あらゆる対応において、一流のサポートを提供する素晴らしいカスタマーサービスチームを持つこと。その理想は素晴らしいものですが、そこに到達するのは難しいというのが現状です。
高い目標を掲げることは良いことですが、カスタマーサポートチームが意欲的になればなるほど、実現する過程で直面する課題はますます増えてしまいがち。カスタマーエクスペリエンスを重要視する成長企業は、いくつかの共通するカスタマーサービスに関する課題を抱えています。
課題1:正しいデータを収集し、活用するのが難しい
あらゆる業界でデータドリブンのメリットが頻繁に語られていますが、それを実行に移すには多くの困難を伴います。適切なツールがなければ、自社の顧客がどのような人物で、自社のビジネスにおいてどのような体験をしているか、といった顧客に関するデータを整理することは、不可能でしょう。さらに、多くの企業は、既にあまりにも多くのデータを抱えています。収集したデータが増えれば増えるほど、その中から自社の目標達成のために最も重要な情報に焦点を当て、その情報に基づいて行動を起こすことは難しくなるのです。
我々の調査では、聞き取りを行った対象企業の52%が「データドリブンな意思決定(データ駆動型の意思決定)を行うことに苦労している」と回答しています。しかし、データドリブンな意思決定(データ駆動型の意思決定)ができなければ、自社の顧客サービス戦略は根拠のない推測に基づいたものでしかなくなってしまいます。
ソリューション:本当に必要な指標を特定し、それに合う技術を探す
顧客分析トラッキング用に設計されたツールに投資する前に、まずは自社のビジネス目標を明確化することに時間をかけ、それらを達成するために有効なデータを特定することが大切です。これこそが必要な指標であり、それ以外は気にする必要はありません。
ほとんどのカスタマーサービスチームが指標とするカスタマーサービス指標には、顧客満足度(CSAT)スコアや、Net Promoter Score℠(ネットプロモータースコア、NPS)といった顧客からのフィードバックに関連するデータと、担当者のパフォーマンス(レスポンスや解決までに要した時間)を組み合わせたデータが含まれています。
注目すべき指標を明確にしたら、そうしたデータを簡単に収集できるだけでなく、チーム全体で活用できるフォーマットにまとめることができるツール(Zendesk Exploreなど)を探しましょう。収集したデータの効率的な活用のためには、直感的に操作できるダッシュボードと明確なレポートが必須です。
当社の調査によると、調査対象企業のうち61%は、「適切な指標へアクセスできるようになったことにより、最終的にデータドリブンな意思決定(データ駆動型の意思決定)が可能になった」と回答しました。
衛星通信ソリューションを提供するBeam CommunicationsのヴァイスプレジデントJohn Zante氏は、「Zendesk Exploreを利用して適切な指標へアクセスすることによってデータドリブンな意思決定(データ駆動型の意思決定)ができるようになり、我々のカスタマーサポートが顧客によってどのように認識されているかを評価することができるようになった」と語っています。
課題2:返信と解決までにかかる時間が長すぎる
顧客は、問い合わせに対して早い返信を期待しており、その傾向はますます強くなっています。実際、65%の人は、5年前に比べてより迅速なサービスを期待しています。顧客は、返信が遅れた理由には興味がありません。ただ、今すぐ回答がほしいだけなのです。
受けた問い合わせを適切な担当者に素早く割り当てるプロセスが整っていないと、カスタマーサービスチームが迅速に問題を解決するのは難しくなるでしょう。どの部門で対応すべきか不確かなままサポート担当者が色々な部門にたらい回ししていて時間がかかってしまうような状態では、顧客の期待に応えることはできません。
当社の調査の結果によると、対象企業の40%が「最初の返信と解決までの所要時間に関して、期待にそえる対応ができていない」と回答しています。
オムニチャネルサポートを始めましょう
ソリューション:社内プロセスの改善
最初のステップとして、サービスレベルアグリーメント(SLA/サービス品質保証)を作成しましょう。具体的な目標を設定することで、企業が担当者に期待する維持すべき基準を明確にし、社員全員で同じ認識を共有することができるからです。
自社のサポートチームにSLAを遵守させるためには各担当者がSLAをどの程度満たしているかを普段から常にトラッキングできるようにする必要があります。返信にかかる時間が目標値から大きく外れた場合は、いつでもチームメンバーとマネージャーに通知されるようアラートを設定しておきましょう。
ただし、チームが確実に目標を達成できるようにするには、システムにリマインダーを組み込むだけでは十分ではとは言えず、さらに社内の構造を整える必要があります。サポートチームには、問い合わせの内容を迅速に理解し、どの担当者が対応すべきかを直ちに判断するためのツールを用意しましょう。どの担当者がどういう案件を担当しているのかを明確に定義し、必要なときに必要な情報を見つけることができるよう、担当者全員が便利に使える情報ポータルが必要です。
SLAの作成とその遵守のための適切なプロセスを導入した企業のうち、37%が「初回サポート時の対応時間と解決まで要する時間の改善が見られた」と回答しています。
オンライン・セキュリティ・ソリューションを提供するSmoothwallのIT管理者であるDaniel Mcguigan氏は、次のように述べています。「現在、全ての担当者が閲覧可能で、目標達成のために取り組みやすい仕組みを導入したことで、お客様ごとにSLAの状況を効率的に把握、管理することができるようになった。」
課題3:顧客が本当に満足しているかどうか判断できない
ビジネスが成功するか否かは顧客次第であり、顧客の満足度を高めることが最も重要であることは、言うまでもありません。高い顧客満足度を達成しているかどうかを判断するための最良の方法は、やはり顧客の意見に直接耳を傾けることです。
しかし、多くの企業は、現行の顧客サービス戦略がきちんと機能しているかどうかを確認するために必要な顧客からのフィードバックを直接得ることが難しいと感じています。調査企業の41%は「顧客からのフィードバックを効果的に収集できていない」と回答し、62%は、そもそも顧客満足度の測定プロセスを整備していませんでした。
顧客満足度の改善の第一歩は、自社サービスに対する評価を理解することから始まります。
ソリューション:顧客満足度調査を実施する
顧客満足度調査は、現在の状況を迅速、かつ正確に把握するために有効な方法です。調査の設問は、顧客にあまり手間をかけさせることがないよう少数に設定するのが効果的。選択形式にすれば、顧客は「はい」「いいえ」をクリックするだけですぐに回答ができます。また、2〜3分で埋められるようなコメント入力欄を設ければ、直接顧客から改善のヒントを得ることも可能になります。
調査では、対象企業の30%が「顧客満足度調査を実施したことにより、顧客満足度が向上した」と回答しました。
事業者向けコミュニケーション・ソリューションを提供するBeekeeperのカスタマーサクセス部門マネージャー、Jessica Schmidt氏は、「顧客満足度調査によって、有益なデータとビジネスにおける明確なヒントの両方の獲得が可能である」と指摘しています。「自社顧客の満足度を調査することは非常に効果的である。それは、どの分野に成長の余地があるかを認識する良い機会にもなるからだ」とも述べています。
カスタマーサービスの主な課題を解決しよう
適切な目標を立てたなら、さっそく始めましょう。サポートチームが掲げた高い目標を達成するためには、最も困難な課題に正面から取り組んでいく必要があります。技術的なソリューションを正しく活用することで、こうした目標の達成がはるかに容易になります。自社のサポートチームが必要とするツールを提供することで、真に上質なカスタマーサービスを実現してみてはいかがでしょうか。