得することは難しいと感じるかもしれませんが、これらのヒントを踏まえて訓練すれば、誰でも質の高いチャットサポートを提供できるようになります。チャットであれ、メールや電話であれ、どのようなコミュニケーション方法を使う場合でも、最終的な目的は満足度の高いサービスを顧客に提供することです。どのような時もこの点を念頭に置いて業務に取り組めば、顧客に満足してもらえるカスタマーサービスを提供できるはずです。
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