世界的なパンデミックがカスタマーサービスの現場にも大きな影響を与えています。あらゆる企業で顧客からの問い合わせが急増。メッセージチャネルを使用する顧客が増え、より一層シームレスなエクスペリエンスへの期待が高まるなか、今こそ優れたCXの構築に取り組むべきときが来たと言えるでしょう。急激な変化に立ち向かうためには最適な戦略が必要です。Zendeskは2020年10月28日、ニューノーマル時代のカスタマーサービスを考えるウェビナーを開催。昨今のビジネス環境を踏まえたCX改善のアプローチに迫りました。
ウェビナーのトップバッターを務めたZendeskの製品責任者のエイドリアン・マクダーモットは、「”数十年分の変化が数週間で起こる”というレーニンの言葉が、今まさに現実になっています。カスタマーサービスの未来を見据えて今何をすべきかを考えることが成長基盤の鍵」と語り、今後のCRM戦略について次の5つの見解を紹介しました。
<CRM戦略において考慮すべきポイント>
顧客ニーズを的確に踏まえた良質なセルフサービスの提供
日々のサポート業務で得られるナレッジの共有
サポート戦略におけるメッセージチャネルの採用
優れたCXの実現を可能にする適切なツールの選択
社内の誰もがデータを活用できる環境の整備
「自社でのサポート戦略や導入するテクノロジー、CXリソースの活用方法を考える上で参考にしてください」とエイドリアン。ウェビナーではこの5つの見解について背景情報を交えながら説明しています。
また、エイドリアンが言及したCX戦略を推し進めるにあたり、参考情報としてぜひ押さえておきたい情報があります。それは、Zendeskが調査会社ESG社の協力を得て実施したCXの重要性と成熟度に関する最新調査レポートです。この調査では、世界中の数千人のCXリーダーにインタビューした結果から、CXへの投資により得られる成果が明らかになっています。
ウェビナーでは、ESGのアダム・ドゥマティア氏とジョン・マックナイト氏が対談形式でこの調査結果を紹介。CXの成熟度の高いチャンピオ ン企業と、CXの成熟に向けて最初の一歩を踏み出したスターター企業との間にある大きな差に言及しつつ、これは決して埋まらない溝ではなく、大幅に改善できる余地 があるという見方を示しました。逆に継続的な改善に取り組まなければ、顧客ファーストで先を行く企業に顧客を奪われてしまうということです
<チャンピオン企業のCXがスターター企業との比較で優れる点>
問題解決までの時間が34%も短い
86%が一度のやりとりで解決に至るワンタッチチケットである
1か所で必要なデータを確認できる割合が6.3倍高い
5~6つのチャネルを使っていても非常にシームレスである
エージェントの生産性がおよそ2倍高い
チームの離職率について10社中7社が問題視していない
75%の企業で顧客数が純増している
57%の企業がリモートワークにスムーズに移行できている
過半数の企業が今後12ヵ月間でツールやテクノロジーへの投資を増やす見込みである
ウェビナーの最後は、ZendeskのAPAC拠点を率いるリーダー達によるパネルディスカッション。Zendeskでカスタマーアドボカシー部門をけん引するキャシー・デルプス、APCのCXストラテジストであるマルコム・コー、APACの新任COOのウェンディー・ジョンストンの3人がこれからのCXをテーマに語り合いました。
「APAC地域は欧米に比べてCXの面では成長途上」とマルコム。チャットでさえまだまだ新鮮なツールですが、一方で競争環境は激化し、顧客の要求は高まり続けています。こうした中でCXの構築に力を注ぐべきであることは言うまでありません。キャシーは、「CXを成熟させるには、経営幹部にCX指標を示す必要があり、CX可視化への投資は不可欠です」と強調。自身の長いキャリアの中で最大の失敗のひとつが「プロジェクトの開始時点で重要なデータが手元に揃っていなかったこと」だったとして、「経営幹部がデータを通して顧客のリアルな声を拾い上げたり、ロイヤルティやコンバージョンなどへのCXの影響を理解したりすることで、ビジネスは成功に近づくのです」と語りました。
どんな企業も完璧ではなく、チャンピオン企業にも改善の余地はあります。では、何から始めればよいのでしょうか? この問いに対し、ウェンディーは「全従業員がCXの責任者であるという考え方が大切。これはZendesk社内でも常に強調していることです」として、次の3つのポイントを紹介しました。
<CX改善への取り組みのポイント>
CXを経営戦略の優先事項に据え、主要な経営幹部からのサポートを得る
明確なKPIを設定して現在の達成度を把握すると共に、社内全体にKPIを段階的に浸透させる
経営幹部に達成状況のデータを定期的に共有し、改善すべき分野を特定する
さらに、CXの成熟度で他社を追い抜くには、「CXをブランディングすること。ブランディングと言っても、データを戦略的に示せばよいだけ。指標が十分にそろい、かつ社内での認識も高まれば成功します」とマルコム。続いてキャシーも、「企業の変化を担っているのは従業員であり、現場の最前線から変化を起こすことが大切。顧客と最も多く接している従業員ほど大切に扱うべきでしょう」と続けました。
「継続的に顧客の声に耳を傾け、ニーズに合わせて速やかに変化しながら、新たな付加価値を生み出していくこと。これを実現できた企業がすばらしい成果を手に入れられます。」(ウェンディー)
もはやCXの向上に投資することを躊躇している余裕などありません。ウェビナー「Go From CX Starter to Champion ー ニューノーマル時代のカスタマーサービスへ ー」*をご覧いただき、Zendeskと共にCX改善への取り組みを始めましょう。
* リンク先のページでご登録いただきますと、日本語字幕版のウェビナーをご覧いただけます。